GPS・サイコン製品レビュー

COOSPO CS300!シンプル機能に見せかけた、陰の実力者的サイコン

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宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた中年生nadokazuは、CBNと出会ったことで自転車物欲競技《クランバトル》に巻き込まれる。

そして、世界は新たな時代を迎えようとしていた。

というわけで、本日の駄文はこちら!

自分、COOSPOさまの忠犬です!

商品を無償提供してもらったり、自腹でアームバンド式心拍センサーを2機種買ったりしたCOOSPO。自分の中では、もうすっかり「必要十分な性能/機能を持った製品を、お手頃価格で供給してくれるブランド」という地位を確立しています。

で、今回もまたまた無償提供を受けてしまいました。COOSPO様からは何も要求されていませんが、勝手に忠実な犬畜生として忖度しまくった使用感を好き放題書き殴ります!

COOSPO CS300って、どんなサイコン?

COOSPO製のGPSサイコン「CS300」。同社のラインナップ中では、上から2番目のグレードに位置するモデルです。ちなみにCOOSPOの複数あるサイコンのうち、CS500とCS300の2モデルにだけは「REALROAD(TM)」という愛称が付けられています。

画面がカスタマイズできて簡易ナビゲーションも利用できるフラッグシップ機のCS500と比較すると、セカンドグレードモデルとはいえCS300は仕様も機能も大幅にオミットされている感が否めません。

最も大きな差異は、ディスプレイにあります。CS500が自由自在の表示ができるグラフィック液晶なのに対して、CS300は予め決められた項目しか表示できないセグメント固定式(表示内容の選択は可能)。簡易ナビゲーション機能もありませんし、GPSサイコンとしてはどちらかというとローエンドよりのカテゴリに属していると言えるでしょう。

表示の自由度はミニマム。だが、それがいい!

CS500とは「別カテゴリ製品」と言えるほど、仕様と機能に差があるCS300。特に液晶がセグメント固定式なのは、「絶対に超えられない壁」です。

じゃあ、CS300って選ぶ意味ないの?というと、そんなことは一切ありません。なにしろ、価格帯がガッツリ異なります。CS500の参考価格が10,999円であるのに対して、CS300は6,999円。セール価格+クーポン+ポイントというフルセットの割引が効いた状態なら、実質5,000円を切ることだってある、とんでもねーコスパを誇ります。

それに画面表示のカスタマイズ性の高さが、必ずしもサイコンとしての優位性になるわけでは決して無いはず。ゆったりペダルをまわして、のんびりスピードで楽しむ。そんなサイクリングシーンで多彩な情報が目まぐるしく表示されたら、それは単に「情報過多」「過剰」というだけだったりもするでしょう。

表示項目がほぼ固定されたCS300のようなサイコンは、機能がシンプルでカスタマイズ性もミニマムなぶん、むしろ「あれこれ考えなくてもいい」という良さがあると思うのです。

その名は「ダイナミックゾーンチャート!」

本機のディスプレイで最も特徴的に感じるのは、左上に位置する三日月形状のバー表示ではないでしょうか。マニュアルによると「ダイナミックゾーンチャート」と名づけられていて、7つのセグメントに分割されたバーの表示が右側の表示項目(スピード/ケイデンス/心拍/パワーが選択可能)の数値に応じて増減します。

セグメント固定式のディスプレイで、どうにかグラフィカルな表示要素を加えようとする意図がありそうな「ダイナミックゾーンチャート」。その表示要素が活用されるのは、走行時だけではありません。

電源オンでCS300が起動すると、バーが徐々に伸びて「C」を形づくり、その後は数値表示で「300」をディスプレイする演出が入ります。さらに電源オフ時にはバーが徐々に縮み「C」と「300」の順に表示が消える、という演出までしてくれちゃう。

ああ、これはアレでしょ。スポーツカーのメーターが、イグニッションオンでいちど最大値まで振り切ってから戻るヤツのオマージュ!! しかも「ダイナミックゾーンチャート」の三日月型の表示が型番の「C」の部分にうまいこと使われていて、最初に見たときは思わずヘンな声を出しそうになりました。

落ち着いて考えれば、この「ダイナミックゾーンチャート」があったとしても実際の走行中は「数値表示でしかデータを確認しない」というケースが大半になるはず。しかも三日月形状の真ん中にはLAP表示が鎮座していて、レースやトレーニングでもないと活用しない項目にせっかくのスペースが奪われた状態になっています。

実は「ダイナミックゾーンチャート」の存在意義って、実用上はかなり希薄なのかもしれません。

だがしかし!

