Tell me 機材を
Tell me 脚を
君だけが欲しいnadokazuです。
というわけで、本日の駄文はこちら!
1万円台GPSサイコンの、決して侮れない実力!
スピード、心拍、ケイデンスは言うに及ばず、パワーメーター、リアビューレーダー、果ては電動コンポまで接続。複数の計測値をリアルタイムで表示しながら、地図表示付きのナビゲーションを余裕でこなせるパワフルなプロセッサ。それでいて、100km程度のサイクリングならバッテリーの心配なしで走れてしまう。
しかも!タッチパネル搭載!!センサー接続時にメニューを掘るのも、表示項目や設定を変更するのも、ナビのマップをスクロールさせるのも段違いにラクチン。雨が降ったときにタッチ操作を無効にする手間はありますが、日頃の使い勝手はボタンだけで操作するモデルに比べて圧倒的に高い。
そんなひと昔前のハイエンド機すら凌駕しそうな機能性を持ったGPSサイクルコンピュータが、2万円あれば余裕で買えちゃう。令和のサイクリストはつくづく幸せだなぁ…と、羨望の念を禁じ得ません。
「iGPSPORT BSC300T」「COOSPO CS600」お手頃GPSサイコンの個人的ツートップ!
さてさて、そんなお手頃GPSサイコンの個人的ツートップは、「iGPSPORT BSC300T」と「COOSPO CS600」です。
両機とも、実売は2万円以下。それでいてガチ使用にも耐えうるだけの性能・機能性がコンパクトなボディに凝縮されています。動作もサクサクで、実際に使っていても「やっぱりハイエンド機じゃないと役者が不足してるよなー」などと感じたことは一切ないです。むしろ「普段走りなら何も不足はないし、もうコレがメイン機でいいじゃん!」ぐらいの感情が、普通に湧き上がってくるほど。
GPSサイコンとしてはエントリークラスに属する両機ですが、実使用時に感じるハイエンド機との明確な差異ってディスプレイサイズと、それに伴う表示情報量の多さぐらいなのでは?
そして!
自転車機材大好き野郎が価格帯と機能性の近しい2つのモデルを手に入れてしまった場合、何を考えるでしょうか。
そりゃあ「いろいろ比較して白黒つけてみたい!」としか思わないですよね(n=1)。
そんなわけで本稿では矮小で偏った視野を誇る底辺自転車乗りの視点から、この2台を雑に比べて勝手に勝敗を決めようと思います。
執筆にあたり、COOSPO CS600(2台目)を自腹で買いました。
両機を比較していくうえで、どうしても気になるのが「いま持っているCS600(1台目)は、COOSPOさんから無償提供していただいた機材である」という点。自分は機材を無償提供なんてしてもらったら、無条件にそのブランドに好感を持ってしまいます。思いっきり贔屓目で見ちゃうし、忖度抜きになんかせず、むしろ徹底的にハードに忖度しまくりです!
つまり今回の比較だと「COOSPO CS600」の方に、圧倒的な好感度バイアスがかかりまくるということ。
▼ 参考記事

私はただでさえ、適当でいい加減なことしか書かない駄目執筆者です。そこへ「無償提供してもらった機材を悪くは言えないよな〜ゲヘヘ」という邪な心理が働くことで、本来の実感値からかけ離れた妄言を書く可能性が否定できません(え?「いつも妄言しか書いてねーだろ!」って? もう少し こう 何というか 手心というか…)。
とまぁ、そんな面倒くせー個人的な感情を抜きにして比較するために、2台目のCOOSPO CS600を手に入れました。自腹で!
