ミニ製品レビュー記事です。シマノの3スピード用フリクション・サムシフター、型番「SL-TX30-LF 3S」を使いはじめました。フロント・トリプルを使っている方はこのブログの読者に10人もいないのではないかと思われるので、そんなものに興味はない!読みはじめて損した!という方はイノシシの話か人気商品の記事など読んでいっていただけると幸いです。
3×1 + Surly Corner Barタイプの自転車で使う
まず使用環境から。筆者はこれをフラットバーではなく、WEERASという中華ハンドルで使っています。Surly Corner Barの素材をクロモリからアルミに変更し、ステムクランプ部を25.4mmから31.8mmに変更したようなマルチポジションハンドルです。左側のツノにこのシマノのサムシフターを差し込んでいます。こんな位置で使えるのかいな、と思いましたが問題なく操作できます。
フロントディレイラーはAltusグレードのFD-M310-X6。クランクはTourneyグレードのFC-TY501(48/38/28T)。リアはシングルコグで、フロントだけ変速する「3×1(スリーバイワン)」という変態構成です。基本はシングルスピードだけれど「高速で走りやすいギア・ひどい坂が少しだけ登りやすくなるギア」をフロントに追加する、というコンセプトで組みました。リアディレイラーをテンショナー代わりに使っています。
この3×1バイクでは、もともとフラットバー+グリップシフターを使っていたのです(下に関連記事あり)。しかしWEERASの変形ハンドルを試すにあたり、グリップシフター(レボシフト)はうまく設置できないように思えたのでこのサムシフターを導入した次第です。

ガガガガガッ!だがそれがいい
サムシフターSL-TX30-LF 3S自体を眺めていきましょう。レバーを親指で押し込むとギアが重くなり、向こう側に戻すと軽くなる。それだけの仕組みであります。ラチェット数は多くない印象で、ガガガガガッ!という操作感です。ロード系メカニカルシフターの「カチッ」とか「スチャ」というエレガントな動作音ではなく、工事現場で使う掘削重機のような官能性のかけらもない音がします(それが逆に面白いけれども)。
トリム操作も当然可能で、チェーンがケージに当たっている音が聞こえたら2クリックくらい戻す、というような操作をします。動きは軽快では全くないですが、重すぎるわけでもありません。まるでオモチャのような操作感ですが、丈夫なオモチャなのだろうという気がします。
ハンドルへの固定には大きめのプラスドライバーが必要で「違うジャンルのパーツ」という雰囲気です(なぜ低グレード製品はヘックスボルトではないものが多いのだろう)。出先で位置調整する時はドライバーを忘れずに(VESSELのスタッビーは携帯しやすく、お辞儀しがちなGoProのボルトを締めたりと結構活躍します)。
ワイヤーテンション調整バレルも当然あります。ワイヤーを入れるのも超簡単(購入時は1本既に挿入済み)。
仕様的にも機能的にもホ・ン・ト・ニ特筆すべきところが何にもな〜い製品ですが、まとめると「オモチャのようなチープな雰囲気だが耐久性は十分にありそう、レバーの操作感は軽くはないが激重でもない、手触りは良好で操作中に不快感なし、スーパーシンプル&ミニマルな間違いのないシフター」という感じです。
1800mmのインナーケーブルが付属して、実勢価格は1500円くらいです。久々にトリプル・チェーンリングを試してみようかな?という方は調達しておいて損はないと思います。