「セグメント固定式液晶という仕様の決定的な制限があるにもかかわらず、情報を数値だけでなくグラフィカルに表示してより直感的に把握させようとする」

そのうえ

「電源オン/オフ時の画面演出で、うまいこと活用する」

なんてことまでやってのけるのです。

もはやCS300というモデルを象徴し、「ほかにない個性」にまでなっています。なんというか画面設計に「見やすさ」とか「効率」とは明らかに違う、別のベクトルがあるとしか思えません。

そもそも「必要とされる項目を、効率的に見やすく表示する」だけなら「ダイナミックゾーンチャート」みたいな項目はバッサリ切り捨てる、というか検討すらしないのが最適解のはず。それにもかかわらず、極めて限られた条件のもとで考え得る最大限の「お楽しみ」を提供してくれようとするCS300。

この実用性や効率みたいな部分を度外視したであろう表示項目を、敢えて追加したCOOSPO開発陣のサービス精神と心意気!! 効果効率だけを求められがちな昨今にあって、忘れられていた「思いの強さ」とか「熱量の高さ」を感じさせてくれる姿勢は、全力のスタンディングオベーションに値するものだと私は思います。

そりゃあ「特等席を無駄な表示項目が占めている」と、感じる方もいらっしゃるでしょう。そこはその通りで、ちっとも否定できません。オーソドックスとは真逆の方向ですから、個々人の好みに合う/合わないという部分が多分にあるはずです。

ですが自分個人には「ダイナミックゾーンチャート」のデザインが、思いっきりぶっ刺さりました。王道を敢えて大きく外し、効率とかをガン無視で独自性を主張する。どれだけ忖度しても、正しい方向性とは絶対に書けない(むしろ間違った方向に突っ走ってるYO!)CS300の画面デザイン。けれど、このあふれる厨二感がなんとも言えません。こういうの、もう大好物です!!

正直「高機能モデルのCS500を使ったあとに、セグメント固定式液晶のCS300を使ってもレビューに書くこと無くない?」とか思っていたのですが、予想もしない方向からぶん殴られた感じがします。いやー、やられました。

実際に使ってみた。

というわけで、実際のサイクリングで使ってみました。シンプル機能なサイコンだけに、ベストマッチするのは「ゆるポタ」でしょう。

うどん県メイドの折り畳み自転車「Tyrell IVE 16」をクルマに積んで、やってきたのは茨城県の牛久市!霞ヶ浦で開催されるイベントの前日に近くの街をゆるゆる走って楽しみながら、労せずしてカロリーを大量消費。そして夕ご飯を美味しく食べよう!という、どこにもツッコミどころの無い完璧な計画です。

牛久駅前の駐車場をスタートして、最初にやってきたのは牛久大仏。何度も見ていますが、その巨大さには相変わらず圧倒されます。

デカ過ぎんだろ…。

次に訪れたのは、落花生の専門店「石塚商店」。「厳選された地元産の豆を使用している」と、観光案内サイトに紹介されていたところです。落花生って千葉名物な印象がありますが、牛久でも落花生の店を結構見かけますね。

ばっちり営業時間内に到着!したと思ったら、すでに廃業されているそうです…無念。

そこから数キロ走って(迷ってないとは言ってない)、到着した牛久シャトー。ここは「最初期の本格的ワイン醸造場施設」として、国の重要文化財に指定されています。

牛久って土浦に行くときの通過地点でしかなかったのですが、こんな観光資源まで隠し持っていたのか…!今まで地名でしか知らなかった場所の解像度が、グンと上がる。自転車の素晴らしさに改めて驚嘆しつつサクッと牛久駅に戻って、3期の聖地巡れ…サイクリングは終了!

そしてスタートからゴールまで、CS300は何のトラブルもなく使えました。画面についてもセグメント固定式であることを念頭にさえ置いてしまえば、下手な低解像度ディスプレイより表示はシャープ。7セグメント式の数値表示を見慣れている昭和世代には、むしろ見やすいかも。

COOSPO CS300、普通にいいサイコンじゃん…とか思っていたら、お腹もいい感じに減ってきました。

というわけで、ご褒美タイムです。ホロ肉ドカンとBBQカレー、レベル4。1,962kcal!

なんんにこれ
ホンモノの煩悩の塊じゃん!!

もはやカレーライスじゃなくて、肉料理。ルーもライスも、肉のためのソースと化しています。こんな不健康で体内を満たしても、すべてのカロリーを打ち消すことができる。自転車は、まさに奇跡のデバイスだと言えるでしょう。
※医学的根拠はありません。

まとめ:コスパの高さと開発陣の気概に満ちた1台!

COOSPO CS300は、ローエンドカテゴリに属するサイコン。ですがコスパの高さを言い訳にせず、制限された仕様・条件のもとで可能な限りの「お楽しみ」を演出してくれる開発陣の気概を感じる1台であると感じました。

電源コネクタは、USB-C。自転車用品からMicro USB Type-Bを撲滅するのに、しっかり役立ってくれます。この「押さえるべきところは、きっちり押さえてある」というのは、コスパの高さに磨きをかけてくれますね。

あと意外だったのがスピード、心拍、ケイデンスだけでなく、パワーメーターまで接続できちゃうこと。ローエンドカテゴリのGPSサイコンなのに、トレーニング用途にだって、不足のない機能性を持っていると言っていいでしょう。

制限こそあるものの、専用アプリの「COOSPO RIDE」から表示項目を好みや用途に合わせて選択することだって可能。シンプルですが、機能性は決してローエンドに留まりません。そして「ダイナミックゾーンチャート」のお楽しみ要素まである、「COOSPO CS300」。ローエンドカテゴリなサイコンのフリをしていますが、実はかなりの実力者なのでは?

おまけ:スリープモードに入ると、5つの7セグメント液晶を使って「SLEEP」を表示します。

どこまでも芸が細っけーなオイ!

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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