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Vassago Optimus Ti マルチロールなチタン製トレイルMTB

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1年を通して、ロードバイクに乗らなくなった。

…といっても、もちろん自転車を辞めたわけではない。夏はMTB、冬はシクロクロスと、年中オフロード漬けの生活を送っている。

今回は愛車紹介ということで、夏場メインで乗っているMTB「Vassago Optimus Ti」を取り上げようと思う。

Vassago Optimus Ti

マルチな用途、マルチな規格。

MTBは、乗り方によってジャンルが細分化されている。両極端なところで言えば、とにかく速く登れて、それなりに下りをこなすクロスカントリーバイクと、下りのスピードに特化したダウンヒルバイク。そして、その間の性格を持つオールマウンテンバイクやエンデューロバイク等。

ざっくりと言うと、サスペンションのストロークが長く、タイヤが太くなるほど、ハイスピードでアグレッシブに下れる用になるが、かわりに登りの軽快感が損なわれる。

その辺の山のトレイル、つまり登山道を走る場合は、好きな種類のバイクを選べばいいんだけど、トレイルの難易度やライダーの技術に対してバイクの性能が低いと、怖いだけで走りを楽しめないし、逆に性能が高すぎると、いまいち走りごたえがない退屈なライドになってしまう(あと上りがしんどい)。

Vassago Optimus Ti

“Vassago”のヘッドバッジ

さて、今回紹介するVassago(ヴァサーゴ)はアメリカのMTBメーカー。特に29erのシングルスピードバイクに強いこだわりを持っている。

製品ラインナップはチタンのMTBが中心で、トレイルで遊ぶのに程よいモデルを揃えている。雰囲気としてはSalsaにイメージが近いだろうか。

Optimus Tiはラインナップの中でもクロスカントリー寄りで、フレームは3-2.5チタン製。

このバイク最大の魅力は、マルチに使えること。

クロスカントリー用途にも対応するし、トレイルバイクとしてもそれなりに不満なく乗れる。ギヤードにもシングルスピードにも対応するし、最近流行しているバイクパッキングスタイルのツーリングにもベストマッチ。

実際、組んだ当初はクロスカントリーレースも、王滝も、里山のトレイルライドもすべてこの1台でこなしていた。

現在は別にクロスカントリーレース用のバイクを購入したため、自走でアプローチして、トレイルライドを楽しむためのバイクとして使っている。

Vassago Optimus Ti

44mmヘッドにスライダーエンド、φ30.9シートピラー。BBはJIS。

Vassago Optimus Ti 最大の美点は、使えるパーツ規格に幅があること。

以前レビューに

Optimus Tiはパラゴンのスライダーエンドを備え、シングルスピードでもギヤードでも乗れる自由度の高いバイク。

パラゴンのエンドはSS、ギヤードに加え対応ハブもQRから各種スルーアクスルまで幅広いラインナップがある。

ヘッドチューブは44mmのゼロスタック規格で、ヘッドセットを選べばテーパードフォークにも対応する。

この先10年は規格で困らない。

と書いたが、当初は1-1/8のフォークを使っていたのを下側1-1/2のテーパードフォークに交換しているし、常に最新の規格を追うのでなければ、本当に10年困らないかも…

cbn [MTB] Vassago Optimus Ti

遊びの幅を広げるドロッパーポスト

規格といえば、シートポスト径が30.9mmなのは先見の明があった。

さすがにワイヤー内装には非対応だが、2014年頃のフレームながら殆どのドロッパーポストを取り付けできる。

RockShox Reverb

ワンタッチでサドル高を変更できる。ストロークは125mm

ドロッパーポストは、事務椅子のようにワンタッチでシート高を下げられるシートポスト。

上りのペダリングに適したサドル高と、下りでボディアクションを阻害しない低いサドル高を両立できる。

ドロッパーポストの普及で、アップダウンが繰り返すトレイルライドをより快適に楽しめるようになった。サスペンション、ディスクブレーキに並ぶ、平成MTB3大発明のひとつと言っても良い。

