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セグウェイはもはや過去の遺物か 欧米で広まるシェアリング型電動スクーターの衝撃

むかしセグウェイっていう乗り物がありましたよね。いや、今でもありますが、あれはいったい何だったんだろうな、と思わせるようなある乗り物が、いま欧米で爆発的な人気を博しています。それを知ったのは、CBNに投稿されたLime bikeのレビューがきっかけでした(PHILLYさんご投稿)。PHILLYさんは北米でこの乗り物を楽しんだ模様。これ、何かというと電動スクーターです。

PHILLYさんのLime bikeレビューより

Lime(ライム)という会社があり、シェアサイクル事業を手掛けているようなのですが、自転車以外にこの電動スクーターも貸し出しているというわけです。PHILLYさんによると、

ライムは電動式のキックボードも貸し出しています。「電動アシスト」ではなく、完全な「電動」な点が面白いです。ハンドルバー左側に小さなスロットルが付いていて、ひねると 時速15マイルまで加速していきます。それなりに舗装がきれいで平坦な道路を選ぶと、最高時速18マイルまでは出すことが可能です。

前輪にはブレーキがなく 後輪のみ、時速24kmを超えてもモーターが切れない、ヘルメットの装着義務が無い(子供と老人を除く)、など これが日本だったら道路交通法に抵触しまくりだろうなー、などと考えてしまいます。それ以前に交通事故を引き起こしまくって 国から禁止される可能性のほうが高いですが。

とのこと。時速15マイルは、キロにすると時速24km。時速18マイルは時速29km。これは速いですね。サイクリングロードを流しているロードバイクなみの速度が出るわけですね。転んだらかすり傷で済まないこともあるでしょう。

このLimeのキックスクーターでサンフランシスコの街中を走っている人(北欧の旅行者)の動画を発見しました。まずアプリをダウンロードし、個人情報やクレジットカード情報を入力するのに30秒。するとすぐに乗り始められる。2回目からは乗りはじめるまで10秒くらいしかかからないそうです。

上の方によると操作感は「バイナリーで使いづらいところがある」とのこと。どういうことかというと、速度調整はON/OFFの二択的なフィールで中間くらいの速度を維持するのにややコツがいるそうです(すぐ慣れるらしいですが)。あと少し揺れを感じるそうです(これもすぐ慣れたらしい)。面白いのが、下り坂で自動充電するところ。サンフランシスコは坂が多い街なので、この機能は大いに活躍すると思います。

料金は使用開始時にまず1ドル。その後は1分ごとに15セントが課金されます。1ドルを129円で計算すると、10分の利用で282円。30分で621円というところでしょうか。ちなみにセグウェイを現地でレンタルすると30分で5〜60ドルするってこの方は言ってます(本当か)。しかもガイド付きツアー。するとこの電動スクーターのほうが断然安いだけでなく自由に好きなところに行けて面白い、というわけです。

セグウェイの最高時速は時速12.5マイル。キロにすると20km/h。20km/h以上の速度が必要かという議論はさておき、LimeBikeスクーターの圧勝です。最高航続距離は不明ですが、この方は1時間15分乗ったと言っています。料金は14.4ドル。1626円。普段使いには高いような気もしますが、これに1時間乗るのはリクリエーション活動でしょうから、その意味では高くはないと感じます。

使用は18歳以下、ヘルメット推奨。そして運転免許証が必要、とは車体には書いてあります。が、どうやって免許証の有無を確認するんだろう。

さてこの便利なLimeBikeスクーターですが、サンフランシスコには競合の「BIRD」や「SPIN」という会社もあって、各社とも勢力を拡大しているようです。そしてこの電動スクーター、街の人には歓迎されていません。やはり様々なトラブルが発生しているようです。下の動画が詳しく報じています。

歩道をジグザグ走行したり、車道の真ん中を走ってみたり、お年寄りが3回ひかれかけたり。速度が早すぎるよ! という苦情が出ている模様。この電動スクーターと市民は共存できるのか、という疑問が出ています。怒れる市民の中にはこの電動スクーターを汚物で汚したり、電気系統のワイヤーをカットしたり、海に投げ捨てる人まで現れはじめました。

そしてこのLimeBikeスクーターですが、ヨーロッパにも進出。フランスでこのタイプの電動スクーターは”Trottinette électrique”(トロッティネット・エレクトリック)と呼ばれています。下の動画はパリの様子。使い方があまりに簡単なので職場から自宅へ、地下鉄から職場へといった感じで日常の足として大人気なのだそうです。

利用開始時に1ユーロ、以後1分ごとに15サンチームという価格設定はアメリカに合わせていますね。パリの渋滞事情もハンパではなく、狭いスペースに無理矢理クルマを突っ込んで駐車するのが日常になっていますが、自家用車を所有するよりもこういう電動スクーターのシェアリングサービスを利用するほうがエコではないか、とこの方は言っています(Limeのフランス法人の社長さん)。

ただパリではこのLimeBikeに限らず、電動でないキックスクーターや自己所有のスクーターで移動する人の数も爆発的に増えているらしく、交通事故件数が1年で25%増えたという統計もあると聞きました。現在のところ歩道を走行するのは合法ですが、まもなく禁止になるとも言われています。

パリにはコミュニティサイクルの”Velib'”等のサービスもありますが、もう完全にこれらの電動スクーターに取って代わられつつある模様。密かに日本でも開始されたら面白そうだなと期待してはいますが、当分は無理でしょう。ただ実際に開始する時は、ヨーロッパの小さい町・狭い道路での運用状態はかなり参考になるはず。パリでうまく使えたら東京でも問題なく使えるでしょう。

パリのvelib’。運用開始は2007年(2009年筆者撮影)

それにしても、セグウェイとはいったい何だったのか。バッテリーの性能向上とモーターの小型化がこの高性能な電動スクーターを可能にしたのでしょうか。”Velib'”のサービス開始時には、こういう乗り物はまだ現実味がなかったと思います。

想像ですが、電動スクーターを使ったシェアリングサービスの構築は、車体の製造コスト、車体の回収コスト、修理コスト、全ての面で”Velib'”よりも安上がりに済みそうです。小さすぎてスポンサーの広告を貼るスペースはないけど(笑)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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