グラベル・オールロードバイクでMKSのALLWAYS(オールウェイズ)というペダルを使いはじめたので、使用感をシェアしたいと思います。ワンタッチ着脱の「Ezy Superior」版とノーマル版があり、私が使っているのはEzy Superiorバージョンです。
この製品の基本的なコンセプトは「オフロードでも都市部のアーバンライドでも使える『オールウェイズ』なペダル」というもの。万能選手という感じですね。スパイクピンはあるものの、シューズへの攻撃性は低く抑えてあるので普段使いのシューズでも使いやすいとされています。
ちょっとだけ攻めた走りをしたい
ところで筆者は長いあいだMKSの「Sylvan Touring Next」を愛用してきました(写真下)。ここ数年の私のライドスタイルは「ゆっくりめの観光・自然観察系グラベル&オフロードツーリング」がメインで、その点でこのシルヴァンツーリングには普通に満足しています。また舗装路でのツーリングがメインになるなら、やはりこのペダルは素晴らしいと思います。
しかし最近はツーリング以外に「よりスポーティーで ちょっとだけ攻めた感じ のオフロードライド」も同じオールロード系バイクでよくやるようになり、よりパワー伝達が高く、上りでも下りでもより大きい面積で安心して踏めるペダルを使ってみたい、と思うようになりました。そこでまず導入することにしたのが、このALLWAYSです。
ALLWAYSの最大の特徴は、踏み面が縦に長いところでしょうか。縦に長いMKSのペダルとしてはLAMBDA(ラムダ)も有名ですが(これまたベストセラー)、LAMBDAはよりアーバンライド寄り、ALLWAYSはよりオフロード寄りと考えて良いと思います(LAMBDAにスパイクピンが生えたGAMMAという製品もあり、そちらはLAMBDAとALLWAYSの中間という感じかもしれないですね)。
ALLWAYSとSylvan Touringとの踏み面の比較
下はALLWAYSとSylvan Touring Next(いずれもEzy Superior版)の踏み面を比べてみたところです。ペダルシャフトの位置は合わせてあります。こうして見ると、ALLWAYSはシャフトから前方側が縦により長いのがわかりますね。シャフトに対して母指球を同じ位置にするならALLWAYSのほうが爪先側をより「面」で踏めることになります。横幅はケージ分だけALLWAYSのほうが若干(1cm弱)コンパクトです(でも横方向の踏み面は大体同じ感じように感じます)。
真横から見るとこんな感じです。サイドのスパイクがよく効いていて、グリップ感は素晴らしいものがあります。
踏んだ時のイメージです。母指球からだいぶ爪先側まで圧をかけられる感じになるので、登坂ではパワーロスが少なく、下りではより安定的に足元を固定できる印象があります。グラベルのコーナリングなどでは心強いです。
こちらも踏んだ時の位置のイメージ写真(ライド中はもうちょっと先・右寄りの位置で踏んでいます。シューズに対するケージの大きさをお伝えするための参考写真です)。
登りはよりパワフルに・下りはより安定的に
こちらは斜め後方から見たところ。ガチの攻撃的なオフロードダウンヒルをやる方ならサイド方向の面積ももっと欲しいのかもしれませんが、私程度のオフロード遊びならこれで全然不満はないです。登りはやっぱりすごく楽になりましたし、安定感があるのでこれまでよりもハイスピードで下りやすくなりました。
下の写真のような粒の大きめな砕石で覆われた道をガンガン登ったり下ったりするなら、Sylvan Touringよりも気持ち良く自信を持って走れるペダルだな、と感じています。逆に東京23区内のような場所であれば、ALLWAYSは個人的にはオーバースペックかなとも思います。舗装路が8割ならSylvan Touringのほうがたぶん快適でしょう。
唯一気を付けたほうが良いかもしれないと思ったのは、フロントタイヤとのクリアランス。縦に長いペダルなので、フレームサイズやフォーク角によってはペダルがタイヤに接触する場合もあるかもしれません。私の自転車の場合、ALLWAYSを試すのと同じタイミングでマッドガードを導入したところ、最初はペダルと接触してしまって困りました。しかしマッドガード側を微調整することで最終的に下の写真のようなクリアランスは確保できました。
総じて満足感の高いペダルで、良い買い物をしたと感じています。オフロードの比率が50%を超えてくるようなグラベルライドになりそうなら、Ezy SuperiorでSylvan TouringのかわりにALLWAYSを差し込む、という運用を楽しんでいます。
オンロードでの軽快さだけ見るとSylvan Touringのほうが上ですが、ALLWAYSを実際に使ってみてベストセラーになっている理由がよくわかりました。安心感とコントロール性が高く、それでいてガチすぎないペダルという感じです。
▼ 購入時はEzy Superiorでないノーマル版にするかどうか悩みました。若干軽量になるので輪行頻度が少ない方ならこちらを選ぶのも良いですね