高コスパと軽快な走行感で大人気の折りたたみミニベロ、Dahon K3。2021年以降のモデルではヘッドチューブにバッグ類を取り付けるためのマウント穴が標準搭載されるようになり、ちょっとしたパーツの買い足しでブロンプトン用バッグをはじめ、様々なフロントバッグを使うことができます。
しかし、筆者のK3はマウント穴のない2020年以前のモデル。この場合でも「Litepro キャリアブロックアダプター」を使うことでブロンプトンバッグが使えるようになったので、ご紹介します。
K3の旧ヘッドチューブと新ヘッドチューブの違い
その前におさらい。下の写真の左側が現行Dahon K3のヘッドチューブ(CBN Blogライター・などかずさん所有個体)。バッグの取り付けを最初から想定した立派なマウント穴が用意されています。右が筆者のK3のヘッドチューブで、2020年以前のモデルではヘッドバッジがかわりに付いてきたわけです。
現行Dahon K3では下のパーツを使うことで簡単にブロンプトンバッグを使えるようになります。
私のあとにK3を購入されたなどかずさんには「マスター涙目w」とマウントでマウントを取られてしまいました。私は唇を血が滲むほど噛み締めながら「カッコいいヘッドバッジないくせに。いつか仕返ししてやる」と誓っていたのでした。
なおK3にフロントバッグを取り付けるアイデアについては、下のなどかずさんの記事も是非ご覧ください。私の記事は、下の記事への補足のような位置付けになります。
これがLiteproのアダプターだ!
さて、これがLiteproのキャリアブロックアダプターです。筆者はトラブル時でも安心できるAmazonで注文しました。レッド・ゴールド・シルバーならPrime発送だったのですが、自分の車体にマッチしそうなブラックだけ中国からの発送となり、到着までは10日ほどかかりました。発送はChina Postで、追跡番号付き。ボルト4本に3Mの両面テープが付属します。非常に質感が良く、傷もなく、品質が高いというのが第一印象です。
これはハオルシア・プリンセスドレスという多肉植物の一種で… じゃなかった、パーツ全体の重量は約247gでした。軽量とは言えませんが、これでブロンプトンバッグが使えるようになるのなら御の字な重さです。
実際に使ってみた
実際に組み立てて使ってみます。付属のボルトは長いものと短いものが2本づつ。特に悩まずに組み立てられます(下のボルト2本は先に締める必要がありますけれども)。
Liteproの商品写真を参考にしながら、同じようなアングルでヘッドチューブに設置してみました。非常に原始的な発想で、ヘッドチューブ上下の数mmのスペースにこのパーツをクランプさせ、ボルトで締め込むだけです(トルクは適当)。実は「こんな仕組みで大丈夫なのか…」と気になっていたこともあり、長らく手を出していないパーツだったのです。
さて、この状態でブロンプトンのバッグをセットしてみたものの… 全然入りません!! キャリアブロックの角度が寝すぎていて、バッグのフレームがステムにぶち当たってしまうのです。セット自体は無理をするとなんとか出来たのですが、ステムが全然回りません。全然ダメ。使えない。
返品、という二文字が頭をよぎります。Amazonにテキストのレビューが全くない理由はこのせいだったのか… その時の私の心境です。
しかしすぐに「待てよ」とパーツをあらためて観察します。Amazonの商品説明写真を見ると、さっきの取り付け方法で間違いないんだけど、ヘッドチューブ側のパーツだけ上下逆にすればいい角度になるんじゃね? と気付きました。それがこちら。
やった〜! 全然問題ないじゃん… 写真はMetro 14L Backpackを装着してみたところです。バッチリじゃん!
懸念していたケーブルの干渉も全くありませんでした。最初、ケーブルの取り回しを工夫したり、場合によってはアウターを長くする必要があるのかなと想像していたのですが、完全に杞憂でした。自前のタイラップで束ね直しはしましたが、たぶんそんなことをしなくとも写真のようにバッグの裏側に全部回しこめば問題ないと思います。
こちらはブロンプトンの現行バッグでは最大容量のBorough Roll Top Bag Large 28Lを装着したところ。
こちらも全く問題なし。シフトは勿論ブレーキングにも悪影響は全く見られませんでした。なお折りたたみ・輪行袋への収納時もネガは一切ありません。
どうだなどかずさん、まいったか。僕のK3も…現行モデルにひけをとらなくなったぞ…僕のK3が…世界でいちばん、いいやつなんだ! カッコいいヘッドバッジだって残っているんだ!
長期使用での耐久性のみ未知数
このパーツ、これまでずっと「ヘッドチューブをクランプするだけ? 横にずれたり、縦にずれたりしないの? ヘッドチューブ割れたりしないの?」という心配と、さらにワイヤーが干渉するだろうという思い込みがあり、なんとなく避けていたのでした。
使用距離はいまのところ100km弱、バッグは5kg程度ほどの荷物で使ってきましたが、剛性面での不安は皆無と言って良く、ズレなどは一切見られません(書き忘れましたが、筆者の場合は付属の3M両面テープはいろいろ考えた末に使っていません。使うとさらに安心なのかも)。
仮に使用中にズレた場合でも、致命的な事故に至るとは考えにくく、現場での復旧も容易そうに思えます。
車体感覚やハンドリングもブロンプトンと変わらず、K3のプレ2020年モデルを使っていてブロンプトンバッグをたくさん持っている方には個人的にはおすすめできるアクセサリーです。
構造を考えると、ダメージを受ける箇所があるとしたら、やはりヘッドチューブになると思います。精度の高い円形のパーツがきれいにチューブに密着しているため、力がうまく分散されるようには見えますが、長期使用でどうなるかは不明なので、あくまで自己責任でリスクを引き受けられる方向けのパーツでしょう(構造的には違法改造に近いパーツかもしれません)。
普段使いの軽量なバッグ・荷物ならおそらく全く問題はないと思いますが、毎日10kgオーバーの荷物をここで支えるとなるとどうなるんだろう、とは思います。私はたまに10kgの荷物をここに積んでツーリングすることもあると思いますが、オンロードでの使用ならまず問題なさそうな気はします(ここよりフロントホイールのスポークのほうが先に壊れたりして)。
パーツの品質(切削加工やネジ穴など)は素晴らしく良いと思いましたし、こんな狭いスペースでクランプさせようなんてよく考えたなぁ、と感心させられます。
価格は6000円前後となかなか良いお値段ですが、K3のプレ2020年モデルをフロントキャリアブロックに対応させるパーツは他社からは出ていないですし、発想や品質を考えても妥当な値段かなと思いました。
星は4.5付けたいと思いましたが、やはり長期使用時の車体側への影響が不明なので、4にしておきます。