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よみもの

Designed In Taiwanってそんなに恥ずかしいことなんでしょうか?

CYCLE SPORTSの2009年11月号に掲載されていたMERIDAの広告を見て、あれ? と思いました。

台湾の美利達、すなわちMERIDAといえば、ディストリビューション(流通)上の問題があるせいか、日本ではあまり売っているショップを見かけませんが、数々のOEM製品を手がけるなど高い技術力を持っているメーカーであることは多くの人がご存知ですよね。たとえば、スペシャライズドのカーボンフレームのほとんどは台湾のMERIDAで製作されている、等々。

どう考えても、すごいメーカーなわけです。そのへんで売っているわけではないし、グランツールに出ているわけではないけれど、ちょっと自転車に乗っている人なら、MERIDAがMTBではかなり強いことを知っているし、たぶん信頼のできる高い技術力があるんじゃないか、と思っている。

しかし、CYCLE SPORTSの2009年11月号に掲載されているMERIDAの広告には、次のように書かれてあるのです。

ヨーロッパの感性から生まれたハイパフォーマンス メリダ
ドイツ・シュツットガルト。メリダのバイクはここで企画・デザインから設計・開発まで行われ、台湾本社工場のロボット溶接によってフレームに再現される。自転車の聖地・ヨーロッパで取り入れた最新のデザインと性能。熟練のビルダーをも凌駕する正確無比な製造技術。・・・・(以下略)

私は、読みながら「・・・・・・・」と、言葉を失いました。
メリダのデザインはドイツ・シュツットガルトで行われているんですか。知らなかった。

広告でそう銘打っているのだから、たぶん事実なんでしょう。シュトゥットガルトに小さい事務所的なオフィスを構えて、雇い入れた優秀なヨーロッパ人デザイナーが、そこで一生懸命メリダのかっこいい自転車をデザインしているのかもしれない。

その事実について、何か言いたいわけではないんです。
今時、設計・デザインから製造までを一気通貫で行っている企業のほうが少ないでしょう。
AppleのiPodはカリフォルニアで設計・デザインされて、中国のFoxconnで製造されています。
自転車の世界でそうした動きがあっても、不思議なことではありません。

ただ、この広告のニュアンスが、なんだかすごくイヤだったんです。

なんというか、MERIDAがちょっとかわいそうになりました。
この広告では、まるでMERIDAには溶接と組み立ての技術しかなくて、フレームのデザインや設計といったもう一つの創造的な分野では、MERIDAにはなーんにもないのです、だからその部分だけはヨーロッパの白人さんたちにお願いしているのです、という印象を受けてしまいますよね。

これでは、MERIDAというブランドをつくった意味がないのでは。だって、OEMでつちかった技術とノウハウをベースに、自分たちのブランドをつくろう! と立ち上がったわけですよね(想像だけど)。なのに、この広告では、肝心要の企画・デザイン・設計・開発には、自分たちはタッチしていない、と宣言しているようなものです。もっと言うなら、「自転車の聖地ではないアジアのメーカーであるメリダですが、肝心要の企画・デザイン・設計・開発には、我々アジア人の手など一切入っておりませんので、ご安心ください」と言っていますよね、これ。裏を返せば。

そんな自転車、欲しくありません。

たぶん、この広告を作成した人は、日本のサイクリストを誤解しているんじゃないでしょうか。「君たち、ブランドもの好きだろう。自転車といえばヨーロッパが本場だよね。台湾なんかじゃないよね。でも安心してほしい。メリダというメーカーは、製造は台湾だけど、ブレーンはヨーロッパにある。だから、安心してヨーロッパの本質を、低価格で手に入れて欲しい・・・」と言いたいのでしょう。

なんだか、バカにされているような感じですよね。

この広告が、どこから出てきたのか、私は知りませんが、台湾のメリダ本社から出てきたものだとしたら、がっかりな感じです。せっかく高い技術力があり、自分たちのブランドを立ち上げることにしたのだから、もっとプライドと自信をもってやっていいのに、と思います。また、もしこの広告が日本の代理的によって発案されたのだとしたら、かなり罪深いことだと思います。

たとえば、私は次のような広告だったら、感動していたと思います。

ヨーロッパの感性に学んだアジアの雄 メリダ
台湾・台北。メリダのバイクはここで企画・デザインから設計・開発まで行われ、台中工場のロボット溶接によってフレームに再現される。自転車の聖地・ヨーロッパのメーカーが賞賛する比類なき製造・ビルディング技術を生かし・・・・(以下略)

まあ、そんなに自分を貶めなくてもいいんだメリダ!! と思ったわけです。
頑張れメリダ!
「台湾製ですみません」なんて、欧米に頭を下げる必要はもうないでしょう。時代はもう、「台湾製なのか。それはすごい!」という時代。
それは、コアな日本のサイクリストも十分理解しているはず。

・・・でも、「自転車の聖地・ヨーロッパ云々」と書いていたほうが、初心者を騙せるんだろうなあ。
商売って大変だなあ。

同じアジアの人間として、なんだか悔しいぜ! 打倒・欧米だ!(打倒してどうするw)
酒が飲みたくなってきた! 今日は会社なんか早退だ!! マスター、ウィスキーをくれ!

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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