仏LOOKが新製品”KEO Blade carbon / X-Track SPD パワーメーターペダル”を海外で発表・発売開始しました。オランダ在住の人気ブロガーDC Rainmaker氏が初期レビュー記事を公開しているので、概略をご紹介します。
出典 Look’s New Road KEO Blade & SPD Power Meter Pedals: Hands-on!
以下、記事の概要・抄訳です。
- 発表されたのはLook KEO Blade carbon / X-Track SPD パワーメーターペダルの2製品
- 内部メカ(スピンドル)が同じなので、どちらかを買えばもう一方のペダルボディのみを買うだけでロードとオフロード間でスイッチできる
- 精度等の基本的なスペックは他社製品に近い
- ロード用は現在のマーケットで最軽量なパワーメーターとなる
- ロード用とSPD用の違いは重量と0.1mmのスタックハイトの違いくらいしかない
- 重量はロード用130g / MTB用202g
- 充電2時間・駆動60時間
- 耐候性はIPX7
- Q-Factorは53mm(共通)
- スタックハイトはロードが10.8mm/MTBが10.7mm
- 送信ケイデンス30-180rpm
- ANT+(無制限同時接続)/Bluetooth Smart(最大1同時接続)
- 楕円/Qチェーンリング対応
- KEO Blade Powerは679/999ドル or 659/999ユーロ(シングル/デュアルの価格)
- X-Track Powerは759/1099ドル or 749/1099ユーロ(シングル/デュアルの価格)
- KEO Bladeのボディ(スピンドル交換ツール付属):1個(片側)125ドル
- X-Track Powerのボディ:1個(片側)150ドル
- スピンドル交換は5〜10分
- クランクへのインストールは他社製ペダル型パワーメーター同様で、特殊なツールは不要である
- 充電ケーブルは片側がスピンドル用のマグネット、片側がUSB-C
- 保証期間は3年(ちなみにFaveroは2年)
- X-Track Powerには最大ドロップ量やカテゴリー制限がないのがセールスポイントのひとつ(FaveroはCat-3, 61cmドロップ以上不可の制限がある)
- KEO Blade PowerもX-Track Powerも踏み面のパワー伝達エリアが他社製品よりも広いところももうひとつのセールスポイント
- 北米とヨーロッパでは既に販売が開始された
- 10日前にレビュー用に受け取った製品版をテストしたところ、ロード版はスピンドルに初期不良があり、トータルパワーのゼロオフセットが適切になされないことがあるファームウェアのバグがあった
- SPD版については、沼のようなところで使ったところ信号断となり、回復まで8〜10分かかった。再接続後は、やや高いオフセットが見られるようになった(この時同時に使用していたQuarq XX1も短時間動作がおかしくなり、4iiii Precision dualは信号が落ちなかった)
- その後、ペダルを洗浄してから2日後にまたライドに出たところ、ケイデンスの送信は問題がなかったが、何でもないようなところで1,000〜4,000wの数値を出すようになった
- Lookのエンジニアがフランスからアムステルダムの筆者宅までやってきて問題の個体を分解するなどして調査した
- 現在のところ不調の原因は、スピンドル側の少なくともひとつの明らかな製造時不良と「海水の雫」との組み合わせで発生するという説が有力だ。ペダルボディ内は浸水してもいいように設計されているが、スピンドルの一部は浸水してはいけないようだ(製造不良で塩水と接触してしまったらしい)
- 詳細なレビューは問題解決後に追って報告したい
- Look製品はFaveroよりは高価になるが、大規模な販売網があるところは有利であり、Garminのペダルよりは(セール時を除けば)安い
- 補修用ベアリングは左右セットが50ユーロ(定価)で販売されており、従来のLookペダルのように修理が高額になることはなさそうである
同氏が受け取ったロード用デュアルにはファームウェアのバグがあり、SPD用は製造不良に起因するものと思われるエラーがあったようです。前者は恐らくファームウェアの更改で改善可能でしょうか(※同氏による動画を見るとこの問題は既に解決されたとのことです)。後者は設計不良でなく、単純な製造不良であることを望みたいところですね。
問題を報告されたLOOKのエンジニアがクルマでアムステルダムまでやってくるなど、その後の対応は非常に好感が持てるものだったらしく、同氏は数週間後にあらためて製品をテストを行う予定だそうです。