ROCKBROSの「トロフィー型」と形容されている自転車用ベルのレビュー記事です。同社のベルではCANYON製品に似ている主にドロハン用のバーエンド装着型のほうが人気なのですが、今回私はフラットバー用のベルを新たに探していて、この製品に至りました。結果、買って良かったとても良いベルだと思いましたので、ご紹介します。
この「トロフィー型」ベルには現在4つのバリエーションがあるようです。打ち子(ハンマー)が「キツツキのかたちをしているもの」と「そうでないもの」があり、それぞれブラックとチタンカラーが用意されています。キツツキ型は「音を鳴らしやすいアップグレード版」という位置付けのようです。この記事でご紹介するのは、キツツキ型のチタンカラーバージョンです。
まずデザインが良いですね。このキツツキ型のハンマーが可愛かったので、迷わずこのタイプにしました。カラーは今回フルブラックだと少し面白味に欠けるかなと思い、チタンカラーを選択しました(素材はチタンではないと思います)。
スペーサー類、付属品込みの写真です。22-31.8mmまでのハンドルに対応。筆者はミニベロ・Dahon K3(関連記事一覧)の細いハンドルで使います。
Dahon K3のハンドルに装着した様子です。ブレーキレバーの真隣は、親指がちょうど届きやすい位置でした。取り付けにあたって問題はゼロ。モノとしての質感も合格です。
さて、このベルを主に何の目的で使うかというと、林道サイクリングでの熊対策としてです。熊よけ的なベルはむしろ鳴らさないほうが良い・ベルの音がすると人間を餌として認識している熊が寄ってくる、という考え方もあるようですが、筆者はブラインドコーナーを曲がったところでクマと出会い頭に遭遇する、というパターンが個人的にはいちばん怖いように感じています。
笹などで覆われた先の様子がよくわからない急カーブが近くなったら、ベルを鳴らす。そういうことが増えました。散歩者もハイカーも誰一人いない廃道寸前の林道を走ることが多いので、うるさいと思われることもないでしょう。栗などを食んでいるクマの親子がカーブの先にいたら、少しだけ早くこちらの存在を察知してくれるかもしれない。そういう期待を持ってベルを鳴らします。
これまでK3では主にキャットアイの真鍮製ベルを使っていました(写真下)。これはアタック(打撃瞬間の音量)が大きく、ピッチ(音高)が高く音の減衰は早い、という傾向の音色なのですが(※主観)、筆者がよく走る深山の林道では絶対的な音量が少し足りないかな、という気がしていたのです。そこでよりボディの大きいROCKBROSのこのベルに買い替えることになったのです。
キャットアイのこのベルは、これはこれでミニマルで役に立つものです。ただしハンマー部は頻回に使う場合、やや華奢に感じられます。シティ用という印象が強いです。
このキツツキ型のハンマーは指を当てやすくバネにも程良い抵抗があり、とても打ちやすいです。気になる音色はどうか。Knog Oi Luxeを持っている方向けに説明すると、それの中域(ミッド)を持ち上げて太くしたような音色。Oi Luxeの上品さはやや失われてしまうものの、耳障りでもない、野太い感じの音色。
エレキギターで言うとKnog Oi LuxeがストラトキャスターならROCKBROSはレスポール。シラーズの庶民向けテーブルワインに喩えるとOi Luxeは後味スッキリのGeorge Wyndham、ROCKBROSは安定のJacobs Creek。そういう感じです(どういう感じだ)。おわかりいただけただろうか…
中域が強く出ている、太めの音なんです。サステインも長い。そして音量もでかいので、林道サイクリングをより安心して楽しめるようになりました(※より油断できるという意味ではありません。ベルを鳴らしつつも、前方や周囲の状況をよく観察しながら走っています)。同じような目的で使いたい方には、かなりおすすめできる良品だと思います。
今年はかつてないほど自転車のベルを積極的に鳴らしています。その存在理由が疑問視されることも多い、日本では人間向けには基本的に使ってはいけないことになっている自転車のベルが、まさかこんな活躍の仕方をすることになるとは思ってもいませんでした。それはさておき、ROCKBROSのこのベル、頼りになる良いモノです。遭難時のSOS発信としても活躍するかも。
価格は通常¥1,850ですが、セール中は¥1,480になることが多いようです。本記事時点でもAmazon Black Fridayセールで安くなっているので、気になった方はこの機会に是非どうぞ。
▼ 上の2つがキツツキタイプです