そんなドロッパーポストはシートピラーに伸縮機構を備えるため、ほとんどの製品が太さ30.9mmからのラインナップ。

少し古いフレーム、特にクロカン系のバイクに使われている27.2mm径に対応した製品もあるにはあるが、やはり設計に無理があるのか故障が多かったり、あまり良い評判は聞かない。

VassagoにはRockShoxのReverbを使用。油圧リモートレバーの操作が重いのが欠点だが、他の製品に比べるとガタが少ない。無段階で125mmの調整ストロークがある。

RockShox Reverbのリモートレバー

ドロッパー用のレバーは、かつてフロントシフターがあった場所に陣取る。

フレーム設計の古さは否めないが…

フォークは100-120mmストロークが推奨。現在は、100mmストロークのFOX 32FLOAT29を使っている。

動きは良いし現状にそこまで不満はないのだけれど、最近の潮流からするとかなりヘッドが立った、クロカン寄りのジオメトリなので、肩下が伸びる120mmのフォークに換え、前輪のキャパシティを増すと同時にヘッド角を寝かせてやりたいところ。

Vassago Optimus Ti

ある意味フォークよりも重要なのがタイヤ。タイヤの選択如何でバイクの性格はガラッと変わる。

銘柄に特に拘りはないけれど、テレネタイヤのチャンクや、シュワルベのノビーニックなど、2.3インチ付近のトレイルタイヤを履いている。

舗装路のスピードは犠牲になるが、トレイルでのグリップ、ショック吸収性ともに良好で、荒れた路面でも安心して走れる。

本当はもう少し太いタイヤを試してみたいのだが、2.3インチでも、スライダーエンドを伸ばさないとチェーンステーとタイヤが干渉するのでこれ以上は無理。

最近は逆に、幅が細くノブの低いドライ向けクロカンタイヤに履き替えた(死蔵タイヤの在庫処分とも)。

走り慣れたホームコースの難易度がぐっと上がって、これはこれで面白い。

このバイクが発売された2013年基準ではごくありふれた設計だったが、変遷の速いMTB業界では、新製品も5年経てばビンテージ。MTBの流行が広いハンドル幅に太いタイヤ、と下り寄りにシフトしてきた現在では、古さは否めない。

現行のフォークやホイール規格に対応していても、こういった基本設計の部分では、うまく折り合いをつけていかなければならない。

なお現行のOptimus Tiは、トップが長くチェーンステーが短く、ヘッドも寝た今風のジオメトリに変更されるとともに、29+の3インチ幅タイヤが入るクリアランスが確保されている。

まとめ 日常で遊べるMTB

年中レースバイクにばかりまたがっている私にとっては珍しい、速さを追求しないバイク。

MTBとして幅広い用途に使えるし、細かい傷を気にしなくていいチタンフレームということもあって、気負わず乗れる。

(ダート走行とドロップオフを含む)毎日の通勤に使ったり、トレイルに行ったり。

ディスクブレーキ仕様のPowerTapハブが入っているので、なんとパワートレーニングもできる。

KINGボトルケージとFix it Sticks

アクセサリもチタンで揃えたくなる。KINGのボトルケージに共締めされた携帯工具は、Fix it Sticksの製品。転んでハンドルやレバーがズレてもすぐに調整できる。

実は2度ほどフレームが割れているが、愛着もあるので修理して乗っている。

次に割れたら?

そのときに考えることにする。

Vassago Optimus Ti

チタンはよく割れる。

Vassago Optimus Ti 仕様

フレーム:2013 Vassago Optimus Ti 3al-2.5vチタン スライダーエンド(135mmQR)
フォーク:FOX 32FLOAT29 100 FIT CTD FACTORY 15QR 100mmストローク
Fホイール:シマノXT WH-M785
Rホイール:WTB Frequency i19 + Powertap MTBハブ
ブレーキ:シマノXT BL-M8020+シマノSLX BR-M7000
ギヤ:シマノ 1x11s ミックス(32×11-42T)
シートピラー:Rockshox Reverb φ30.9mm×125mm

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