雪が溶けたら水になる。
山の神様がくれた全身の筋肉痛。
南アルプス中年、nadokazuです。
というわけで、今回の駄文はこちら!
南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120って、どんなイベント?
2025年11月3日に開催された、南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120。本イベントは公式サイトによると
「南アルプスのお膝元を舞台に、雄大な自然の中での爽快感、普段走れない道や各地域で特色のあるエイドステーションでお出迎えをする地域密着型の広域ロングライドです。」
とのこと。

公式サイトより引用
一見、ごく普通の良さげなライドイベントに思える案内文。
なのですが!
公式サイトをよく読んで、目を疑いました。走行距離は120kmで、自転車のイベントとしては普通。しかしながら獲得標高のほうに目を移すと、そこには「約2,700m」という恐るべき数値が!!
に、2,700mUPぅー!?
つまり海抜0m地点から乗鞍畳平まで登坂するのと、ほぼ同等のヒルクライムを強要されるということ。ヤビツ峠が4倍になって、さらに菜の花台までの登坂がオマケについてくる登坂…これ人体の限界を超えてないdeathか?
それだけではありません!
実にえげつないんですよ、斜度が! RWGPSのデータによると、最大斜度は21.6%。これ壁? 実際に走っていても10%台後半がカジュアルに登場してくるし、それが直線で果てしなく続いていて心がボッキリ折られます。
運営の皆様は、自分みたいな平坦ゆるポタ勢をひとり残らずSATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ! と、お考えなのでは? 実はクラウザーさんが引いた貧脚破壊ルートに、本来のルートが入れ替えられてしまったのでは? そんな妄想が頭から離れない悪魔的コース設定に、震えと涙が止まりません。
南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120。それは2,700mという悪夢のような獲得標高で脚力を完全破壊する、激ヤバ登坂祭りだったのです。
坂が憎い!それなのに!!
貧脚とザコいメンタルの両方を兼ね備え、走るなら平坦か下り。たとえ斜度1%でも登り坂は滅ぶべし!という鋼の信念のもと、私はあらゆる坂への憎しみを抱きながら自転車に乗っています。
ですが、南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120に次の開催があれば、即座にエントリーします。絶対に!!
坂嫌いの自分も虜にされた、南アルプスサイクルアドベンチャーの魔力とは?
坂は心底イヤだけど、このイベントだけは別。そう思えてしまうだけの魅力、いや魔力を南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120は持っています。
魔力その1:絶景ヤバイ
夜叉神トンネルを抜けた先の、南アルプススーパー林道。この区間の景観が、あまりにもヤバイです。写真では絶対に伝わらないし、ボキャブラリー貧困野郎の自分がいくら言葉を尽くして言い表せないでしょう。
絶景なんてありきたりな言葉なんかでは、欠片も語れないあの光景。「筆舌に尽くしがたい」とは、こういうときに使う表現なのか!と思い知らされます。
視界の全方位に広がる、とんでもない景色。ここは、まさに秘境! そのまっただ中でペダルを回していると、絶景すぎて意味がわからなくなってきます。
自分はずっと「なんだこれは?(なんなんだこれは??)」と、頭上に疑問符を浮かび上がらせながら走っていました。本稿執筆にあたってGoProで撮った映像を見返してみましたが、やっぱり意味がわからなくなります。
ひとつだけ言えるのは「こんな景色が拝めるのなら、2,700mの登坂ぐらいなんてことありませんわ!」と一切の誇張抜きで断言できること。
そして!
この南アルプススーパー林道区間、普段は一般車両の通行が規制されています。もちろん、自転車の通行も不可。このイベントだけでしか、走ることができません。これだけの絶景が拝める唯一無二の機会なのに、参加しないやついる!?
いねえよなぁ!!!
魔力その2:エイド飯ヤバイ
設置されているエイドステーションは、約120kmの区間内に9箇所。どのエイドでも地域の特産・名産が、これでもかと提供されます。
フルーツどころ山梨ならではの、手作りフルーツジャムとクラッカー。
昔ながらのやさしい味わいの皮で、甘さ控えめの餡を包んだ小麦まんじゅう。
おにぎりには、味噌おでんの味噌をつけていただきました。
冷え切った身体にうれしい、熱々の汁物。早川町の地野菜「島根芋」を使った豚汁。
しょっぱくて…うまい!スーパーで買う製品とは別格の、ベーコンとフランク。
ほかにもいろいろ出されたのですが、もう書き切れないほどです。
そして数あるエイドステーション飯のなかで、個人的最高峰は広河原エイドステーションで提供されていた南アルプス市のシャインマスカット。
これがもう、衝撃的な美味。シャインマスカットが高級品種であることは、もちろん常識として知ってはいます。そうは言っても、たかが葡萄でしょ? などと舐めてかかっていたら、その激ウマ加減たるや! 自分の中で認識していた、葡萄のおいしさの限界点を軽々と突破してきました。う、う、うーまーいーぞーーー!!!
とにかくエイドステーションの設置頻度、提供されるエイド飯ともども、参加費用が安く思えてしまうぐらいのクオリティで満足度120%。
唯一不満があるとすれば「エイドで提供された美味が、どこで買えるのか」という情報提供が、あまりにも控えめすぎる点。
こういうのはですねぇ! イベント終了後すぐに参加お礼メールを送って、そこから通販サイトに誘導するのが定石ですよ!!(参加者向け初回購入割引とかあれば尚可)。だからほかでもない、あのシャインマスカットを売ってくれえぇえええ!!
