リアル店舗が苦しいのは、何も日本に限った話ではないし、自転車に限った話でもない

amazonの台頭とともに、多くの書店が潰れたと聞きます。WiggleやCRCのせいで多くの自転車リアル店舗が、国内外を問わず苦戦しているとも聞きます。そんな中、アメリカのとある自転車店で目撃されたこんな張り紙が海外でちょっと話題です。

リアル店舗が苦しいのは、何も日本に限った話ではないし、自転車に限った話でもない

From Reddit

どうすればパーツをより安くネットで買えるのかと聞いてくる人には
$100の追加料金を請求します

そもそもこんな失礼なことを聞いてくる客が本当にいるのか、と思うのですが、こんな張り紙が存在するからには、実際にこういうことを聞いてきたお客さんが存在した、ということなのでしょう。

それも1人や2人ではなかったのでしょう。

だとするなら、あくまで個人的な見解ですが、そのお店は何か問題あるんじゃないでしょうか。

感じが良くて、何らかの付加価値を提供できていて、人間的にも魅力がある人がいるショップであれば、こんなことを言ってくる人はそうそういないんじゃないのかな。

だから、こういう張り紙をするということは、ある意味、そのお店には魅力がない、ということをわざわざ告知しているようなものではないのでしょうか。

このお店の店主は、感じが悪くて、付加価値を何も提供できず、人間的にも魅力がない、と自分で触れ回っているようなものではないか。

graymulliganなる人物はこの張り紙について次のようにコメントしています。

もしあなたのビジネスがそんな会話を発生させるようなものであれば、ビジネスモデルを変える時に来ている。どんなビジネスも過去10年間で変わったのだし、リアル店舗を構える自転車店も、かつては考える必要がなかったマーケットの力から逃れることはできないんだ。

気持ちはわかる、リアル店舗で働いていて、そういう質問をされたらムカつくにきまってる。僕は地元の店で少しだけ余分にお金を払うのは気にしないけれど、インターネットが普及する前の時代のように商売し続けるのは、ただの経済的な自殺に等しい。

少しくらい高かったとしても、地元の店で買うことがなぜ大切なことなのか、誰もが理解してくれるわけではない。

自転車店は、地元のショップで買うことが当たり前ではないサイクリストが、自分の店で買い物してくれるような「付加価値」を発見する必要がある。それはより優れたサービスだったり、商品のセレクションだったり、レンタルツールや機材、魅力的なロイヤルティ・プログラム(=メンバーシップ制度)、グループライドだったりするだろう。

ベストなミックスが何なのかはわからない。でもそういう魔法のような組み合わせはきっとあるに違いないと思っている。

この方のコメントには共感しました。私も全く同じ意見です。

「リアル店舗」は英語圏では”LBS”(Local bike shop)と呼ばれます。LBSの存在は、かりに「自転車人の生態系」の存在を仮定した場合、やはり必要不可欠なものであるのは間違いないでしょう。だからそれはみんなで維持しないといけないものだとは思います。

だからお店でみかけたパーツがネット価格よりも数百円高い程度であれば、私はその値段で買います。でもこれが2〜3,000円になってくると、どうしようか、となってきます。

2〜3,000円くらいケチるな、という声もあるかもしれません。

確かに、2〜3,000円はそれ自体、大した金額ではありません。

ただ誰でも自由にできる可処分所得は有限です。自転車に関する支出はその一部であって、全てではありません。米も味噌も歯磨き粉も、新しい靴も買わないといけない。だから、やっぱりどこかで節約しないといけない。

世界中でかなり多くの書店が潰れたと聞きます。日本でも、アメリカでも、フランスでも、書店の数は激減しました。

またamazonの台頭にともない、ヨドバシやビックカメラ、ヤマダ電機などの家電量販店も苦戦しています。

でも生き残っているところは、愚痴をこぼすのではなく、何か新しいことをやっているんですよね。

ヨドバシはamazonに対抗すべく「ヨドバシ・エクストリーム」というサービスをはじめました。ヤマダ電機は、白物家電の販売だけではもう勝てないので、高齢者向けに住宅をまるごと提案するようなビジネスや、リフォーム事業にも着手していると聞きます。

これまでの日本では、たぶん自転車店は大きい付加価値がなくても、なんとかやってこれたのでしょう。大儲けはできないとしても、潰れない程度にはやっていけるような生態系が存在していたのでしょう。

でもそれは日本の終身雇用制度と同じで、ほとんど崩壊の危機に瀕しているのではないか。まぁ、不平不満を言うのは勝手ですが、不平不満を言っているだけでは、何も解決しないでしょう。

そして、こんな厳しい状況の中でもうまくいっているショップはわりと存在していて、そういうお店は愚痴など言わず、知恵を絞って新しいことをしているな、という印象があります。