ロック製品レビュー

Hiplok Z LOK 日和見盗難の抑止グッズとしてはすごく良さそうなのに品質が残念すぎた【不良品の修理方法あり】

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Hiplok Z LOKという鍵のレビュー記事です。その気になればニッパーで簡単に切断できるくらいの強度で頼りない製品だ、という評価を多く見かけるのですが、コンビニなどでごく短時間停車する時、日和見的な盗難を抑止するのに良いのではないかと思い、導入してみました。

Z LOKの仕組み

Hiplok Z LOK

Z LOKはタイラップ(ジップタイ)のような発想の製品で、長さは40cm。重さは本体が実測で19g、キーが5gで合計24gでした。コンパクトなワイヤーロックでも50〜70gあったりしますから、重量面ではかなり優秀だと思います(写真下の左の製品で70g)。持った感じも非常に軽く、少しゴツいタイラップ、くらいの印象しかありません。

下の写真のイラストで、白い矢印で示したところ(Double Locking Mechanismというらしい)が薄い金属のツメになっていて、それが普段は内側に飛び出しています。タイを入れると、樹脂のギザギザとツメが噛み合ってロックされます。付属のキーを差し込むと、ツメが内側に押し戻されてタイを引き抜ける。というシンプルな仕組みです。

Hiplok Z LOK

下のようにキーを差し込むと、ツメが引っ込んで引き抜けるようになるわけです。このキーはユニバーサルタイプ、つまりどのZ LOKを買っても同じものが付いてきます。Z LOKのキーを持っている人なら誰でも他人のZ LOKを解錠できることになります。

Hiplok Z LOK

ジップタイの中にはスチールの芯が入っていて、ニッパーでは切断できるけれどもハサミでは難しい、という程度の耐久性になっています。

Hiplok Z LOK

ニッパーを持っている人であれば手のひらサイズのコンパクトなワイヤーロック(太さ3〜5mm程度)なら切断できてしまうので、割り切って更に軽量なこのZ LOKを使うのはありだな、と考えたのでした。盗難目的で常にZ LOKのユニバーサルキーを持ち歩いているような人は、日和見ではなく確信犯のプロなので、諦めます(というか、そういう人が出そうなところには停めない)。

何かおかしい

さて、Z LOKはどんなものかと机の上で動作確認をしていたのですが、何かおかしいことに気が付きました。下の写真の矢印で指してあるあたりを押し込むと、なんとキーを使わなくとも引き抜けてしまうのです!

Hiplok Z LOK

私が購入した2本セットのうち、片方は完全にスカスカ。どうやらツメが最初から内側に引っ込んでしまっているようでした。全然ひっかかりません。いわゆる「バカになっている」状態です。もう1本も、上下2つあるツメの片側だけ完全に引っ込んでいて、やはりループをグニャグニャさせるとズルズルと簡単にひっこ抜けてしまいます。こ、これはひどい…

ここでAmazonのレビューを熟読。すると、同じような症状が国内外のユーザーから複数報告されていました。よくある初期不良のようです。

ガッカリしましたが、軽いし、形状もいいし、ちゃんと使えたら良いものに思えるんだけどなぁ、ということで、Amazonでは返品ではなく新品交換を申し込みました。

当たり外れが大きい?

というわけで後日、新しいZ LOKの2本セットが届きました。すると2本のうち1本は、ツメの「ひっかかり」が同じものとは思えないほどしっかりしていて、ループを引っ張っても全然抜けません。もう1本のほうは、やはりツメの片側だけひっこんでいて、コツをつかめばなんとか固定できましたが、まぁ控えめに言って不良品でした。

再度新品交換してもらうことも考えましたが、この調子だと2本ともA級品が届く保証はないように思いましたし、何ならまた2本とも不良品が送られてくる可能性も十分ありそうなので、このまま使い続けることにしました。

長さは40cmでもう少し長いほうが良かったかな、とも思ったのですが、中途半端に長くして重くなるよりもこれでいいのか、とも思いました(フレームとホイールを共締めする意味も、地球ロックする意味もほとんどないのだから)。

盗むのはやめとこうね、すぐに戻りますからね、というメッセージになればそれで良いです。そういうものとしては、便利に使えると思いました。

さて、ある日リアキャリアに不良品に近いほうの1本を、下のように巻いた状態で走っていました。すると振動でズルズルと勝手に抜けてきていたのか、バチン!という音がして道路に吹っ飛んでいきました。なんとか回収してまだ使えていますが、いやー、当たり外れが激しい…

この製品は、私は他人にはおすすめしません。贈り物とかにしたら、ガッカリされるかもしれません。しかしクセを理解して自分で使う分には、まあまあアリかな、という感じです。使いやすいし、軽いし邪魔にならないしカッコいいし、簡単に抜けることがなければ良いものだと思います。結構気に入っています。好みです。

設計不良というか、製造と検品が良くないのかなぁという気がします。金属のツメだけ十分に出ていて丈夫だったらもっと良い製品なのに、と残念です。自分で使う分には星3つ。しかし今回入手した2セットの公平な評価としては星2が妥当かなと思いました。不良ロットでなければ星3.5。

購入する時は、お店ならその場でツメがバカになっていないかを確認して、通販で買う時はAmazonのように返品がスムーズなところを利用するのが良いと思います(出荷元がAmazonになっているものを選ぶ)。到着後はパッケージを捨てず、問題のない個体かどうか、すぐに動作確認したほうが良いでしょう。

追記:不良品を自分で修理する方法

Z LOKの不良品(ツメが引っ込んでいる個体)を自分で修理できないか試してみたところ、うまくいきました。要するにツメを引き出せれば良いのですから、安全ピンを差し込んでグリグリと下方へ押してみたところ、相当良くなりました。困っている方はお試しください。

▼ 私が購入したのは「Z LOK Twin Pack」というもので、ロック本体2個のほか、キーも2個付いてきました(かなりお得)。でも万一の新品交換のことを考えると、1本単位で買ったほうが面倒がなくていいのかなという気もします。

▼ 1本単位ならオレンジやシアンなどブラック以外のカラーも買えるようです。

▼ 2本セットの場合、キーが1個だけというパターンもあるようです。下の2本セットは付属するキーが1個だけ。

▼ キーではなくダイヤルで解錠する「COMBO」というタイプのバリエーションもあります。最初はこちらを買おうと考えていたのですが(キーを失くしたら面倒だから)、レビューを読むとダイヤルの品質に問題のある個体があるようだったので、結局やめたのでした。Hiplokは全体的に品質にムラがあるのでしょうか? 製品自体は魅力があって好みなので、改善されたら良いですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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