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サドル

フィジークのロード用サドルのラインナップを整理してみよう

ヴィンチェンツォ・ニバリは今期のツール・ド・フランスでも例年通り、フィジークのアンタレス(Fizik Antares)というサドルを使用しています。所属しているバーレーン・メリダはPrologoにサドルを供給してもらっているのですが、どうしてもアンタレスを使いたい彼はロゴを消した真っ黒のアンタレスを使っています。

Fizik Antares R7

実は私もフィジーク・アンタレスの古いモデルを使っているのですが、後継モデルを買い増ししようと調べているうちに「フィジークのサドルラインナップってややこしいなー。どれが一体何なんだ…」と思ったのでした。

というわけで、フィジークの本国サイトの情報をベースに2019年7月時点での主要なロード用サドルを調べてみることにしました(廃盤モデルやコンフォート系・CX系・MTB系・トライアスロン系サドルは対象外)。

参考 フィジークのロード系サドル一覧(2019年7月13日現在)

アリオネ・アリアンテ・アンタレスという大分類

まずフィジークのサドルにはアリオネ(Arione)・アリアンテ(Aliante)・アンタレス(Antares)という3つの大分類があることを理解する必要があります。

これは「ベースとなる形状」で、アリオネは細くて縦長で、表面がかなり平坦。アリアンテはアリオネよりも幅があり、全長は短く表面はS字曲面が特徴的。アンタレスはその2つの中間的な形状、とされています。

Arione, Aliante, Antaresの形状比較

Arione, Aliante, Antaresの形状比較 © fizik.com

そしてフィジークには「スパインコンセプト」という独自理論があり、ライダーのタイプを「スネーク・ブル・カメレオン」の3つに分類しています。その詳細を一覧表にしてみました。

大分類 ライダーのタイプ 意味
ARIONE スネーク 脊椎の柔軟性が高くペダリング時に骨盤が立つ
ALIANTE ブル 脊椎の柔軟性が低くペダリング時に骨盤が倒れる
ANTARES カメレオン 脊椎の柔軟性は普通でペダリング時に骨盤をあまり倒せない

かなりざっくり言うとアリオネは身体(脊椎)がとても柔らかく(=スネーク、蛇のイメージ)サドルの上で骨盤を立てられる人向きで、アリアンテは身体が固く(=ブル、雄牛のイメージ)骨盤が寝気味になる人向け、アンタレスは状況に応じてどちらにもなれるような(=カメレオンのイメージ)、あるいはどちらとも言えないような人に向いている、ということになります。

素材や加工・カラーによる下位分類

こうして「アリオネかアリアンテかアンタレスか」の目星が付いたら、今度はそれぞれのラインナップで下位分類を見ていきます。

これが少しややこしいのですが、大まかに言って「00系」と「R1系」と「R3系」の3つがあると考えることができます(2019年7月現在)。

「00系」はベースの素材がほぼフルカーボン。「R1系」はベースの素材がカーボン強化ナイロン。「R3系」はベース素材がカーボン強化ナイロンで、かつレールの素材が「キウム」というメタル系です。

下位分類 大きい傾向(*注)
00 Versus Evo フルカーボンシェル+チャネル(溝)+メビウスカーボンブレイデッドレール
00 フルカーボンシェル+マイクロテックス+メビウスカーボンブレイデッドレール
R1 Versus Evo カーボン強化ナイロン+チャネル(溝)+カーボンブレイデッドレール
R1 カーボン強化ナイロン+マイクロテックス+カーボンブレイデッドレール
R1 Open R1の穴開きタイプ
R3 Versus Evo カーボン強化ナイロン+チャネル(溝)+Kiumレール
R3 カーボン強化ナイロン+マイクロテックス+Kiumレール
R3 Open R3の穴あきタイプ
R3 Open White R3の穴あきタイプでホワイトカラー

*モデルによって若干内容が違うものがあります。

さらに「Versus Evo」というタイプが存在します。これはサドル表面に溝(チャネル)があって局部の圧迫感を和らげるタイプ。表面はカバーのないカーボンのモデルと、そうでないモデルがあります。

その他に「Open」という穴あきタイプが用意されています。かつR3の穴あきには色がホワイトのモデルがあります。ちなみにサドルの場合、ホワイトは塗料によっては良く言えば滑りが良い、悪く言えば滑りやすい、という傾向を生むことがあるので注意が必要です。

レギュラーとラージの2サイズあり

最後にほとんどのモデルに「レギュラー」と「ラージ」の2サイズが用意されています。これは「平地で維持できる平均速度」と「体重」から選びます。

しかしそのためのマトリックスチャートで見やすいものがネット上にほとんどありません。ここに解像度の低いチャートがありますが、字が小さくて読めません。

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上の動画で紹介されているフィジークの専用アプリも、現在はリンク切れになっています。つまり日本のユーザーは自分に合っているのが「レギュラー」か「ラージ」かを簡単に判別できなくなっているのですが、とりあえずパワー系で重い方以外はレギュラーモデルを買っておけば良いとは言えるでしょう。

私が愛用中のFizik Antares R7

私が現在ロードの1台で愛用しているのはAntares R7というモデルで、完成車に付属していたもの。今では売られていません。

Fizik Antares R7

私はもともとロードではSelle SMPの穴あきサドルが大好きで、特に長距離を乗る時はSMP以外は無理であると思いこんでいたのですが、このAntares R7は使いこむうちに形状も厚みもかなり気に入ってしまいました。

というわけで、そのうち買い増しをする時はAntares R3あたりにする予定です。私の場合はVersus Evoのような溝切りがされていなくても十分快適。OpenでなくともOK。不思議です。

どのモデルが人気? 400人の回答

フィジークのサドルの「アリオネ・アリアンテ・アンタレス」という大きいラインナップのうち、どれがいちばん使用者が多いのか。ちょっと気になったのでアンケートを実施しました。

予想通り、アリオネユーザーが圧倒的に多い感じですね。アリオネはむかし爆発的な人気を博したサドルで、私も試したことがあります。ただ当時はものすごく痛かったのでやめてしまいました。私は骨盤が立たないほうなので、フィジークのセオリー通りの結果です。

そんなこともあって、自分にはフィジークのサドルは合わないのではないかと思っていたのですが、最近アンタレスをとても気に入っているというわけです。

備考:その他のモデル

本記事では触れませんでしたが、フィジーク公式サイトには次の4つのロードバイク用サドルもラインナップされています(2019年7月13日現在)。

  • ARIONE CLASSIC
  • ALIANTE GAMMA
  • LUCE CARBON
  • LUCE S-ALLOY

ARIONE CLASSICは初代ARIONEの形状でノーズがより長く・細く、ウィング部が現行ARIONEよりも広いモデル。ただし全長と全幅は同じ。プロファイルは高めになっているそうです。

ALIANTE GAMMAはテールがV字状に割れていてパッドが厚めのモデル。現在GAMMAと名の付くモデルはALIANTEのみのようです。

LUCEは女性用モデルです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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