プライベートブランドを巡る雑感:小売店はメーカーを超えられるか

公開日: ウェア関連, 新製品情報, 雑記 , ,  

セブンイレブンやファミリーマートのような大手コンビニチェーンで商品棚を眺めていて、ブライベートブランド製品がホント増えたな、と感じることが多くなりました。

プライベートブランド製品(以下PB製品)とは小売店(ショップ)や卸売業者が独自展開する商品のことです。企画から製造まで全てを自社で行うパターンもあれば、製造だけ委託したりパッケージだけPBにする等様々なパターンがあります。時には企画段階から全て他社に丸投げし、自社ブランドとして販売することもあります。

例えばセブンイレブンのポテトチップ棚を見ると、最近はセブンイレブンブランドのポテトチップしか置いていないお店があったりします。セブンイレブンのPBポテチが好きで好きでたまらないという人や、他のメーカーより安いから有り難い、という人もいるかもしれませんが、ちょっと特殊な状況が発生しつつあるのではないかと感じます。

どうも有名メーカーの品が排除されつつあるように見えます。「カルビーのあのプレーンな塩ポテチ」や「湖池屋のあの青のりのポテチ」が食べたい人にとって、このPB製品の大増殖・商品棚の独占状態は迷惑に感じることもあるのではないでしょうか(私は炭水化物ダイエット中なので滅多にポテチを食べないのですが、そうでなかったら多分怒っていたでしょう)。

少し前までは「セブンイレブンのPBポテチとその他メーカーのポテチの比率」が4:6くらいだったような気がするのですが(数字は適当です)、最近は9:1、場合によっては10:0ということもあります。またPB製品のカテゴリーも、食品から食器洗剤・文房具等々、どんどん増えてきています。

食品ではカップラーメンのPB化が目立っているように感じます。日清の「カップヌードルしょう油」はさすがに不動の地位を保っているものの、「日清のカップヌードルしょう油のフリをしたセブンイレブンオリジナルの醤油味カップヌードル」が不気味なオーラを放っています。何かこう、ナナフシという昆虫が枝のフリをしているような、そんな感じでドキッとします。

日清のカップヌードルしょう油やシーフードやチリトマトは、いずれカルビーや湖池屋のポテトチップのように、近い紹介、置かない店舗も出てくるのではないか? というかセブンイレブンやファミリーマートのような大手コンビニが扱う商品の大部分がPB化していくのではないか? と感じます。

PB製品を批判しているわけではありません。大メーカーはおもしろくないかもしれないけれど、小売店と消費者にとってはメリットがあります。ショップは自分がメーカーの機能を持つことによって利益率を上げられる。コンビニの場合は全国に張り巡らせた店舗と流通網という圧倒的かつ決定的なアドバンテージを持っているので、売り方で困ることはない。

ショップは利幅を上げられるだけでなく最終的な小売価格も下がるため(=メーカーが絡まない・大量生産のため調達コスト削減可)、消費者は他の大メーカーのブランド品よりも安い値段で「似たような味の製品」を買うことができる。だから消費者にとっても、基本的には良い。

ただ、何かちょっとつまらない感じになってきていないか、と思ったりしたのでした。カルビーのコンソメ味的なもの、湖池屋のカラムーチョ的なものは、置いてある。しかし本家製品が消えている。似たようなものではなく、オリジナルを、本物を食べたい。そう思った時に困る人はいないのか。

自転車の世界でもPBの波はずっと前からあります。例えば群馬県の名店サイクルショップタキザワにはHARPというPBフレームがあり、OEMのツールもたくさん扱っています。全国展開のワイズロードもPBウェアブランドを持っていますね。通販ショップも当然これをやるわけで、Wiggleのdhb(ウェア)やLifeLine(ツール・アクセサリー)は特に有名ですね。

普段ロードバイクに乗っているとdhbウェアを着た人を本当によく見かけるようになりました。日によっては4:6くらいの比率(dhbが前者)で見かけるような気がします。ただWiggleではdhbだけでなくカステリもパールイズミもアソスも買える。dhbだけを売っているわけではない。dhbは個人的にはかなり好きなブランドですが、もしそれしか扱いがなかったらちょっと寂しい。

しかしこれは杞憂で、通販ショップがほぼPB製品だけを扱うようになることはまずないでしょう。というのも、PB製品以外のものが欲しいカスタマーは他所に行ってしまうだけで、それは単純な機会損失です。カステリが欲しい人のためにカステリを置いておく必要があります。

セブンイレブンやファミリーマートの場合はどうでしょう。いま「カルビーのポテチを食べたい」という人が、セブンイレブンに行ったとします。そこには「カルビーのポテチ」によく似た雰囲気のPB製品があります。しかし本家はありません。では彼は「オリジナルのカルビー」を探して他のお店に、たとえばファミリーマートに行くでしょうか。

ファミリーマートに行って「カルビーのポテチ」(本家)があれば良いのですが、最近はないことも多いのです! こうなるともう諦めざるをえない。アマゾンで買えば明日届くかもしれないけれど、ポテチは明日食べたいのはない。いま食べたい。

ここで彼は仕方なく、消極的にPB製品を買うことになります。販売網・流通をおさえているというのはこれほどまでに圧倒的なアドバンテージです。選択の自由を奪ってしまうほどの強力なアドバンテージです。そしてこの状況を歓迎しない人からすると、コンビニチェーン=悪の権化、ということになります。

この状況でちょっと言いたいことがあります。そろそろ小売店は「カルビーのポテチっぽいもの」だけでなく、「カルビーを超えるポテチ」も作る(創る)べき時代に入っているのではないか、と。「本物によく似ていて、ちょっと安い」だけのPBを卒業し、「物真似ではなく、積極的な理由で買ってもらえるような」PB製品を開発すべきではないのか、と。

ここまで書いて、そういえば最近Wiggleがdhb Professional ASVというシリーズを出していたことに思い当たりました。あの「安いわりには見た目も良くて結構使える」dhbの上位ラインナップです。いま見ると製品も8種類くらいで価格も通常のdhb製品よりだいぶ高い。プロ仕様の本格派製品を目指しているようです。

これだ。これが正しい進化なのだ、と思いました。dhbはプライベートブランド・サイクルウェアとして世界で最も成功したブランドと言って過言ではないと思いますが、dhbのこの新しい挑戦も同様に成功を収められるのか、注目したいですね。

「カルビーじゃなくて、セブンのポテチが食いたいんだよ!」
「カステリじゃなくて、dhbが着たいんだよ!」

そんなふうに言われてはじめて成功でしょう。「それでいい」から「それがいい」へ。簡単なことではないと思いますが、この進化を目指さない限り真の生き残りも多分ないでしょう。






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