これで「どちらも身銭を切って購入した機材」という条件が揃います。好感度バイアスの付け入る余地は、一切ありません。
こんなの考えるまでもなく、ただの無駄遣い。実に愚かで、これっぽっちも意味のない行為です。アホなんですか?自分…いや、アホなんですよね。生まれてすみません…。
iGPSPORT BSC300TとCOOSPO CS600のスペック比較と、個人的基準による勝敗判定。
画面解像度「引き分け」
iGPSPORT BSC300T:240×320ピクセル、2.4インチタッチパネル
COOSPO CS600:240×320ピクセル、2.4インチタッチパネル
両機とも同じサイズ・解像度のカラータッチパネルを装備しています。スペック的にはまったく違いがありません。ディスプレイのスペックが同じなので、画面の精細感も同等。画面の輝度・コントラストも、パッと見では明確な差を感じられません。
物理ボタンの数「引き分け」
iGPSPORT BSC300T:左側面×1 右側面×3 下部×2
COOSPO CS600:左側面×1 右側面×3 下部×2
物理ボタンの数と配置にも、差異はありません。バッテリー容量以外の中身、同じなんじゃない?と思ってしまうぐらい、両機のハードウェアには類似点が多いですねえ。
ただしボタンの形状についてはiGPSPORT BSC300Tが普通のボタンであるのに対して、COOSPO CS600はより大きめ。しかも面取りまでしてあります。この部分に関しては、COOSPO CS600を賞賛すべきでしょう。
USB接続端子「引き分け」
iGPSPORT BSC300T:USB-C(本体下部に設置)
COOSPO CS600:USB-C(本体背面に設置)
データ通信・充電時の接続端子は、両機ともUSB-C。細かな規格の違いまでは追っかけてないので微差がある可能性は否定できないですが、普通に使う分に差異はありません。
違っているのは設置位置で、iGPSPORT BSC300Tが本体下部。
COOSPO CS600は、本体背面です。
ひと昔前であれば「走行中に充電しやすいiGPSPORT BSC300Tの勝ち!」と思えたところですが、令和サイコンのバカ長い公称稼働時間を考えると走行中の充電が必要になるシチュエーションは滅多にありません(ロングライドあたおk…ガチ勢の方はハイエンド機を使うでしょうし)。
そうなると「USBケーブルの接続しやすさ」も評価軸に加わってくると思うのですが、iGPSPORT BSC300Tはカバーのかなり奥の方に端子があります。端子周りのスペースに制限があるのでL字型のコネクタや太めのコネクタは接続できません。一方でCOOSPO CS600は、自由度が高め。ありとあらゆる形状のコネクタが接続可能です。
ここは一長一短ありということで、引き分けでしょうね。
地図の見やすさ「iGPSPORT BSC300T」の勝ち
iGPSPORT BSC300T:細い道路表示にも枠線あり
COOSPO CS600:幹線道路以外は枠線なし
使っている地図データは両機とも同じもののように思えますが、ナビ画面に表示される地図の見映えが異なります。もっとも大きな差異は、道路の表現でしょう。
iGPSPORT BSC300Tは地色に枠線がついた、よく見る道路の表現。一方COOSPO CS600は幹線道路以外は実線だけ。色分けはされていますが、ちょっと道路っぽさが希薄になります。
明るい色使いも相まって、画面に表示された地図に関してはiGPSPORT BSC300Tのほうが見やすいと感じました。
進路変更アラートの見やすさ「iGPSPORT BSC300T」の勝ち
iGPSPORT BSC300T:矢印と距離表示・黒い矢印と文字で枠無し
COOSPO CS600:矢印と距離表示・黒い四角形の中に白抜き文字
ナビゲーション中に進路変更ポイントに近づくと表示される、アラートの表示。特に小さめの画面の中ということもあり、どう表現されているかは「誘導のわかりやすさ」を大きく左右します。
COOSPO CS600は、矢印と残り距離が黒い四角の中に白抜き文字で表示される形式。ハイエンド機でもよくみるタイプです。
一方、iGPSPORT BSC300Tは矢印と残り距離が地図の上にそのまま黒い文字で描画されます。
一見、COOSPO CS600のほうがゾーニングされていて見やすい!と思えてしまうのですが、ここで影響してくるのが地図の表示領域の小ささ。アラートが表示されることによって、地図上の進路変更ポイントが隠れてしまうケースが後を絶ちません。これはハイエンド機を使っていても、思いっきり気になる部分。
iGPSPORT BSC300Tのほうは、文字と矢印だけなので進路変更ポイントが隠れにくいです。ここだけは、BSC300Tがハイエンド機にすら勝利してると思ってます。
ナビゲーション中に、敢えてルート外を走りたいとき「COOSPO CS600の勝ち」
iGPSPORT BSC300T:警告表示は消せない
COOSPO CS600:警告表示が消せる
ナビゲーション中にルートを外すと、画面にルート外れの警告が表示され続けます。サイコンとしては当然の挙動ですが、COOSPO CS600はタップすると警告表示を消せます。
ブルベやイベント参加時ではなく、ひとり気ままにゆるポタしていると「敢えてルート外を走行する」みたいなケースが普通にあります。けれど目的地までの経路と残距離は把握しておきたいので、ナビは切りたくない。そんなときは、ルート外れ警告が消せるCOOSPO CS600だとストレスなく寄り道できそうです。
駆動時間「COOSPO CS600の圧勝」
iGPSPORT BSC300T:バッテリー容量600mAh、公称20時間駆動
COOSPO CS600:バッテリー容量1,090mAhで、公称36時間駆動
COOSPO CS600のバッテリー容量は、iGPSPORT BSC300Tと比較してプラス490mAh。約1.82倍と、もはや「圧勝」と言っていいぐらいの差をつけています。
公称の駆動時間から、1時間あたりの消費電力量を逆算してみると、
BSC300T:約 30.0mAh/時
CS600:約 30.28mAh/時
と、ほぼ同等の結果でした。
COOSPO CS600の駆動時間は、「バッテリー容量が大きい分だけしっかり長い」と言えるでしょう。ソフトウェアがどれだけ最適化されても、さすがにこの差は埋められないように思えます。
でもまぁ、これだけの駆動時間があるなら、実際にバッテリー容量に不足を感じるシーンって両機とも滅多にないのでは?
