MKS(三ヶ島ペタル)の折りたたみペダル「FD-7」のレビューです。かなり昔(数十年前)からある有名な製品で、筆者も過去に何個か所有・使用していたことがあります。
今回折りたたみ自転車のDahon K3で使ってみようと思い、久しぶりに購入してみたので使用感をレポートしてみます(Amazonのセールで安く買えたのでラッキー。過去1年の実勢価格は¥4400〜¥4700ほど)。
ワンプッシュでペダルが半分に
FD-7の最大の特徴は工具不要、ボタンのワンプッシュでペダルのケージ部分のサイズを半分くらいまで持っていけるところです。
ボタンはスプリングが入っている感じで、特に大きい力も必要なく、ストレスなく操作できます。適度な反発感が気持ち良いボタン。
ケージがこんなふうに倒れていき…(実際はボタンを奥まで押し込むとケージが勝手に倒れてくれます)
パタン、とこれくらいペダルが小さくなる、という製品です。
戻す時はケージを持ち上げるだけ。ガチャッ、と勝手に戻ってくれます。パタン、ガチャッ、パタン、ガチャッ、パタン、ガチャッ… 気持ちいいのでしばらく無駄に遊んでしまいました。
サイズは極端に小さくはならない
折りたたんだFD-7を自転車の後方から見た様子です。多くの方の感想は、そして私自身もむかし使っていた時はそのように思ったのですが、「ものすご〜く小さくはならない」というものです。突起の部分の長さは、実測でクランク面から53mm。
この「めっちゃ小さくはならない」ところに「ややガッカリ」する方も少なくないようです。私も昔、やや不満に感じたことがありました。もう少し小さくなったら最高なのになぁ、と。省スペース性能という意味では、ブロンプトンの左ペダルに負けています(こちらは折りたたみ時の突起が25mmくらい。ただしめっちゃ重い)。
しかしこれでも輪行は明らかに楽になります。ペダルのサイズが半分くらいになるだけで、輪行袋がパツパツになるのを防げます。自転車を室内保管しておく時も、脚が当たったりしにくくなりますから、ストレスが減ります。
折りたたみ自転車の気持ち良さを最後まで
輪行時にペダルの面積をもっと小さくしたい、しかもツールなしでそれをやりたい、という場合は、やはりMKSのEzy Superior(工具なしでペダル本体を取り外せるシステム)対応のペダルを使うのが最適解かなと思います。
700Cホイールのロードバイクの輪行であれば、どのみちホイールを外したり丁寧にパッキングしたりと、じっくり作業することになるので、Ezy Superiorタイプを使うなり、通常のペダルを使うなりすれば良いかもしれません。
▼ MKSのEzy Superior対応ペダル(Ezy “Superior”ではなくただのEzyだと工具が必要になるので要注意)。
しかし折りたたみ自転車をパチンパチンとたたんでいく過程で、ペダルもまたパチン、と工具なしでたためると、気軽さ・簡単さという折りたたみ自転車の魅力が、最後までスポイルされない感じがあります。
今回久しぶりにFD-7を使ってみて思ったのは、ペダルの省サイズ化は「まずまず」というレベルかもしれないけれども、折りたたみ自転車の「簡単にたたんでいける魅力」をスポイルしない、という点に着目すると、やはり使っていて気持ちの良い製品だなぁという印象を持ちました。
実測重量は片側246gで、左右ともにピッタリ同じ。こういう機構なので決して軽量ではありません。しかしプラットフォーム自体は剛性十分で、立ちこぎをしてもたわみを感じたりすることも全くなし。回転のスムーズさもさすがMKSといった感じです。
人によっては中途半端という評価にもなるかもしれませんが、使っていて楽しいですし、いい妥協点を探った製品ではないかと思います。