先日、走行中に異音が聞こえてきました。トルクのかかる登坂中、右クランクが12時から2時に降りるところで「パキッ」または「カリッ」という感じのクリック音がします。こうした異音の原因は思いがけない場所であることが多く、特定が難しいこともあるのですが、今回はMKS Ezy Superiorまわりに原因があることがすぐにわかりました。
BBにもチェーンリングにも緩みがないことを確認した後、MKS Allways(Ezy Superior版)の本体を抜き差ししてみたものの、異音は消えません。Ezy Superiorアダプターにも緩みなし。増し締めしても、異音は消えません。そこで右アダプターをクランクから外してみることにしました。一般的なペダルスパナは厚くて入らないので、手元にあった15mmのハブスパナでゆるめます。
ハブスパナは逆に薄すぎるので、MKS専用スパナを使うのがおすすめです↓
この時はEzy Superiorアダプター自体を新品に交換するつもりだったのですが(新品の余りをストックしていたため)、アダプターと一緒に外れてきたスペーサー(ワッシャー)が見えてきた瞬間にまずこれが怪しいのではないかと思いました。
スペーサーを取り外して観察すると、両サイドがえぐれている、というか、「Ezy Superiorアダプターの底面が接触していない部分」に向かって金属素材が外側に押しやられたのだろうか、と推測されるような状態です。撫でると針金状になった両脇の金属がはっきりわかるほど盛り上がっており、さらにスペーサーの外に飛び出しています。
このスペーサーは一般的に、ペダルシャフトの底面が完全なリング形状でない場合に十分な締結トルクを確保するため・また一部のカーボンクランクの締結面を保護するために存在する、というのが私の理解です。Ezy Superiorアダプターの底面はスパナで挟む必要があるため、完全なリング状ではありません。そのせいなのかどうか、アダプターにはスペーサーが2枚同梱されています。
私のShimano GRXクランクにはスペーサー用の窪みもあります。というわけで、まずスペーサーだけAllways Ezy Superiorに付属していた純正品に交換してみました。
左クランクのEzy Superiorアダプターも外してみたところ、スペーサーは右と全く同じような変形を示していました。下の写真でヒゲのように飛び出しているのは、金属です。このヒゲは指でこじる程度では除去できず、ペダリング中にワッシャーがたわみ、それに合わせてこのヒゲも動いてクランクの窪みの外壁に当たっていたのかな、とも思います。これも交換。
そしてライドへ出発。無事、異音は消え去りました!因果関係は証明できませんが、私の場合はこのスペーサーの消耗に起因する異音だったのではないかと思います。
Ezy Superiorアダプターは本体のベアリングのガタによっても異音が発生するケースがあるらしく、アダプターを新品に交換したら直った、という体験談をよく目にします。私自身はアダプター本体の故障は(まだ?)ないのですが、いつかそういうこともありそうです。
しかし人によっては私のようにワッシャーだけ交換すると問題が解決するケースがあるかもしれません。
私は自転車旅行に出発する前に対処できてラッキーでしたが、Ezy Superiorシステムを使っている方は定期的に点検してみると良いかもしれませんね。