画面表示項目を変更する操作の自由度「COOSPO CS600の勝ち」
iGPSPORT BSC300T:アプリからの変更のみ
COOSPO CS600:本体からもアプリからも変更できる
COOSPO CS600は、サイコン本体の操作で画面の表示内容(セグメント数や表示するデータ)を変更できます。アプリから変更するときも、セグメント分割を自由に選択できる印象。
一方で、iGPSPORT BSC300Tはアプリからの変更に限られます(公式様に問い合わせ済み)。セグメント分割についても「変更したい分割数が選択できる画面」を先に選んでから設定していく感じ。目的の画面デザインにするための操作手順が、チョイ多めです。
メニュー画面の見映え「iGPSPORT BSC300T」の勝ち
iGPSPORT BSC300T:カラフルでスマホライクなメニュー画面
COOSPO CS600:シンプルなメニュー画面
サイクルコンピュータを起動して最初に表示されるメニュー画面は、両機とも複数(iGPSPORT BSC300T:3種/COOSPO CS600:2種 ※執筆時点)のテーマと多彩なカラーが用意されています。
画面デザインはiGPSPORT BSC300Tがカラフルでスマホライクな印象なのに対して、COOSPO CS600は非常にシンプル。同社のモノクロ機、CS500の画面と比べてもボタンに地色が付いたぐらいの差しかありません。
見栄え、という点ではiGPSPORT BSC300Tが圧倒している感じ。ですがCS600の大きなボタンはとてもタッチしやすく、操作性はむしろイイかも。それに設定メニューに入ってしまえば、両機とも極端な差はつかなくなります。
とはいえ、よりワクワクした気持ちにさせてくれるのはiGPSPORT BSC300Tの方で間違いないと言えるでしょう。ここは完全に「個人的な好み」だけなので、異論は思いっきり認めます。
進路変更アラートの発報「引き分け」
iGPSPORT BSC300T:発報がやたら多い
COOSPO CS600:控え目だけどマップの確認は必須
iGPSPORTのサイコンは、BSC300Tもハイエンド機も、ナビゲーション時に進路変更のアラートをやたら発報してきます。直進する交差点なのに「左折直後に右折」みたいなパターンもあって、最近ではマップのルート表示しか見なくなりました。
それに比べると、COOSPO CS600の進路変更アラートは控え目。というか、明らかな進路変更箇所なのにアラートが出ない!というケースがあるほど。
いずれにしても、両機とも「進路変更アラートの表示だけを頼りにしていると、正しいルートをトレースすることは難しい」というレベル。地図の表示が必須なので、引き分けです。
iGPSPORTさんもCOOSPOさんも、ここはもう少しなんとかして欲しいですね。
警告音の豊富さ「iGPSPORT BSC300T」の勝ち
iGPSPORT BSC300T:バリエーションいろいろ
COOSPO CS600:単調な印象
COOSPO CS600には何種類かのアラート音がありますが、「ピッ」「ピピッ」など単一音階の長短を組み合わせたものが中心で、割と単調な印象。
iGPSPORT BSC300Tは起動音、タッチ音、進路変更やレーダー反応時の警告音などの多彩なバリエーションがあります。「ピロリロリ~」「ポピッ」などなど、音が状況把握の補助として働きます。
レーダー警告表示「判断が付きません」
iGPSPORT BSC300T:画面の片側にグラデーションがオーバーレイ
COOSPO CS600:画面の左右両サイドにグラデーションがオーバーレイ
レーダーが車両を検知したときの警告は、どちらもオーバーレイでの表示。表示項目を一部隠す形になりますが、それは液晶の画素数的に仕方ないと言えるでしょう。
COOSPO CS600は、レーダーの警告表示が画面の左右両サイドに表示されます。iGPSPORT BSC300Tをはじめ複数ブランドのサイクルコンピュータを所有していますが、両サイドに警告表示が出るのは本機だけです。
走行データをチラ見したとき表示項目の一部が隠れていたら、読み取るための時間が(コンマ数秒とはいえ)増える方向に働くでしょう。それは絶対悪!言語道断!と思う反面、「警告により気付きやすい」という点では明らかに左右両サイド表示が優位です。
「安全性に対してより寄与するほうが勝ち」というのが自分の中での判断基準ですが、これはどっちがいいのか判断つきませぬ。降参!
