インターナショナルスタンダード・ポストマウント・フラットマウント ディスクブレーキのマウント規格

自転車用ディスクブレーキのキャリパーをフレームやフォークにマウントする規格には大きくわけて3つ存在します。インターナショナルスタンダード・ポストマウント・フラットマウントの3つです。この記事ではそれぞれの規格の特徴や互換性を観察していきます。

インターナショナルスタンダード (International Standard, IS)

まずインターナショナルスタンダード (International Standard)という規格。「IS」と略されたりします。外観的には、フレームやフォークを真横から見た時に2本の取り付けボルトがこちら側を向いているのが特徴。同じサイズのローターを使う場合でも、前後別々のキャリパーかアダプターを使う必要がありました。

統一的規格としては最も古いタイプですが、現在は絶滅危惧種。SurlyなどではまだIS規格のフレームを出していますが、他に新車として世に出る完成車やフレームでこれを採用しているケースはほとんどありません。ISネイティブのキャリパーについても、現行製品は恐らく存在していません。

ポストマウント (Post Mount, PM)

現在MTBの世界で主流の規格。初期のディスクロードでもよく採用されていた規格です。

インターナショナルスタンダードの後継として現れたこの規格は、ネジ切りしたフレームやフォーク台座にキャリパーの真上からボルトで止めるデザイン。前後ともに同じキャリパーを使える利点があります。フレーム・フォークが160mmローターを基準としている場合はほぼアダプターなしで使えます。

下の写真は160mm直付用フォークにアダプターをかませ、180mmローターを使っている様子。

ポストマウントのキャリパー

ディスクロードではポストマウントから後述するフラットマウントへとトレンドが移りましたが、MTBの世界ではポストマウントが今後も当分は主流の規格であり続けることでしょう。

フラットマウント (Flat Mount, FM)

フラットマウントはシマノが提唱した新しい規格で、その名の通りフラットに、でっぱりなく装着できるデザインが特徴。キャリパーは前後で同じ設計で、フロント用として売られているものはフォーク用のアダプターが付属しているだけです。現在、ディスクロードバイクの主流の規格になっています。

フラットマウントは160mmまたは140mmサイズのローターに対応し、リアで140mmローターを使う場合はアダプターなしで装着できます。160mmにする場合はアダプターを使用。フレームのマウント部はネジ切りされておらず、チェーンステー下から上向きに通したボルトをキャリパーにねじこむスタイルです(フレーム側はただの穴。キャリパー側にスレッドがある)。

フォークへのマウントには必ずアダプターが必要となります。このマウントアダプター(プレート)は1種類で140mと160mmの両方に対応しており、上下を逆さまにすることで2種類のローターを使えるようになります。

フラットマウントは巨大なローターの使用を前提としていないためコンパクトな設計が可能になり、エアロダイナミクスも意識したデザインになっています。

マウントの互換性について

インターナショナルスタンダードとポストマウントは多くの場合、アダプターを使うことによって互換性を確保できます。下の写真はISのフォークにアダプターを介してPMのキャリパーを装着している例です。

ポストマウントのキャリパーは、アダプターを使用することでフラットマウント台座にも装着できます。

一方、フラットマウントのキャリパーはポストマウントの台座には取り付けられません。

つまりフラットマウント対応のフレーム・フォークであれば、最適な選択肢であるフラットマウントのキャリパーの他に、ポストマウントのキャリパーも選べるというわけです。

台座側がポストマウント対応の場合、現状では素直にポストマウントキャリパーを使うのが普通。

IS対応の古いフレーム・フォークや、Surly Trucker, Strugglerなどの変わったバイクの場合、ポストマウントのキャリパーをアダプターを介して付けるのが簡単です。

シマノのマウントアダプターの型番の読み方

シマノからは様々なマウントアダプターが出ていますが、どれもぱっと見は呪文のようで意味がわかりません。一例を挙げます。


SM-MA-R160 P/D

こういう文字列が書かれた小さい青い箱が自転車店の壁にずらーっと引っ掛けられていたりするわけですが、どれを選んだらいいかわからないですよね。下に解読方法を紹介します。

  1. SM…SMall partsの略
  2. MA…Mount Adapterの略
  3. R…Rearの略
  4. 160…ローターサイズ
  5. P…キャリパー側がPost mountという意味
  6. D…フレーム・フォーク側がFlat mountの意味(ややこしい。DirectのDと思われる)

つまりこの「SM-MA-R160 P/D」という製品は、「フラットマウントのディスクロードなどでポストマウントタイプのキャリパーを使いたい、使用ローターサイズは160mm」という場合に使えるアダプターということになります。

3番目の「R」のところが「F」になるとフロント用またはフロント・リア兼用。

5番目の「P」のところが「S」だったらInternational Standard。「D」ならフラットマウント。6番目も同様です。

これはシマノ公式の2018-1029製品互換情報というPDFで説明されています。