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バッグ製品レビュー

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)を2年使った感想:大きさ以外にも便利なところがあり、そこそこコンパクトにもできる

4.5
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オルトリーブのパニアバッグ「バックローラー・プロ」のレビュー記事です。現在では「バックローラーXL」に改名されている製品で(基本的な仕様は同じ)、同社製パニアバッグの中では最大サイズ・最大容量を誇るモデルです。しかし「大きさ」以外にも便利な特徴があります。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

image from amazon

2年間使ってみた感想

Amazonではなぜか長年にわたって 特殊な商品 のひとつとして扱われています。旅に出たいという衝動をコントロールできなくなる危険な製品だ、という判断なのか、それとも単に大きいサイズだからこのように記載されているのかは不明です。さておき、2年ほど使ってきました。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

デカい 特に奥行き方向に大きい

最大の特徴はなんといっても35Lx2(ペア70L)という大容量です。通常版のバックローラーシリーズが片側20Lなので、その1.5倍の容量になります。

しかし「どのように」大きいのか。これが面白く、高さもノーマル・バックローラーより3cmほどは増えるのですが、幅(奥行き・マチ)がもうネクストレベルの拡張加減で、ノーマル版よりなんと9cmも広いのです。下の写真でも、普通のバックローラーを使われている方はこれがどれだけ幅広か、感じ取れるかと思います。横への張り出しがすご〜い!

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

このため「形状が大きいモノ」を入れる時は、ものすごく便利です。

では「あまりモノを入れない時は使いにくいのか」というと、通常サイズのバックローラーにはない左右のコンプレッションベルトが良い仕事をしてくれて、かなりコンパクトにできるのでそうでもないと感じます。サイドのベルトを絞り、ロールトップの左右バックルを上で締結すれば、通常版バックローラーとほぼ同じサイズ感にもできます(高さは少し出ます)。

外のポケットがとても便利

これすごく便利だな、というバックローラー・プロならではの特徴があります。それはこの外ポケットです。ぱっと見た感じでは構造がわかりにくいのですが、バックルで軽く留めるメッシュポケットがあります。裏側もメッシュ。ここはウインドブレーカーやレインウェアを常時雑に突っ込んでおいたり、A4サイズの紙の資料を入れられるので大活躍しています。ワイヤーロックなどすぐ手に取りたいものを入れるのにも良いです。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

さらにこのメッシュポケット、バッグ本体に縫い付けられているのですが、ポケットと本体のあいだに「吹き抜け」のような空間があります。これがまた重宝します。テントやタープのポールといった長いものを一時的に運ぶ時に活躍します。下の写真は、エバニューというメーカーの125cm×50cm(5mm厚)のスリーピングマットを差し挟んだ状態です。ヘリノックスの折りたたみ椅子なども横にしてこんなふうに差し込んで運べます。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

他にも釣竿や角材のような形状のものを運びたい人にはありがたい機能ではないかと思います。オルトリーブのパニアバッグシリーズの中で同じようなことをできるのは、たぶんバックパックにも変身するVarioくらいではないかと思います(そう考えるとVarioもやっぱり面白そうだ)。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

どんなシーンで輝くバッグなのか

このバックローラー・プロは、どんな人におすすめできるか。またはどんな利用シーンで真価を発揮するバッグなのか。あるいは、どんなシーンには向いていないのか。

まず、前後でパニアバッグを4個使うような長期自転車旅行・大自転車旅行には当然向いています。それは間違いないですね。フロントにパニア2個、リアにもパニア2個。その時にリアの容量を増やしたかったら、このXLにする。さらに荷物を増やしたかったら、このパニアの上にトランクバッグを載せる。というのがごく正攻法の運用であろうと思います。

逆に個人的に「この使い方はあんまり気持ち良くないな」と思ったのは、一般的なパニアバッグ4個分相当の荷物を、このバックローラー・プロ2個に押し込んでリアパニアx2で運用すること。個人の好みですが、こうするとペダルを漕いでいて違和感がすごくて私はあまり気持ち良く感じないのです(なぜかハンドリングにものすごく悪い影響が出ると感じる)。

そのためバックローラー・プロが2個あれば、フロントパニアをやめてその分の荷物もリアで運べる! という期待をすると、それ自体は可能で、その運用が役立つ時もあるものの、やはり荷重をフロントパニアやフレームバッグ、ハンドルバーバッグなどに分散させたほうが走っていて断然楽しいです。

しかし特殊な運用として、輪行する時に旅先までこのパニアの中に他のより小さいフロントパニアなどをバッグインバッグのように入れておき、ライドスタートの時点でマトリョーシカ人形のように中身を取り出して展開し、自転車に取り付けていくというアイデアがあります。飛行機やフェリーなど、自転車を自分で運ばない輪行では特に使える手かなと思います。

普段使いとしてはどうか。このバッグをあえて普段使いする必要はないとは思いますが、世界旅行もスーパーの買い物も自転車通勤もこのパニアバッグだけで済ませたい、ずっとこれだけでいい、という場合でしたら、全然アリだと思います。

先にも軽く書きましたが、たたんだ時はかなりコンパクトになる印象で、特にサイドはノーマル版バックローラーよりもきれいに平たくたためるほどです。大きすぎて邪魔になるということは、そこまではないかなと思います。とはいえ、バッグ自体の重量は結構あります(片側で約1kg)。

ORTLIEB Back-Roller Pro (Back-Roller XL)

日本一周します、みたいな時は普通に良い選択肢になると思います。外側のポケットは特に便利に感じますし、重いものというよりは「容積を取る」タイプの荷物を多く運びたい方には良いのではないかと思います。長期大旅行でなくとも、荷物がとにかく多い数日間の自転車キャンプツーリングを楽しみたい、という時にも大いに活躍すると思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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