まとめ:ポチるなら、どっち?
タッチパネルで操作できて、挙動はサクサク。多彩なセンサーが接続し放題のうえ、駆動時間もメッチャ長い。「1万円台」という価格を考えると、両機とも実にとんでもない機能・性能を持ったサイクルコンピュータである!と声を大にしても異論は出ないでしょう。
どっちを買っても後悔するケースは極めて少ないので、もう「好きな方」「そのとき安かった方」を買えばいいじゃん!
とほっぽり投げたいところではありますが、使い勝手に影響する明確な差異もあったりします。なのでオススメはどちらかを、条件ごとに独断と偏見で勝手に決めます。
Androidユーザの方 → 「iGPSPORT BSC300T」をおすすめします。
これはX(旧Twitter)で、尊敬するレビュアーの方から教えていただきました。COOSPO CS600は現状だと、Android機からルートデータを転送する時間(スマートフォン→サイコン)がメチャ長いです。自分の環境でも実験してみましたが、「遅いかも?」どころではなく明確に「すっっっっっっっっげー遅い!」と感じます。
いずれ解消されるとは思いますが、執筆時点では遅いまま。iPhoneでの転送は普通の速さなので、まさかそんな弱点があるとは思いもよりませんでした。
iGPSPORT BSC300Tのほうは、iPhoneでもAndroidでも転送サクサクです。
駆動時間を重視する方 → 「COOSPO CS600」をおすすめします。
「走りに出かけるたびに充電したくない!」「液晶を最大輝度にして、できるだけ長く走りたい」などなど。バッテリー容量/駆動時間を重視されるなら、COOSPO CS600一択です。
なにしろ、容量は実に約1.8倍!この差は、あまりにもデカいですよね。
ただiGPSPORT BSC300Tのバッテリーに、ちっとも不足を感じてないのも正直なところ。この辺の匙加減の巧みさは、iGPSPORTさんの仕様最適化ノウハウに感嘆することしきりです。
お前はどうなんだよ!?と問い詰められたら → 「iGPSPORT BSC300T」を選びます。
駆動時間の差異はあるものの、公称20時間駆動。iGPSPORT BSC300Tがバッテリー切れになるより先に、自分が力尽きてライド終了になってしまいます。
残る評価軸は外観や画面デザイン、スマホアプリも含めたトータルな使い勝手。そうなると、あらゆる面でより作り込まれ、洗練されている印象を受けるのは「iGPSPORT BSC300T」のほう(個人の感想です)。
COOSPO CS600も、これからのファームアップで進化していくのは間違いないでしょう。しばらく経ったら、手のひらひっくり返してCS600を賞賛している可能性は大。ですが現時点では、まだ発展途上である印象が拭えません(個人の感想です)。
いずれにしてもバッテリー容量以外のハードウェアスペックは、ほとんど同じ両機。きわめて白黒つけづらいですが、今どちらかを選ぶとしたら「iGPSPORT BSC300T」に軍配です!
以上!
ここまで書いたところで、嫁様からお呼びがかかりました。「全く同じサイコンが2台ある」ことについて、家庭内異端審問会で釈明せよとのことです。
もし、ボクが明日も五体満足でいられたら、また次回の駄文でお会いしま(原稿はここで途切れている)
▼ 参考記事























