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エヴァンス・サイクルズ、身売りするってよ

イギリスの自転車通販大手、Evans Cyclesが経営危機に瀕しているらしい。コンサルティングファームのプライスウォーターハウスクーパース(PwC)がEvansの売却先を探しているらしく、この記事によるとそろそろ身売り先が決まった頃かもしれない。

エヴァンスは通販でも有名ですがリアル店舗をたくさん持っているんですよね。英国に60以上もショップを持っていて、日本のワイズロードなどよりはるかに規模が大きい。スケール的にはあさひやセオサイクルのほうが近いのかな。1921年創業の老舗で、2015年にプライベート・エクイティ・ファンドのECIパートナーズに8,000万ポンドで買収されています。

Evans Cycles
Photo by Edward Hands, CC BY-SA 4.0

つまりそのちょっと前から経営状態は芳しくなかったんだろうけど、その後の軌道修正もうまく行かなかったんでしょう。2015年以降、社長が2回交代した。最近の不調の原因は、ハイ・ストリートと呼ばれるイギリスの商業地区での売上減少によるもの。Wiggleをはじめとするネット通販にシェアを奪われた感じだろう。ハイ・ストリートでの小売は概ね不調でUKではトイザらスも次々と閉店。

そういえばWiggleにしてもだいぶ前に経営が変わって、もう完全に別の会社みたいになった。アイルランドのCRCを買収したのも規模を大きくしないとまずいという危機感があったはず。現在の英国自転車通販の勢力図は、Wiggle=CRCという一強にPBKが勝負を仕掛けているといった具合で、この3社以外はほとんどどんぐりの背比べになっている。

これらのお店の中で働いている人はたぶん10年前と比べるとほとんど入れ替わったんじゃないかと思う。すごく面白くていい感じの担当者がたくさんいた会社も、気がつくとあまり仕事を楽しんでいない、退屈そうな人達が増えた印象がある。そもそも自転車に乗らない人も多い。逆に高慢でテキトーだった会社が、最近では驚くほどまともになったところもある。経営者が変わると末端もこうも変わるのかと驚く。

ただ全体的に感じるのは、サイクリングや自転車に対して熱いパッションを持った面白いショップが本当に少なくなったなということ。社員さんが自転車に全く興味がなかったり、商品説明がトンチンカンだったり、面白みに欠ける情報をSNSで機械的に発信していたり、どうもつまらない。

ひょっとすると日本よりも中華圏での売上げのほうがはるかに増えていて、そっちのほうにリソース振っているのかと思っていくつかのショップにそういうことを聞いてみたことがあるけれど、どうもそういうわけでもないらしい。中国からの売上は、伸びてはいる。でも日本の市場のほうがまだ大きいんだって(本当かどうかわからないけどさ)。

まぁいくら中国の人口が多くたって、向こうの富裕層はまだベンツやBMWといった高級外車に夢中で、その先にあるスポーツサイクリングに目覚めはじめるのはまだまだこれからなんだろうとは思う。今後5年くらいで大きく状況変わるかもしれないけど。

と、ちょっと話が逸れてしまいましたが、リアル店舗という強みを持っているEvansが通販主体のWiggleなどに押されて苦戦する、というのはなかなか気の毒なところもあります。だってリアル店舗がなくなったら、整備の技術やノウハウが失われていくんじゃないか。いや、最近は自転車の組み上げ方もメンテもみんなYouTube見て覚えるのか。

でも不思議なのが、なんでEvansは逆に通販をもっと頑張らなかったんだろう、ということ。日本から見ていても、日本向けのプロモーションに力を入れている感じは、ほとんどなかったな。たまにすごく安いものがあったりして面白いことは面白いけど、サイトは今でも日本語対応されてない。Wiggle, CRC, PBKは日本語対応しているし日本語ができるスタッフもいる。

Evansも事業規模を考えると、日本語対応できる要員を置いてもよかったのではないか。そのためにはものすごくコストがかかるとは思わない。英語もできる日本人スタッフを2人ほど雇用して一度サイトとビジネスフローを日本語化してしまえばその後の日本向けオペレーションはそれほど大変なことではない。定型的な業務で済む。やるかやらないかだけ。ただ経営者はそこに勝機があるとは考えなかったのだろう。

ドイツのBIKE24や北米のJensonUSAなども日本は全く相手にしていない。日本向けにも商売をするけれど、英語が読めて俺達のビジネス慣習を理解するなら勝手に買え、という感じのスタンスで、もう何十年もやってきたしこれからもうまくいくのかもしれない。Evansもそれに近い感じだったのかなぁ。BIKE24はコンチネンタルヨーロッパの多くの国が商圏だし、JensonUSAも北米マーケットだけで食べていける。

Jenson USA

これからEvans Cyclesはどうなるのか。なんか緊急で運転資金を入れてもらわないとやばいらしい。でもまあ、すぐにお店が消えてなくなるということはないでしょう。経営がちょっと変わっていくはず。どう変わっていくのかな。ハイ・ストリートでのリアル店舗の低迷をどうテコ入れするのか。それとも通販にもっと力を入れるのか。どういうビジネスプランを持っているのか気になるところであります。

下にEvansのセール会場のリンクを張っておくので、掘り出し物があるかどうかたまに眺めてみてください。なおエヴァンスのサイトには”AT STORE”や”Ship2Store Only”という表記がある商品があります。これは上で説明したように、彼らにはリアル店舗があるのです。”AT STORE”はお店に置いてます、”Ship2Store Only”は店頭受け渡しのみ、という意味。”AT STORE”は取り寄せてもらえる場合も。

送料は残念ながら無料ではありません。基本的にウェア・パーツ・アクセサリー類はオーダー毎に8ポンド。かさばるデカい商品で70ポンド。完成車200ポンドと送料的にはかなり不利。ただそれを加味しても安い場合があるので、そんな時に使ってみると良いでしょう。

Evans Cyclesの日本向け送料

他の主要海外通販ショップはこちら。併せてチェックしてみて下さい。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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