人は年齢を重ねるごとに能力が衰えていく。サイクリストも同じだ。俺は若く、そして強い… そんなふうに考えていたサイクリストが、ある日「高齢者の実力」を見せつけられ愕然とした、という体験談を海外掲示板で共有しています。
出典 Nothing like getting smoked by a 65 year old – Reddit
スレ主さんは次のように語っています。
昨日、「あなたよりも豊かで、調子が良い人が必ず存在する」という古い格言を思い知らされることになった。私は50代前半で、ひよっこではない。しかし自分の傲慢な鼻をへし折られてしまった。
9%の坂を登りながら(激坂ではないがそれなりの坂だ)、私は自分の脚がかなり強いと思っていた。だが、そんなことはなかったのだ。私は口数を減らすべき子供だ。
「おい、Aさん! 左側を通るよ!」という声が聞こえた。それは65歳になる隣人だった。誓ってもいいが、彼は私より13km/hも速く走ってきたはずで、頑張っているふうにさえ見えなかった。これは坂での話だ。
彼がサイクリストだということは知っていた。本当にカッコいいバイクを何台も持っている。彼は2年前に仕事を引退したので、バケーションを取っている時以外、彼はサイクリング三昧なのだ。
これに対してこんなコメントが寄せられています。
- 私は66歳だが、言わせてもらうとサイクリングクラブの若者たちを置いてきぼりにすることほど気分の良いものはない。わかってほしいが、意地悪な意味ではない。単に「老犬もまだ生きている」ということを彼らに示す必要があるのだよ
- 10歳年上ということは、集中したトレーニングを10年余分に積んでいることを意味するんだ。サイクリングはそれほど長期的なスポーツなのだ。30代でレースをはじめた人たちが、はやく45歳になってマスターズ・レースだけ走るのを楽しみにしていたのが、蓋を開けてみると競争相手は30年もハードなトレーニングを積んできた強者ばかりで、カテゴリー4の倍も手強いことを知る。あれは愉快だ
- 引退した人は乗ったりトレーニングする時間が山ほどあるからね。私は1週間でトレーニングしたい時間を確保するのが難しいけれど、私の父は問題なく時間を取れている
最初の「若者たちを置いてきぼりにすることほど気分の良いものはない」は、いわゆる「マウンティング」とは違うニュアンスで、投稿者もその点を強調しているのがおもしろいですね。「ひよっこ」を小バカにしているのではなく、「老いている人間をナメるもんじゃないぞハハハ」という気持ち良さがありますね。
他のコメントを読んでいると、20〜40歳代では仕事や子育てに追われるので十分なライド時間・トレーニング時間を確保できない、という悩みを持つ競技志向サイクリストは多いらしく、たっぷり乗って力を増していく高齢サイクリストはいいなぁ、という声が聞かれます。
少し話は逸れますが、私はハイキング中で似たような経験を何度もしました。激坂では、「ひよっこ」の私は体力と勢いにまかせて登っていき、高齢なハイカーの方々を抜いていきました。彼らは自分のペースで、ゆっくり慎重に登っていきます。
しかし私の足腰にはほどなくしてダメージが蓄積。やがてさきほど追い抜いた高齢ハイカーの方々が、驚くべきペースで私を抜いていきます(※競争しているのではありません)。基礎的な体力、効率的な身体操作のスキル、経験の違いを見せつけられ、うぉ〜、か、かなわねぇ! 俺には何かが足りない! とよく思いました。
休憩地点で言葉を交わすと「この後はだいぶ楽な道ですよ〜」とのこと。しかしその先もひどい道で私は無事死亡。彼らはあっという間に彼方の点に! 最寄り駅でようやく追いついたと思ったら、彼らは途中で私が寄らなかった神社を巡っていたとか。余裕が全然違います。
エンデュランス系スポーツやアクティビティは年齢を気にせずに楽しんで行けるのが良いですね。若い時から積み重ねてきた経験を確実に強みにできる、というのは気持ちの良い人生です。