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東京がTDFのグランデパールになる可能性は、と聞かれて

先日、J-SPORTSで別府史之、栗村修、Sasha、ベルナール・イノーのトークショー(?)のようなものをやっていました。

そこで、誰だったかな、ベルナール・イノーに「いつか東京がツール・ド・フランスのグランデパールになる可能性はあるんでしょうか?」と聞いたら、イノーは「現時点では、その可能性はない」と言葉を慎重に選びながらも、内容的には「そんなの無理に決まってるだろー、きみたち」とはっきり言っていたのが印象的でした。

もっと印象的だったのは、答えるイノーの表情は、もう明確に”Non”というか”Absolument non” (絶対にムリ)という感じだったことです。

でも、「そんなの絶対にムリだろう」なんて答えるわけにもいかないだろうから、言葉を慎重に選んでいるイノーを見て少し笑ってしまいました(関係ないけど、このトークショーのフランス語通訳の人は、とてもプロとは思えない最悪の仕事ぶりだった)。

私も、東京がツール・ド・フランスのグランデパールになる可能性はほとんどないと思うし、そもそもそんな必要もないと思います。理由は、イノーが言っていたのと同じで、移動を考えたら体力的に無理でしょう。無理というか、選手が可哀想すぎる。東京~成田まで走って、そのまま飛行機で12時間、シャルル・ド・ゴールですか。時差だって相当あるわけです。

今年のTDFはオランダがスタートです。私のフランス人の友人曰く、「ツール・ド・フランスなのになんでオランダ出発なんだよ!! あほらしい」なんて怒ってました。「まあ、オランダは別にいいんじゃないの」と私は彼をなだめました。「むしろ、おもしろい。国家間の友好関係強化という建前も現実的に響くし、なにしろ有名なクラシックレースが開催されるフランドル地方を通過するんだから。単に外国でグランデパールをやる、というのとは、違うじゃない。パリ=ルーべのコースだって通るし、とても現実的で、無理がなく、しかも興味深い企画だと思うよ。」と。

では、「ツール・ド・フランスのグランデパールに東京を!」という要望は、現実的でしょうか。無理がないでしょうか。TDFに良い付加価値を与えるでしょうか。選手に良い影響を与えるでしょうか。レース全体に良い影響を与えるでしょうか。

どれも答えは「アプソリュマン・ノン!」(絶対、否)じゃないのかな。もちろん、私も日本人なので、「東京でグランデパールがあったら・・・」と妄想するのは、楽しいかもしれない。本当に東京でグランデパールをやってほしい、と思う人々の気持ちもわからないではない。

でもね、それって自分のことしか考えてない、ってことにはなりませんか。日本人が喜ぶから。日本のシクリスムが盛り上がるから。そういう動機で何か提案するのは、みっともないと思います。

伝説のサイクリスト、ブルターニュの穴熊・ベルナール・イノーに、「いつか東京がツール・ド・フランスのグランデパールになる可能性はあるんでしょうか?」という質問がなされてしまった。これは見ていて恥ずかしかった。

もし、将来いつか本当に東京がツール・ド・フランスのグランデパールになっちゃたら、私もフランス人の友人のように、「ツール・ド・フランスなのになんで東京出発なんだよ!! あほらしい」とボヤくと思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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