Rhinowalkのパニアバッグ(40L左右セットとして販売されているグレーカラーの製品)を使いはじめたので、第一印象的な感想を書いてみます。筆者はこれをAmazonのセール時に¥6,399で購入したのですが、ものすごくいい買い物をした、と感じています。ただし弱点もあるので、そのあたりも含めて一緒に観察していきましょう。登場1年程度の、比較的新しい製品であるようです。
合計40Lの大容量
左右が繋がっているタイプのパニアです。片側が20L、合計40L。ラックに載せる連結部の下には樹脂製のフックが4つあり、極端に太すぎないパイプのラックならクランプできます(TopeakやTubus等の一般的なラックなら問題なし。一部のE-Bike等に付属するゴツいラックだとパイプが太すぎて入らないことはあるようです)。
荷物を入れる場合は、このバッグをラックに載せてフックもクランプさせてから、のほうが理想です。というのもかなりガッチリとハマるので、重い荷物が入った状態でのこのバッグの脱着は困難を極めるからです(ライトユースならフックを使わない運用方法も一応はあります)。しかし輪行だとそうも行かないので、そこはストレスに感じることもあります。
トップリッドの下はロールトップだった!
私がこのパニアバッグを購入した時は日本のAmazonにはまだレビューがなかったのですが、諸外国のAmazonレビューで「見た目以上に容量があって驚いた」という書き込みを目にし、それが購入のきっかけになりました。ミニベロ用に軽量かつ大容量、片手で持てるようなパニアが欲しいと思っていたので、これは試したいと思ったのでした。果たして、確かに予想以上の容量でした。
トップリッド(大型登山ザックの雨蓋のようなもの)の下はなんとロールトップ状になっていて驚きました(Amazonの商品紹介写真では詳しく写っていなかった)。上で閉じることができます。トップリッドは、無理に使わなくても良いことがわかりました(トップリッドにはポケットなどはなく、防水性を高めるために付けられているようです)。
モノをいっぱい詰めてトップリッドもかぶせると、下の写真のような見た目になります。片側で公称20Lという容量、全然盛ってません! オルトリーブの20Lに引けを取らない収納力があると感じます(横幅はこちらのほうが若干狭いけれども、高さでは勝っています)。
無理はさせないほうが良い
しかし、モノをパンパンに詰めた状態でトップリッドを無理に被せようとしたところ、下の写真の白丸で囲ったところが「ビリッ」といってしまいました。かなり無理な引っ張り方をしてしまったので私が悪かったとも思うのですが、例えばオルトリーブ製品を同じような力で扱ってもこんなふうにほつれることはないので、それと同等の強度や耐久性は期待しないほうが良いと思いました。
オルトリーブ製品は、重いだけあってやはり丈夫なのです。どんな人でも、雑に、乱暴に扱ってもまず壊れない。それがオルトリーブの良いところです。Rhinowalkのこのパニアバッグのような製品は、同じ気持ちで使って良いものではないと感じました。
本格的な防水性能はまだ試せていませんが、内側のライナーやバッグ本体の生地を観察すると、短時間の雨なら問題なく撥水できるように感じますし、なにより黄色い大型レインカバーも付属するので(これはバッグの上にトランクバッグを載せても包めるくらいの巨大なサイズで良い)、複数日にわたる自転車キャンプツーリングでも何の問題なく使えるレベルの製品だと思います。
付属のレインカバーはかぶせやすくて、急な雨に降られた時も簡単に使えました。防水性能的にはBromptonのBoroughロールトップバッグに近いものではないかと感じます(見た目も似ている。ただしBoroughのほうが生地は厚い)。
荷締め用のストラップは4本
バッグの上にはストラップが4本あります。トランクバッグ(ダッフルバッグ)を両方のパニアの上に横に渡した上で、縛って固定できます。
バッグの前後側の2本のストラップを使えば、トランクバッグを縦方向にして載せたり、テントやポール、ドライバッグ等を載せて縛ることもできます。
このバッグ前後側にあるストラップは片側がバックルになっていて、ラックに縛りつけることで脱落防止ヒモとしても使えます(白丸で囲ったところのように固定できます)。
パニア全体を片手で運ぶ時は、下の写真のハンドルを使います。相当重い荷物を入れた状態で何度か運んでいますが、いまのところほつれたりはしていません。しかしトップリッドの縫製がほつれたこともあり、このハンドルだけでバッグ全体を持ち上げるのは若干心配なので、移動時は残りの4本のストラップとこのハンドルを同時に持って歩いています。
満足感が非常に高い
トップリッドの付け根が少し裂けてしまったのは残念ではあったのですが、自分で縫い直すこともできそうですし、それ以前に「このトップリッド、なくても別にいいのでは?」とも思いはじめています。カッコいい上蓋なのですが、フタをせずにただの「パニアっぽいロールトップバッグ」として使っても、問題は特に感じないのです。
上蓋をかぶせなければ、上の写真の右側、白丸で囲んだところまで高さが出るのです(この写真ではテントポールを入れています)。上蓋を閉めなければテントやコットなどの「縦型の大きい袋」を片側に2つ余裕で入れられます。高さがあって、上で閉じられるのが良いです。オルトリーブのバックローラーのようなものです(※シティ系モデルを除く)。それでいて軽量です。
付属のレインカバーを使わずに完全防水にしたいのであれば、中に大きいサイズのドライバッグも入れておき、その中にモノを入れる運用をすれば解決します。
ものすごく目立つリフレクターも付いているし、外側には大きめのポケットもあるし、バッグの中に入らないサンダルやマグカップを吊るしておけるウェビングシステム(MOLLEシステム)があるのも良いです。私は¥6,399で買いましたが、通常時の¥7,999という価格もスペックを考えると相当安いと言わざるをえません。めっちゃお買い得感があります。
やや薄めの生地なので岩などとの摩擦や折れた木の枝などによる引き裂きに気を付けて、縫製に極端な負荷をかけないような使い方をするのであれば、非常に使い勝手が良いパニアだと思います。重量はそれほどでもないけれど、かさばる(スペースを取る)荷物を運びたい、という場合は特にいいでしょう。
ヘビーデューティーとは呼びにくいものの、結構頑張れるパニアバッグ。登山ザックには、強度はほどほどだけれどもそのぶん軽量で動きやすい製品群があり、私が愛用しているOsprey Talonシリーズなどもそうなのですが、その意味で雰囲気は似ているなと思いました(ULほどペラペラでもありません)。日本のオンロードツーリングなら何の問題もなく使えるパニアだと思います。
荷物を入れた状態でラックにはめたり外したりするのは、フックの位置が視認できないので大変です。いちばんストレスに感じるところは、個人的にはそこです。しかしバッグの形状・容量、全体的なコンセプトは非常によく練られていて、これは本当に自転車ツーリングを好きでやっている方が設計した製品だ、と感じました。壊れたとしても修理しながら使っていきたい、そんなふうに思える、良いパニアです。