私にはなにもない。と思っていた。横浜の狭小集合住宅に住む中年、nadokazu。
友達も趣味も無い、何も無い日々を過ごす彼だが、ふと見かけた折り畳み自転車をポチったことで、ちょっとずつ単調な毎日が変わり始める。
「DAHON K3」
べらぼうに軽くて、畳むとかなり小さくて、そこそこ走る。そのうえ価格は、ブロンプトンの数分の一です。
どんな自転車を保有していようとも、そのスペックを知ってしまったが最後。外泊証明書だと思っていた売買契約書に、あっさりサインしてしまう。極めて大きな危険性を孕んだ(物欲的に)、一台だと言えるでしょう。
そんなDAHON K3の用途は、軽さとコンパクトさを活かした輪行サイクリング。そうなると、カメラ機材を収納するフロントバッグの取り付けは必須です(n=1)。
というわけで、雑に調べて雑にまとめました。
まずは、年式でキャリアマウントの有無を確認!
2021年モデル~
DAHON K3の2021年モデルには、ヘッドチューブにキャリアマウント(ラゲッジソケット)が装備されました。これにより、フレームにバッグ取り付け用のアタッチメント(ステー+アダプタ)がポン付け可能になっています。
2020年以前のモデル
一方で2020年モデルには、キャリアマウントが装備されていないため、そのままではアタッチメントの取り付けができません。そういえば、マスターさんのK3は2020年モデル。ここはひとつ、マウントでマウントを取っていきたいところです(わたくし、最低の人間です)。※写真・2020年モデル:マスターさんが涙目で撮影
フロントバッグはハンドルに装着するタイプを使うか、キャリアマウントを増設する非純正パーツを使って取り付けることが必要になります。
▼ 2020年モデルのDAHON K3に、キャリアマウントを増設するパーツ。
これ、ヘッドチューブ周りに取り付ける構造のようですが、思いのほか手強そう(商品説明には「簡単」と書いてありますが)。カバンの重さと振動に耐えるだけの耐久性があるかも不明なので、ご利用の判断は自己責任でどうぞ!
ご搭乗のお客様の中に、どなたか人柱の方はいらっしゃいませんかー!?
【2021年12月30日追記】
つたさんが、CBNにレビューを投稿してくださいました。キャリアブロックマウントの無いモデルをお使いの方は、どうぞご参考に!
え…?ドリル…?
ラゲッジトラスへの加工はちょっとだけ難しかったですが…なんとか付けられました https://t.co/LIfYBspxHJ pic.twitter.com/ljf7jAAZbB
— つた (@partheno) December 29, 2021
フロントバッグを装着する3つの方法(キャリアマウント使用)
純正アダプタを使って、純正のバスケットやバッグを付ける。
DAHON純正の取り付けステー「Valet Truss(バレットトラス)」を使って、ワンタッチでバッグが着脱できるアタッチメント「QUICK COUPLER」に対応した純正バスケットやバッグを装着します。
▼ こんなパーツを使う
純正の取付ステー「DAHON VALET TRUSS + QUICK COUPLER」
▼ こんなバッグが付けられる
純正の金属製のバスケット「DAHON Front Cargo Basket」
ディスコンっぽい純正フロントバッグ「Atache Computer Bag」
▼ この方法の○と×
○ | 純・正・品!装着可能であることが公式に保証された、絶大な安心感。 頻発する「小径車改造あるある」にだって、泣かされることは絶対にない。たぶん。 |
× | 対応しているバッグ/バスケットの選択肢が、新品ではほぼ皆無(執筆時点)。 |
「純正品の組み合わせ」という、絶対に失敗が無いことを保証された装着方法です。普通に考えれば、検討のスタートはまずここから。
なんですが!!!
DAHONの公式ページに「Valet Truss」の記載はあったものの、それを使って取り付けられるバッグやバスケットの情報が見つかりません(執筆時点)。
Amazonを探し回ったら金属製の純正バスケットが売っているのを確認できましたが、バッグは全然見当たらない。
かろうじて1件ヒットしたバッグも、「この商品は現在お取り扱いできません。」。
メーカー純正というのは魅力的ですが、取り付け可能なバッグが
「ゼロだったんだよ!」
これじゃあ、選択肢にはできないですよね。終ーーー了ーーー!!!
