Zefalの”Z Adventure Cage”のレビューです。ありそうでなかなかない「細身のエニーケージ」という感じで、サイズ可変式のボトルケージとしても使える製品です。下の写真はミニベロのトップチューブに設置した様子ですが、こうやって見てもエニーケージ系製品としては横幅が狭いのが伝わるのではないでしょうか。横幅はちょうど8cmです。
頻繁な取り出しには向かないが…
ボトルやその他袋モノの固定には、付属のベルクロストラップを使います。このストラップは幅4cm・全長約41cmで、ループをいちばん広くした時の内径は大体10〜11cmくらいという感じです。運ぶ対象によっては微妙に短いと感じることもあるかもしれませんが、その時は自前の荷締めベルトを用意して対応すると良いでしょう。
500mlの小さいペットボトルからデコボコした形状の折り畳みの椅子まで、何でも運べます。しかしライド中によく手に取りたいドリンクなどを運ぶのには全く向かないと思います。ベルクロがガッシリ固定してくれるので、アイテムのこまめな脱着には向かないのです。A地点からB地点への荷物の運搬用、と考えるのが良さそうです。
ナルゲンの1.5Lボトルを入れた様子です。何の問題もなくホールドしてくれます。このボトルは直径9cmあります。これはDahon K3という小径車で使った時の写真で、この時はボトルの上の部分がフレームのヒンジの上にちょうど当たる感じでやや心配だったのですが、走行中にノイズも出ず安定感もあって良かったです。
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Nalgen 1L(32oz) ボトルを基準に考えて作った?
ケージの縦の長さは外側で約22cmで、そのうちモノをのせるボトムから先端までが約21.5cm。写真下のナルゲンの1Lボトルが実測で21.5cm(!)なので、Z Adventure CageはこのNalgene 1L(32oz)をサイズ的な基準として設計したのかな、という印象を受けます。なんか収まりが良くてピッタリに見えるでしょ!?
3ボルトですが2穴のボトルケージの位置で使っても全く問題ないわけです。ベルクロを通す穴は3カ所あり、荷物の高さによって選べます。
こちらはヘリノックスの折りたたみ椅子、グラウンドチェアを運んでいた時の写真です。これも付属のストラップで固定できる大きさでした。こんなふうにミニベロで使う方は少ないかもしれませんが、トップチューブにダボ穴がある方ならスペースを有効活用できます。
おすすめできる用途として思い付くものを列挙すると、
- ロードバイクなどのダウンチューブ・シートチューブのボトルケージとして使い、Nalgeneのような大サイズのボトルを運ぶ
- (同)1.5L以上の水のペットボトルなどを運ぶ
- (同)ダウンチューブの下側に取り付けて飲料や長いツール缶を運ぶ
- フォークにマウントして細身のドライバッグ・細身の寝袋・テント・折りたたみ椅子などを運ぶ
などが考えられます。
逆にあまりおすすめできない用途は、前半で書いたように頻繁に飲みたいドリンクなどを運ぶこと。その場合は下のAdeptのオールパーパスケージのように、径をダイヤルでカリカリと調整できるタイプの製品のほうが良いと思います。これならライド中も、停車したほうが良いとは思いますが、ドリンクを取り出して飲むのは比較的やりやすいです。
Z Adventure Cageの他の大きい長所としては、(ボトルケージとして考えた場合)ベルクロのベルトで締めるだけなので、プラリングで固定するタイプの製品に比べるとボトルに比較的傷が付きにくいところでしょうか。サーモスのボトルとの相性も良いです(しかしどんなケージで運んでもボトル類は少しづつ傷が付いていくものなのであまり深く考えないほうが良いかも)。
他社にはなかなかない大きさを狙っている感じがあり、デザインもミニマルで様々な車体と合わせやすいです。良いものだと思います。