スターファングルナットとコンプレッションプラグと呼ばれるパーツがあります。どちらも機能・役割は同じですが、形状やインストール方法が異なります。
スターファングルナット
まずスターファングルナットと呼ばれるもの。単に「スターナット」と呼ばれたりもします。クロモリのフォークや鉄のフォークコラムを持つMTBサスペンションなどは大体このタイプが付いています。英語では”Star fangled nut”と呼ばれています。「星型に作られたナット」といった感じの意味です。
このナットは金属製で、フォークコラムへの打ち込みには基本的に専用工具が必要です。DIY工具で入れる人もいますが、専用工具があるとまっすぐ入れられます。
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取る時はフォークコラムの下に落ちるまで上から叩くか、ドライバーなどで破壊します。
スターファングルナットは使い捨てです。そしてカーボンコラムには使えません(カーボン繊維が破壊されてしまいます)。
プレッシャープラグ
一方こちらは「プレッシャープラグ」と呼ばれるパーツで、カーボン製フォークコラムで使われます。最近のカーボンロードはまずこのタイプ。でも鉄のコラムでも普通に使えます。
呼び方はコンプレッションプラグ、プレッシャーアンカー、コンプレッサー、アンカーナット、カーボンプラグ等々他にもたくさんありますが、基本構造は同じです。下の臼状のパーツをじわじわと膨らませていってコラム内側に「圧」(コンプレッション・プレッシャー)をかけることで本体を固定します。それがアンカー(錨、いかり)の機能を果たすわけです。
上の写真で見えているボルトの下にもう1つボルトがあって、それを回すとプラグが膨らんでいきます。コラムの中で膨らんだプラグが動かなくなったら、写真で見えているトップキャップ側のボルトでベアリングへの予圧(プリロード)を調整する、という順番。
重いもの、軽量なもの、特殊設計のもの等々、様々な製品があります。
スターファングルナットとプレッシャープラグは何のためにあるの?
スターファングルナットとプレッシャープラグの基本的な役割は「ヘッドセットのベアリングに予圧(プリロード, preload)を与える」ことです。
ステムのボルトを本締めするのはプリロード調整が終わってから。先にステムを固定してしまうと、トップキャップのボルトを締めてもステムを下に押し付けることができないので意味がありません。
このパーツの役割を理解していれば、作業の順番を間違うことはないでしょう。
ステムのボルトを本締めしたら、トップキャップもナットもプラグも、基本的には不要になります。そのため軽量化目的でキャップもプラグも取っ払ってしまう人もいると聞きます。
なぜ「基本的には」と繰り返しているかというと、カーボンコラム内でプレッシャープラグが与える内圧がステムの外側からの締め付けすぎを予防するとか、トップキャップがないとステムがずり上がってくる、と主張する人もいるからです。また外すことを推奨しないメーカーもあると聞きます。
どちらにしても私自身は軽量化目的でキャップやプラグ本体を外そうとは思いません。雨が降ったら水が入って困るからですw
個人的にプレッシャープラグは軽ければ軽いほどいいと思っています。
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ただ「ステムの外側からの締め付けでフォークコラムにヒビが入ったりしたらいやだな〜」と心配な方はこういう長いものを使うと安心かもしれません。重くなりますけど。
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ちなみにカーボンコラムの場合、トップキャップ下には必ずスペーサーを入れたほうが良いです(メーカーがそう指定していることも多いと思います)。端っこのほうでクランプさせると割れやすいからです。