Mavicがこの先生きのこるための条件とは何か。そしてWiggleが取り扱いを再開した意味とは

Mavicの経営危機についてご存知の方は多いでしょう。非常に複雑な背景があるのですが、簡単に言うと同社は先日、フランスで日本の会社更生法に相当するような司法手続きに入りました。

別の言い方をすると、ぶっちゃけ倒産なのですが事業継続・再建には取り組んでいく、という立ち位置です。

動揺を見せないMavicのインスタ

それで、Mavicは大丈夫なんだろうか… と世界中のファンが心配しているわけですが、同社のインスダグラムでの投稿を観察しているとここ数日は力強い雰囲気の投稿が目立ちます。勿論、経営層と末端の広報部門が歩調を合わせているとは限らないのですが、たとえば下の投稿には次のようなメッセージが残されています。

French design, French engineering and European production.

We take pride in our work and the performance we create.

132 years of knowledge.

フランスの設計。フランスのエンジニアリングとヨーロッパでの生産。

私達は自分達の仕事と、私達が生み出すパフォーマンスに誇りを持っています。

132年にも及ぶ知識です。

これを読んであなたはどう思われたでしょうか。

この先を読む前にちょっとじっくり考えてみて下さいね

フランスにこだわっても、もう意味はない

私個人の感想を書くと、まず「痛々しい」というのがひとつ。

これは、Mavicをバカにしたり、上から目線で哀れんでそんなことを言っているのでは勿論なくて、会社がいまにも消えそうなギリギリの状況の中で、こんな文言をインスタに書かなければならなかったスタッフの方の心情を考えると、なんとも気の毒な気持ちにならざるをえないということです。

Mavicがフランスの誇りであるということ、フランスを誇りにしていることなど、周知の事実です。ツール・ド・フランスに帯同するあの黄色いクルマ。メカトロニック。キシリウム。オープンプロ。コスカボ。クロスマックス。ロードUST… 数々のイノベーションから名プロダクトを生み出してきたフランスの会社、マヴィック。

しかし「ヨーロッパでの生産」という文言が胸にグサッときます。へぇ、フランスじゃないんだ。じゃどこで作っているの?

ヨーロッパのどこ? なぜ国名を出せないんだろう。それじゃまるでフランス以外のヨーロッパの国々でマヴィック製品を作っていることを恥じているみたいじゃないか… そして、そうであってもアジア人の私には「アジア生産よりはマシだろ」という差別的なニュアンスが聞こえてきてしまう…

最近の「ZIPP 303 Sは台湾製造で$1300。フックレスリムはカーボンリム界におけるプレスフィットBB !?」という記事でも紹介しましたが、ZIPPの最新ホイールはアジア生産、台湾生産です。

ZIPPから303 Sという新しいチューブレス専用ホイールが出ました。「S」はSpeedのSで、302ディスクの後継モデルという位置付けなの...

となるとアメリカの人はやっぱり「Made in USAじゃないのか! ガッカリだぜ!」と批判するのですが、こういうところにこだわり続けるメーカー、ブランドはぶっちゃけ今後はもうやっていけないのではないかと思います。

小規模のブティック的なメーカー、ブランドは別です(日本のNITTOやMKSなど。競輪を中心とした小さいエコシステムの中で十分に存続していけるから)

心情的にはTIMEもLOOKもMAVICもフランス設計・フランス生産であって欲しい、というのはわかります。それと同時に、現在の国際的な経済状況、サプライチェーン構造、経済的エコシステムを考えたら、もしマヴィックがフランスまたはEUでの生産にこだわりを持ち続けているのであれば未来はないと思うのです。

ただ、無理に生き延びなくても良い、というのはあるでしょう。初期の信条を捨て去ってアジア生産にシフトして生き延びるか。それとも最後までEU圏での生産にこだわり続け、プライドとともに死して退場するか。

個人商店であれば、後者でも良いのかもしれません。しかしそうではない企業や組織体というものは、基本的には永遠の存続を目指していかなければなりません。

そして世界中に熱烈なファンを持つマヴィックのようなメーカー・ブランドは、やはり何があっても「生き延びること優先」でやっていく必要があるのではないでしょうか(まぁ親会社はそんなこと知らん、と言うかもしれませんけど)。プロダクト自体はものすごく評価されているということもあります。コスカボUSTやSL USTなんかみんな熱狂しているじゃないですか…

果たしてMavicに明るい未来はあるのでしょうか?

結論が出るまで、あと3ヶ月か半年くらいはかかることでしょう。

アジアで作ったっていいんじゃない、と個人的には思いますけどね(その意味ではカンパニョーロも危ないぞ!)。

WiggleがまさかのMavic製品取扱を再開

さてそんな中で英国の有名な海外通販サイトWiggleが5月15日からMavic製品の販売を開始しました。これまで大規模な海外通販各社はMavic製品を日本向けに大々的に販売することができなかったんですね。過去何年にもわたって。

しかしここに来て「OKが出た」ということは、それだけMavicが当座の売り上げを立てるために必死になっているということを意味すると考えて差し支えないでしょう。

ちなみにMavic取り扱いで有名なベラチスポーツでの価格は以下。Wiggleよりも品揃えが多いことが特徴で、なおかつ物によってはベラチのほうが安いものがあります。検討中の方は両社比較してみて下さい。

当分は海外通販各社でMavic製品の安売りが加速していくものと予想します。当ブログでも大きい値動きがあった場合はお知らせしていく予定なので、気になる方は是非CBN Twitterをフォローしてみていただけると幸いです。

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