自分が求めるギア構成を考えていったらSHIMANO GRXにたどり着いてしまった話

はじめてのグラベルロードを組む時にいくつか決めていたことがあります。

  1. 油圧ディスクブレーキであること
  2. フロントディレイラーなしの1xであること
  3. カセットスプロケットはこれまで使ったことのない巨大な11-46Tというのを試してみたい

この3つです。最終的にこの構成で運用するようになって、気に入ったところ・いまいちなところ、両方ありました。

そこでギア構成の変更を検討することになりました。その前にこの構成に至った経緯についてちょっと書いてみます。

グラベルロードでSLX 1xを選んだ理由

油圧ディスクブレーキについてはTRP Hylex RSというものに決めました。シフターなしのブレーキレバーのみの製品。故にシフターは別途用意します。

グラベルロードでTRP Hylex RSという油圧ディスクブレーキを使っています。変速なしのブレーキレバーです。グラベルを組む時はフロントシ...

リアディレイラーのシフターについては、最初はSRAM GXのトリガーシフターに決めました(シマノ互換)。その後ENE CICLOの11s対応フリクションWレバーの右側のみを使っています。

そこに至るまでの過程についてはいくつか記事を書きました。

ドロップハンドルのフロントシングルでリアは多段変速にする。その場合、シフターにはどんな選択肢があるのでしょうか。スラムやシマノの1xコンポを...
グラベルロードでSHIMANO SLXのリアディレイラーRD-M7000を使っています。カセットもSLXでCS-M7000 11S 11-4...

クランクセットとカセットスプロケット、そしてリアディレイラーは、しばらくシマノのMTBコンポを使っていなかったこともあって同社のSLXを試してみることにしました。

つい最近グラベル・アドベンチャーライドに特化したGRXが発表されましたが、当時はシマノで1xドライブトレインを組もうとなるとMTBコンポを選択せざるをえませんでした。XTR, XT, SLXの中から選ぶことになります。

そして選んだのはSLX。SLXの1xクランクは唯一FC-M7000-11-1があるのみです(BOOST規格対応のチェーンライン+3mm仕様のFC-M7000-11-B1もありますが私はノーマルタイプ)。

そのクランクを単体で買って、それに対応したナローワイドのチェーリングを買ったのですが、選択肢は34T, 32T, 30Tの3つ(SM-CRM70)。

トップギアが物足りなくなるのはわかっていたので、これは迷わず34Tを選択しました。

次にカセットスプロケットですが、同じSLXのCS-M7000-11には11-40T, 11-42T, 11-46Tの3つがラインナップされています。

これは「こんなでかいスプロケ使ったことないぞ!」という物珍しさから11-46Tを選ぶことにしました。

ちなみにSLXのカセットCS-M7000-11の歯数構成は次のようになっています。

CS-M7000-11 構成
11-40T 11-13-15-17-19-21-24-27-31-35-40
11-42T 11-13-15-17-19-21-24-28-32-37-42
11-46T 11-13-15-17-19-21-24-28-32-37-46

これをよく見ると、3つのセットで11-13-15-17-19-21-24Tまでは共通、ローが42Tと46Tのセットでは11-13-15-17-19-21-24-28-32-37までが共通となっています。下のテーブルで赤字で示したレンジです。

CS-M7000-11 構成
11-40T 11-13-15-17-19-21-24T-27-31-35-40
11-42T 11-13-15-17-19-21-24-28-32-37-42
11-46T 11-13-15-17-19-21-24-28-32-37-46

つまりトップ側の11〜21まではどのセットを使っても2段飛びになっているので、舗装路で速く走りたい時もあるからより細かく変速したい、という欲求がある人であっても、この3つのカセットスプロケットはどれを選んでも大差ないということになります。

フロント34T・リア11-46Tを使ってみた感想

実際に34Tx11-46Tの組み合わせでいろんなタイプの道を走ってみました。

するとロードで走れないような砂利の多いハードパックのダートや林道、そしてもちろん舗装されていない激坂では快適で楽しい。

ただ使っていて思うようになったのは、「重力キャンセル装置」とでも呼べそうな46Tを使う場面はほとんどないので、フロントが34Tならリアは32Tあれば十分かな、それかもう1枚プラスして35Tか37Tがあれば自分が走りそうな道では十分かな、ということ。

巨大な11-46Tカセットがついたホイールが輪行時にバイクから外しにくい、というのもあります。

そして舗装路を速く走るという意味では、11-13-15-17-19-21…と1つ飛びになっている設定は自分にはあまり具合が良くないな、とも思いました。

近所のポタリングなら気になりませんが、20km程度の舗装路アプローチ、となると不便です。やっぱりきめ細かくギア比が変わっていったほうが断然快適です。

トップスピードについては、34×11は無風・追い風のサイクリングロードで物足りなさを感じることはありますが、秘密林道冒険や写真を撮りながらの山遊びではOKです。でも欲を言えばフロントが40Tくらいあるとちょうど良いかな、と思うようになりました。

カセットスプロケットを変えたい

というわけで「高速域がもっとクロスレシオでロー側は32〜35T程度のカセットスプロケットを試してみよう」と考えたのですが、当然MTB系コンポにそんな選択肢はありません。