※後日、ようやく通販サイトを見つけてポチろうとしたら「今年度販売終了」で、絶望しました。
魔力その3:聖地ヤバイ
初めて走る区間ばかりのルートなのに、なんだか見覚えのある風景が次々と目に飛び込んできます。
⚫︎桃花橋ループ橋
⚫︎夜叉神峠登山口
⚫︎本栖高校旧下部小学校・中学校跡
なぜこんなにも「ここ見覚えがある!」と、あちこちで感じてしまうのでしょうか?
そういえば、山梨県身延町のゆるキャラ、「みのワン」の愛車はヤマハのビーノで、初心者マークステッカー付きですね。ふーん、そうなんだー。
イベントの様子はこんな感じ
スタート地点は、道の駅富士川。水面で丁寧に熱を奪われたキンキンに冷えてやがる冷気が吹きすさび、早くも涙目です。
しばらく走っているとキツい登坂が始まって、瞬く間に汗だく。ですが、それはホンの序章に過ぎません。22km付近で芦安温泉郷方面に曲がると、激坂が本気を出してきやがりました。斜度がガッツリ上がり、インナーローでも脚がプルプルです。
市営芦安第2駐車場付近は、平均勾配ですら10%を超えてくる地獄。押し歩きの方や、蛇行して登坂する方も多くいらっしゃいました。
登っても、登っても、登っても、坂が終わる気配すらありません。しかも、斜度はキツいまま。ここでUターンして帰っちゃおうかな…と、何度思ったでしょうか。
もう登坂するの無理!回収車に連れて帰ってもらう!! 緊急連絡先の番号どこだっけ…? とか考えていると、ようやく夜叉神峠の登山口に到着。
一度停車して後続の方が一定数集まるのを待ってから、スタッフさんの先導で再スタート。夜叉神峠のトンネルをくぐります。
トンネルを抜けると、そこは異世界でした。
このあとは先述のとおり、脳がバグる絶景の中を写真を撮りながら進みます。走っている間じゅう絶景が続き、そのたびに停車して写真を撮るので登坂のときよりも進行速度が低下。
こんな風景の中を1時間以上走り続けるので、頭がおかしくならない方が無理。ただ天候は全然安定しなくて、晴れたり曇ったり。挙げ句の果てには、雪が降ってきました。
広河原のエイドステーションから先は、ダウンヒルゾーン。とはいえ、コーナーはキツいし道は狭いし、葉っぱや枝が落ちまくり。しかも不意にトンネル(照明なしで暗闇。しかもカーブしてる!)と遭遇します。下りなのに、ちっともラクチンじゃない!どゆことー!?
ダウンヒルでもボコられた挙げ句、ようやく本栖高校…じゃなくて下部小学校・中学校跡のエイドに到着。休憩中にゲストライダーの今中大介氏がいらして、ひとり密かにガッツポーズ。お声がけして、一緒に写真撮ってもらっておくんだったー!後悔。
本栖高校からの残り距離は、約20km。ここまで散々のぼらされて、もう坂はお腹いっぱいだよ…と思っていたら、またもや激坂が登場。交通量の多い幹線道路を回避する意図かと思いますが、まだ登らせるんかーい!!
しかも、苦労して登ったのに絶景ご褒美なし! やはり坂は悪…俺は坂を許さない…!!
脚力、気力、体力の全てを喪失した、生ける生ゴミと化してようやくゴールに到着。120kmですが、200kmブルベよりも明らかにキツかったです…もう無理…。
※限界を軽く突破していたので、終盤は写真がありません。
まとめ:絶景の暴力ですべての坂が赦される。
登っても登っても終わりが見えない坂に、これでもかと叩きのめされて両脚の筋繊維が完全崩壊。悪夢としか言いようがない長さと斜度の坂を、繰り返し登坂させられる。そのうえ、極寒と降雪(一時的なものでしたが)にも見舞われて涙目。
南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120では、間違いなく過去イチどギツイ環境下を走りました。地獄という表現すら生ぬるい、とんでもないサディスティック登坂イベントです。
ですが、そんな南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120こそが、これまで参加した数々のライドイベントの中で圧倒的な最高峰だと自信を持って断言できます。
充実しまくりのエイドはもちろんのこと、なにより夜叉神峠から先の風景があまりにも強烈でした。これはもはや、絶景の暴力装置。たかが風景に、ここまで強く大きく心を動かされるとは。
この絶景を見るためなら、すべての坂を赦します!
というわけで、運営の皆様におかれましては次回開催の早期決定と告知を何卒…!
おまけ
今を去ること10年以上前、TOJ東京ステージで写真を撮っていたときのことです。当時所有していたKUOTAロゴの入ったTシャツを着て行ったのですが、そんな自分を見てニコニコ笑顔で会釈してくる方がいらっしゃいます。いったい…誰…?と、思っていたのですが家に戻ってから、それが今中大介氏だと気づきました。
確かに当時、KUOTAはインターマックス取扱でしたからねぇ。そんな今中氏に、まさか山梨の山奥で再びお目にかかれるとは思いませんでした。





