KLICKfix対応のアダプタを使って、リクセンやオルトリーブのバッグを付ける。
リクセン&カウルやオルトリーブのバッグ/バスケット類が、ワンタッチで脱着できるアタッチメントシステム「KLICKfix」。このシステムに対応したステーが、DAHON K3にはバッチリ取り付けできます。あとはもう、リクセン&カウル製/オルトリーブ製の、ラインナップが揃いまくったバッグやバスケットが選びたい放題です。
▼ こんなパーツを使う
RIXEN&KAULのヘッドチューブアダプター「KR822」
または
Ternの「Luggage Truss 2.0」
▼ こんなバッグが付けられる
オルトリーブ「アルティメイト6プラス」
RIXEN&KAUL「オールラウンダーミニ」KT813
RIXEN&KAUL「ショッパーコンフォート ミニ」KF833
ほかにも、KLICKfix対応のバッグ/バスケットは多数。「KLICKfix」で検索してみて、好きな製品を選びましょう。
▼ この方法の○と×
○ | メジャーブランド2社が、ダブルで対応している製品。 品質、保証の絶大な安心感がある。 |
× | あれも欲しい!これも欲しい! もっと欲しいもっともっと欲しいー!と、 際限なく物欲が深まりまくる。 |
メジャーブランドの製品を使って、無改造で取り付けできる安心感!しかも、バッグは選びたい放題ときています。現実的な選択肢は、もはやこれ一択!と、思えます。
いろいろなバッグがありすぎて、思わず欲望のままに…。という怖い未来が見えることだけが、ネガティブ要素だと言えるでしょう。
そうそう、折り畳み自転車マンガの金字塔「おりたたぶ」15話で、カーブさんからにょきっと生えてるのはTern Luggage Trussの「2.0」が付いていない旧モデルです。多分。
参考 Luggage Truss™ | Tern Bicycles
おりたたぶ仕様にこだわりたい方は、店頭在庫を探す旅に出ましょう。
ブロンプトン用の変換アダプタを使って、ブロンプトン用のバッグを付ける
DAHON(Ternも)と、ブロンプトンのキャリアマウント。なんだか似たような形をしていますが、ネジ穴の間隔が違うので互換性がまったくありません。思わずドリルを手をとりたくりますが、その必要はナッシング。サードパーティーから対応パーツがバッチリ出ているので、苦労レスで取り付け可能です。
▼ こんなパーツを使う
A:キャリアマウント変換パーツ+ブロンプトン用キャリアブロック
ブロンプトン用のカスタマイズパーツで著名な、「H&H」からDAHON/Ternのキャリアマウントを、ブロンプトンのキャリアブロックに対応させるパーツが発売されています。
参考 H&H 〔DAHON/Tern〕 FRONT CARRIER ADAPTER
あとは、ブロンプトン用のキャリアブロックを取り付ければOK!
キャリアブロックには純正/非純正ほか多数のラインナップがありますが、ローロ日本橋さんによると「同じH&H製がおすすめです」とのことでした。また「微妙に合わない」などの、あるあるが発生するケースも無くはないとか。
K3のキャリアマウントに装着すると、こんな感じになります(なぜこんな写真が撮れるのかは、聞かないでください…店頭にたまたま在庫があるのが悪いんです…)。
B:DAHON/Tern対応のブロンプトン用キャリアブロック
オークションサイトを検索すると、サードパーティー製のDAHONマウントに対応したブロンプトン用キャリアブロックがヒットします(たぶん中華通販で売ってた商品の転売でしょうね)。
DAHON K3のキャリアマウントに取り付けると、それだけでブロンプトン用のバッグが脱着できるようになります。キャリアマウント変換パーツが不要になるぶん、取付の手間が減らせて見た目も(微差ですが)スッキリ。
▼こんなバッグが付けられる
ブロンプトンの純正フロントバッグ各種が、普通に装着可能になります。
関連 BROMPTON初のバックパック Metro Backpack 14Lを試す 圧倒的な使いやすさに感動
▼ この方法の○と×
○ | ブロンプトン用のバッグを持っていたら、 そのまま転用できる。 |
× | 非純正のアタッチメントに、非純正のバッグ。 トラブルに対する保証はありません。 |
「ブロンプトンを持っていて、ブロンプトン用のバッグも持っている」という方には、魅力的な選択肢であるように思えます。なにしろ、新しくバッグを買い足す必要は無いし、自転車を変えるたびにバッグの中身を入れ替える必要も無くなるのですから。
「とっかえひっかえしよった!」
と、驚きの声が上がることうけあい。ただメジャーブランドではないメーカーのパーツは、特に耐久性への不安が大きすぎです(とはいえ、H&Hは高いんですよねー)。
おまけ:キャリアマウントを使わずに、フロントバッグを装着する方法も(一応)ある。
ハンドルバーに装着するタイプのフロントバッグなら、キャリアマウント無しでも無問題!
