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エキップアサダがUCIチーム登録を断念

11/16日発表だったので、もう一ヶ月以上前のニュースなのですが、私は最近まで知りませんでした。

2010年、エキップアサダはUCI登録チームとして走ることはありません。浅田監督は、たぶんツール・ド・フランスに日本人チームを出場させることがライフワークでしょうから、そう簡単に諦めることはないと思いますが、たとえ再来年、あるいは三年後にチームが復活しても、この中断が将来再結成されるチームに与える影響は少なくないと思います。

プロサイクリングチームも一つの組織ですから、その中で培われてきた伝統やノウハウ、効率的なコミュニケーションの技術といったものがあるはず。そして新人育成の土壌もなくなってしまう。せっかく水をやって育ててきた木が枯れていくようなものです。

それとも、日本でプロサイクリングチームを運営するためには、もっと全然別なやり方を考えなければだめなのでしょうか? もしEQAの活動中止の原因が、経済危機による不況と、そもそもシクリスムに大きい関心を払わない日本という社会に存するのであれば、EQAが復活するのは難しいかもしれないし、かりに再来年に復活することができたとしても、三年後はまた活動ができない、ということになってもおかしくないような気がします。

じゃあ、他にどんな方法があるのだ? と言われても私にはわかりません。たぶん誰にもわからない。そんな中で、自分たちに出来ることをやり続けてきた浅田監督はやっぱりすごい人なんだと思います。

詳細はこちらですが、このプレスリリースを読むと、資金面だけでなく人材も不足しているようなことが書いてあります。詳しい事情はわかりませんが、新城・別府両選手の活躍で一歩前進したかに見えた日本のシクリスムは果たして後退してしまうのでしょうか。

宮澤選手のカムバックで盛り上がりムードだっただけに、なんだかモヤモヤとした気分になるニュースです。

じゃあ、いっちょ募金でもしてEQAを応援するか? と考えたりもしますが、焼け石に水ではないか? と思ったりもします。たぶん、戦略を変えなければダメなのかもしれません。

この件で私がいちばんイヤな予感がするのは、「この国では頑張っても認められないんだ」という失望感が若い(サイクリング)アスリートのあいだに蔓延してしまうのではないか、ということです。EQAは日本で最も強いプロサイクリングチームのはず。十分な活躍ができなかった、という理由でチームの存続が危うくなるならまだしも、毎年大きい成果を積み上げてきたのに、「はい、このへんで終了です」と言われてしまったようなものです。

日本から有能な人材が流出し続ける理由がわかるような気がします。これからも、新城や別府のようなスター選手が海外で活躍することはたびたびあるかもしれない。しかし、こんな状態では、日本で「チーム(組織)」が成長するのは、難しいかもしれない。

かつて、日本のサッカーがもう本当にどうしようもなくボロボロで世界レベルまであと一万光年くらいの時代がありましたが(今はだいぶマシになったと聞いています)、世界の強豪と同じ土俵で戦うステージと権利を与えられただけ、彼らのほうがはるかに幸運だったように思います。

なんだか、いくら考えてもモヤモヤした気分が晴れませんよね。
サンタクロースが浅田監督の靴下に、三億円くらい入れておいてくれないかな。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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