XTグレードのCS-M8000に用意されている3つのカセットの歯数構成はSLXのCS-M7000と全く同じです。

XTRはいま手を出すつもりはないのですが、参考までに12スピードカセットの歯数構成を調べてみるとこんな感じです。2種類用意されています。

CS-M9100-12 構成
10-45 10-12-14-16-18-21-24-28-32-36-40-45
10-51 10-12-14-16-18-21-24-28-33-39-45-51

やはり10-12-14-16-18-21….というのが気に入りません。

というわけでやはりMTBコンポのカセットには私の需要を満たすものはないので、シマノのロード用カセットを検討することにしました。

ロード用カセットスプロケットにたどり着く

DURA-ACE CS-9100, ULTEGRA CS-R8000 / CS-HG800-11, 105 CS-R7000/ CS-HG700-11について調べてみます。

DURA-ACE
CS-R9100
構成
11-25T 11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
11-28T 11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
11-30T 11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
12-25T 12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
12-28T 12-13-14-15-16-17-19-21-23-25-28
ULTEGRA
CS-R8000
構成
11-25T 11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
11-28T 11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
11-30T 11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
12-25T 12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
14-28T 14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28
11-32T 11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
ULTEGRA
CS-HG800-11
構成
11-34T 11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34
105
CS-R7000
構成
11-28T 11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
11-30T 11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
11-32T 11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
12-25T 12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
105
CS-HG700-11
構成
11-34T 11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34

うーん、こうやって眺めてみるとトップ11Tが必要で舗装路でもある程度快適なクロスレシオでガレ場坂道対応32T以上のカセットということならULTEGRA CS-R8000の11-32か105 CS-R7000の11-32しか選択の余地がありません(どちらも同じ11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32)。

そうかぁ、じゃとりあえず軽量さと耐久性のバランスが良いULTEGRA CS-R8000 11-32をお試しで運用してみよう(デュラエースのカセットは軽量性を追求しているため耐久性が良くないという話をよく耳にします)。

SLXのリアディレイラーが使えない… ULTEGRA RXとGRXを検討

と思ったのですが、ここではたと気付きます。

使っているリアディレイラーはSLXのRD-M7000-11-GS。これは最小スプロケットが11Tで、最大スプロケットが40-46T(1xの場合)の範囲のものを使う必要があります。

つまりSLX RD-M7000-11-GSとロードの11-32の組み合わせは不具合が出る。11-32を使いたいならリアディレイラーを交換するしかありません。もうそもそもMTB用コンポを選んだのが間違っていた、という話に(汗)。

ちなみにULTEGRA RXのリアディレイラーRD-RX800-GSは(2×11用ですがフロントシングルで使うとして)最小スプロケットが11Tで、最大スプロケットが28-34Tに対応。しかもチェーンスタビライザー付き。

なるほど、ULTEGRA RX、良さそうじゃないか。

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と、ここで最近発表されたばかりのグラベル用コンポGRXの11スピードスプロケットとリアメカについても調べてみます。

GRXは独自のカセットスプロケットをラインナップしていません。CS-R8000(ULTEGRA), CS-HG800-11(ULTEGRA), CS-M8000(XT)の中から好きなものを選んでください、ということになっています。

つまりスプロケはやっぱりULTEGRA CS-R8000 11-32のままで良い。

次にリアメカ。GRXにはノーマルケージのRD-RX810とロングケージのRD-RX812の2つが用意されています。

トップ最小・最大 ロー最小・最大
GRX RD-RX810 11T 30-34T
GRX RD-RX812 11T 40-42T

これを見ると自分にはノーマルのRD-RX810で間に合いそうです。

ULTEGRA RXのRD-RX800-GSはロー最小・最大が28-34Tなので、グラベルライドとはいってもクロスカントリーMTB的な(乱暴な表現だけど)ライドをする人で11-28Tを好むならGRXよりRD-RX800-GSがいいということになりそうです。

RD-RX800-GS © SHIMANO

うん… 自分の場合はRD-RX800-GSでもいいし、7月に出回るGRXのRD-RX810を待ってもいい、という感じになりそうです。

RD-RX810 © SHIMANO

GRXのチェーンリングには40/42Tがある…いいじゃん!

ついでにGRXのチェーリングってどういう構成なんだろう。1xのFC-RX810-1は40/42Tが選べます。

おお…40Tが選べる! 1xのフロントシングルではWolftoothという選択肢もありますが、シマノ純正でこういう歯数を選べるようになったのは良いことですね。

結局GRXにたどり着いてしまった

なら結局のところ自分にとっていま良さそうなグラベル用ドライブトレインの組み合わせはこんな感じです。

  • クランクセット:GRX FC-RX810-1 40T
  • カセットスプロケット: ULTEGRA CS-R8000 11-32
  • リアディレイラー: ULTEGRA RD-RX800 または GRX RD-RX810

なんだよ…ということはGRXで統一してしまったほうがシンプルではないですか。

奇しくも自分のオフロードライドスタイルに合ったギア構成を考えていったら、GRXにたどり着いてしまいました。

SHIMANO GRX、なるほどよく考えられているな、と思いました。