2021年モデルに乗っている自分には、別に必要ないのですが(ドヤ顔)一応検証してみました。
ふつうのハンドルバーバッグを使う。
▼こんなパーツを使う
使いません!
▼こんなバッグが付けられる
POTA BIKE(ポタバイク) セミハードフロントバッグ for ミニベロ
ほか、各社から発売中のフロントバッグ多数。
▼ この方法の○と×
○ | 必要なのはバッグ代だけ! |
× | ハンドルが重くなる。 ワイヤーの干渉を避けるには、ブレーキが下向きに限られる。 脱着の手間は大きい。 |
取り付けたバッグがワイヤーへ干渉しないよう、ブレーキを下向き(ほぼ真下)にセットすれば普通に装着できます。ただし「ハンドル操作が重くなる」、そして「脱着の手間が思いっきり増えて、輪行時に面倒な作業がプラスオン」というのが避けられません。
とはいえ妥協しようと思えば、難なく妥協しちゃえる程度のネガです。アタッチメント代が不要というのも地味に嬉しいし、選択肢としては普通にアリですね。
あと、フロントバッグの一般的な取り付け方法としては「リクセン&カウルのハンドルバーアダプタや、Route Werksのハンドルバーアダプタを使っての装着」もありますが、K3だとハンドル固定用のクイックに干渉しちゃうので、「試すまでもなく無理!」だと思われます。
実際に買ってみた。
Ternのステーでオルトリーブのバッグを付ける。
DAHONの自転車に、Ternのパーツを付ける。2社の関係性は知っていますが、やっぱり別の自転車メーカーの純正パーツを装着するのって、違和感ありますよね。…ということはまったく思わなかったので、見た目で選んでTernにしました。
Route Werksのハンドルバーバッグが登場してから、完全休眠状態にあったオルトリーブのアルティメイト6プラスが、これで再び日の目を見ることに!!
脱着はいつものKLICKfix方式。装着は、斜め上からパチンとはめるだけ。取り外しも上からボタンを押すだけでロックが解除されるので、アダプタ下部に手を回してレバー操作が必要なブロンプトンのアタッチメントより操作性は上なのでは。
アルティメイト6プラス、K3にはちょっとデカいかも。とはいえ、カメラと交換レンズと輪行機材一式を飲み込んでお釣りが来る収納力は、フォトポタに最高なんですよねー。
ステーのせいでバッグが前に突き出た印象が強くなることを懸念していましたが、実物を見るとそれほどでもないです。むしろワイヤーを逃がすスペースができるので、そっちのメリットの方が大きいと感じました。
そうそう、ワイヤーについては、そのままだとハンドルを切るたびにバッグに擦れまくって鬱陶しいことこの上ないので、ベルクロでループを作ってステー側にワイヤーを通すようにしています。
サードパーティー製のアダプタでブロンプトンのバッグを付けてみる。
某オークションサイトに、Tern/DAHONのキャリアマウントにブロンプトン対応のキャリアブロックが直接取り付けられるアダプタが売っていました。
うっ…頭が…。
気がつくと宅配便が到着して、箱の中にはそのキャリアアダプタが入っています。謎ですねー(棒)。
それはさておき、アダプタは金属製で塗装もキレイ。バリなども見当たらず、仕上げに不満なしです。サイズもバッチリで取付に何の苦労もありませんでしたが、耐久性は一切不明なのが思いっきり不安要素。
K3に取り付けてみると、こんな感じになります。
あとはブロンプトンと同じ感覚で、専用フロントバッグのアタッチメントを上から差し込む要領でセットすればしっかりロックされます。装着の違和感や、ガタつきなども全然なし。ストレスフリーで、バッグを取っ替え引っ替えできるでしょう。
パッと見た感じだと、SバッグやBackpack14Lなどの大型バッグを装着しても、ハンドルが回らなくなるなどの障害は発生しないように思えます。
