歩行者も自転車も通行できる道、英語圏ではよく”shared-use path”や”multi-use path”と呼ばれるタイプの道を自転車で走っている時、歩行者に対してどのように自分の接近を知らせるのがベストなのだろうか、という質問投稿を海外掲示板で見かけました。個人的に共感できるコメントがあったのでご紹介します。
歩行者に後ろから接近していることをどうやって知らせれば良いのでしょう? 私は数年ランナーをやってきました。その時はあまり速くなかったのであまり問題にはならなかったのですが、同じトレイルでサイクリングもするようになってからは、接近を知らせようとすると歩行者をめっちゃビックリさせてしまいます。「左通ります!」と叫ぶと、無視されるか(そのほう良い)、予測できない方向に動いてくるので、むしろ衝突しやすくなります。自転車にはベルを付けていますが、叫ぶのと同じ結果になります。より良い結果を得るために皆さんがやっていることはありますか? 向こうもこっちのことはこれっぽっちも気にしていないのだから、こちらも彼らのことは気にしなければ良いのでしょうか?
出典 How do you alert people as you’re coming up behind them?
次のコメントが現時点で最多の179いいねが付いており、私も共感できる内容でした。
相対的に速い乗り物に乗っている者として、歩行者や子供などに遭遇した時、ライドを調整する責任があるのは自分のほうだと私は考えています。大声で呼びかけてもスレ主さんと同じような結果になるので、私は滅多にやりません。歩行者はサイクリストと同じくらい多様です。周囲のことをわかっている人もいるし、わかっていない人もいるし、配慮のある人もいるし、自己中なバカ野郎もいます。
私の考えでは、サイクリングできるようなマルチユースのトレイルは、その存在を支えたいと考えて納税してくれる大規模な有権者集団が必要となります。利用するのが自転車おたくだけだったとしたら、そういうトレイルは存在しないでしょう。全く気兼ねなくトレーニングライドできるような道が欲しい、とサイクリストが考えるとしたら、それは現実的ではないと思います。
そのため私は歩行者や犬を散歩させている人などに出くわした場合、安全にそばを通過できるように、必要であれば速度を落とします。時には彼らのペースまで速度を落として挨拶の言葉をかけないといけない時もあります。(…)
トレイルには必ず人がいることになるでしょう。だからそのことを受け入れて、そのことに自分の楽しみをスポイルさせないというマインドを持つようになりました。私は聖人ではなく、たまにびっくりするようなバカ連中(道のまんなかに5〜6人で立ってダベっていて私が近づいてくるのを見ながら1インチも動かないような連中)と乱暴な言葉を交わしたこともありますし、同じ理由でベルを鳴らしたことも何度かあります
もうひとつ、こちらも「そうなんだよなぁ」と思ったコメントです。
今となっては何をやっても無駄だよ。みんなイヤホンしてるんだから(134いいね)
日本の場合、歩行者とサイクリストが共同利用できる道の大部分が基本的に歩行者優先なので上と同じような議論はできないかもしれませんが、私自身はどんな状況でも「あなたはどう考えてもおかしいんじゃないですか」という考えや態度を(直接・間接を問わず)相手に伝えるのは、やらなくなりました。いろいろな理由がありますが、簡単に言うと上のコメントで黄色でハイライトした箇所、それが最大の理由です。楽しい時間にケチが付く、それがイヤになったのです。
マルチユース・パスどころか、イヤホンをしてスマホを眺めながら車道に入ってくる歩行者も当たり前にいるわけで、そうした人々とは、いかなる関わりを持つことも時間と労力の無駄で、関わってしまうとサイクリングの楽しみにケチが付いてしまいます。そのため、私はそういう人々にはひたすら近付かない、向こうが近付いてきたらこちらから離れる、というふうになりました。
相手が歩行者でも、クルマでもそうですが、相手を優先させることによってこちらが失う時間やモメンタムが仮にあったとしても、実は大したものではないと私は感じるので(トレーニングライドをする方にとっては苦痛かもしれないけど)、どうぞどうぞ、お先にどうぞ、となりました。
登山でも、自転車ツーリングでも同じです。楽しい時間・楽しい思い出にケチが付かないよう、相手が通過するのを待つか、進路が何かで渋滞していたら、それを自分で解消しようとはせず、こちらが別のルートを取ります。
そういうふうにするようになってから、サイクリング中にいやな思いをするようなことはほとんどなくなりました。