記録的な猛暑の日本列島。今年の夏はご自身の体調面についても、自転車パーツ・用品類についても「かつてなかったような異常」を経験されている方も多いのではないでしょうか。
私の場合は「保管していた自転車バッグ類にたくさんカビが生えた!」という異常事態を経験しています。この記事ではカビが生えてしまったバッグのメンテナンスについてご紹介します。
人間がコントロールできるのは「汚れ」
上も下もオルトリーブのラックパックという製品で、最近あまり使っていなかったこともあり保管中に大量のカビが発生していました。カビの発生条件は「気温が高い(20〜30℃が生育好適条件と聞きます)・湿度が高い・カビの栄養源がある(皮脂汚れ・泥・ホコリなど)」の3つ。
このうち最初の2つはどうにもできない場合もあるかもしれませんが、「カビの栄養源」を減らすことはできます。バッグ類を長期保管する場合、外側はきれいに拭き上げ、中身も全部出して同様に拭き掃除しておくのが鉄則ですね(それをさぼったからこうなったのでした…)。
汚れの中には一見すると、カビなのか、土埃がこびりついた汚れなのか、タイヤが擦れて生地が毛羽立ってしまったところなのか、判別が付かないこともあります。その場合でもとにかく拭いておきます。
私の場合、こうした作業で使うのはシューズの脱臭でも活躍している「オキシクリーン」という酸素系漂白剤(紹介記事)です。カビの除去にはエタノールや重曹を使う方法もありますが、オキシクリーンはこれまでの経験からバッグ類を傷めにくいという印象を持っているため、これを使っています(実際に問題は起きていません。しかし色落ちなどがしないかどうか、事前の検証をおすすめします)。

オキシクリーンを溶いた水(ぬるま湯だとさらに良い)をタオルに染み込ませ、カビと思われる汚れをゴシゴシ拭き取っていきます。さらに汚れていないところもオキシクリーンで拭いていくことで有機物を死滅させる効果を狙います(そのため全体を一度きれいに拭いてしまうのが良いです)。
さて、先のオルトリーブのバッグはこんなにきれいになりました! 万一バッグ類がカビでびっしり覆われて「死んだ」と思っても、オキシクリーンで拭いてあげたり、重症の場合はオキシクリーン水をカビの部分にポンポンと置いてしばらく放置してから拭き上げると復活すると思います。
パニアバッグやバックパックはポケットの中もよく確認して拭き掃除しましょう。特に濡れたレインカバーなどをうっかり入れたままにしてしまった場合など、大変なことになることがあります。お菓子などの食品が残っていてもNG。下の写真ではカビがよく見えないのですが、実際は白カビのスポットが多数あったのでやはり拭き掃除しました。
こうして拭き掃除が終わったら、直射日光の当たらない風通しの良い場所でバッグを陰干しします。その後、バッグ類が完全に乾いたことを確認したら、やはり風通しの良い場所で保管します(クローゼットなどは、実はあまり良くありません)。狭い場所にぎゅうぎゅうに詰めこんだりすると湿気が籠もって良くないのですが、汚れを落としきれていればカビも再発しづらくなります。
皆さんもしばらく使っていないパニアバッグやサドルバッグ、バックパック等が押入れ・クローゼットに眠っているようでしたら、この機会に取り出して様子を見てはどうでしょうか。また、保管場所に問題があるようならスノコなどを活用して風通しを良くしておくのも大事です。
そしてバッグの中にはモノを入れっぱなしにしておかないようにすると、カビも発生しづらくなるでしょう。発生してしまった場合でも被害を最小限に留めることができます。