あと、見た目的にはバッグがフレームに近いので、前に突き出した感は薄くできます。とはいうものの、実物は写真で見るほどの差を感じません。
また、ワイヤーの取り回しが厳しめになるのが、若干のネガティブ要素ではあります。
普通のハンドルバーバッグを付けてみる。
写真のとおり、ベルトの長さに若干余裕があれば普通に取り付けられます。ただし、制限事項が1点。それは「ブレーキを、なるべく下向きにセットする必要がある」ということ。理由は言うまでもなく、ワイヤーに干渉するからです。
私はブレーキを水平気味にセットするのが好きなので、このタイプのフロントバッグは思いっきりワイヤーに干渉します。なので、手前側に装着しちゃいました。
ダンシングで膝がバッグに当たるかと思ったら、そうでもないです。さらにハンドルの手前にバッグがあるので、カメラをはじめ中身の取り出しやすさがすごくイイ!無茶苦茶イイ!もちろん、ワイヤーの取り回しに対する影響も皆無!想定外の良さです!
あれ? 無理してアタッチメント使わずに、これだけでよかったんじゃ…? と、思わなくもないですが、ハンドリングへの影響は避けられません。また、手前にセットした場合はギアの操作をするときも、意識しておかないとバッグに指が当たります。鬱陶しいです!
まとめ
DAHON K3にフロントバッグを付けるなら、メジャーブランドで構成できる「リクセン/Ternのステー + リクセン/オルトリーブのバッグ」の組み合わせがベストな選択肢でしょう。
ステーはリクセン&カウルよりも、Ternの「Luggage Truss 2.0」が個人的にはツボでした。リクセンのステー、ちょっと見た目のボリュームありすぎじゃないかなー。とはいえ、別に機能的な差はないはずなので、これは「在庫がある方を買う」で良いんじゃないかと思います。
あとは、豊富すぎるラインナップのカバンが選び放題!個人的ベストはオルトリーブの「アルティメイト6プラス」ですが、リクセン&カウルの「オールラウンダー XS/KT816」ぐらいコンパクトなバッグを装着するのもよさそう…って、いかんいかん!物欲退散!臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!ふう、危ないところだった…。
サードパーティ製品のブロンプトン用のカバンが付けられるアタッチメントも、装着に関しては実用レベルでした。耐久性は不明。とはいえブロンプトンとブロンプトン用のバッグを持っていたり、Backpack 14Lをどうしても装着したいなど、強い強い願いごとが僕たちを導いてくれたのであれば、選択肢として無くはないかも。
ただし、前方への突き出しがないぶん、ワイヤーの取り回しはTern/リクセンよりキツくなります。ベルクロでアタッチメントに沿うようにしてみましたが、それでもイマイチ。これはベルクロの取付位置を、ハンドルバーに変えたほうがよいかも。
そうそう、多くはいらっしゃらないと思いますが「オルトリーブのバッグも、ブロンプトン用のバッグも両方持っている」というケースの場合、答えはひとつです。「2種類の取り付けパーツを買って、両方使えるようにする」が、圧倒的で絶対的な正解になります。
どうですか、この「手持ちのアイテムを存分に活用して、少しの無駄もつくらない」という私の姿勢!これなら、嫁様に問い詰められたとしても、間違いなく納得させられますよね。
でも、よく考えてみたら、そもそもK3をポチってしまったことを嫁様にまだ話していませんでした。自転車に興味ナッシングな嫁様のことです。どうせブロンプトンとK3だって、見分けつかないですよ。だからバレたりするはずが(原稿はここで途切れている)
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