パニアバッグを使う自転車ツーリングをはじめて、今年で5年目になりました。その間パニアバッグは10製品くらい、リアラックは5製品くらい使ってきたのですが、この記事では「これから自転車ツーリングをはじめたい」という方に、私だったらこれを推すだろう、というラックをご紹介したいと思います。
どんなパニアバッグでも安定して使えているのはこれ
TOPEAKの「スーパーツーリストDX」という製品です(ディスクブレーキ対応型)。700Cのスチールロードバイクなどで使えます(29er MTBならUNI SUPER TOURIST DXというモデルが使えます)。
このラックの良いところは、
- 取り付け・調整がすごく簡単で多くの金属系バイクに対応するところ(シートステイに取り付ける金具も手で曲げやすい)
- どんなパニアバッグでもとにかく安定して使えるところ
です。TOPEAKの製品群に共通のコンセプトかもしれませんが、「とにかく幅広いユーザーに無難に対応する最大公約数的な製品」という印象です。何か突出して秀でているところはないかもしれないけれど、トラブルも少なく安心して使える、という感じの製品だなと思います。
「どんなパニアバッグでも安定して使える」という点については、次のチャプターで詳しく触れます。
短所があるとしたら、少し重いところ。実測で856gあります。これは天板が「MTX QuickTrack」というTOPEAK独自のマウントシステムに対応しているためで、MTXを使う人にとっては長所ですが、使わない人には余分な重量増になっているところでしょうか。
また、こういう大きさですから電車での輪行は困難です(取り外せば不可能ではないものの、手間とパッキングに工夫が必要で輪行初心者向きではありません)。
バッグがオルトリーブなら軽量コンパクトなラックでも
さて、世の中にはより軽量でコンパクトなラックも存在します。私もTOPEAKのより軽量なExplorerという製品や、ドイツTubus社のFly Classicなどを持っていて、それらもよく使っています。やはり軽いほうが嬉しいですし、輪行も現実的になってくるからです。
そして最近思うようになったのですが、オルトリーブのような背面のパネルの剛性が高くてしっかりしているパニアバッグであれば、こういう軽量コンパクトなラックでも全然問題ないけれど、そうでないパニアバッグだと問題が起きることが多いなぁ、ということです。
パニアバッグの定番といえば防水性も剛性も高くて引き裂きにも強い、丈夫なオルトリーブ製品。しかし世の中にはオルトリーブほど丈夫でなく、パネルも薄めでペラペラとした感じのパニアバッグもいろいろあります(でも軽量だったり、デザイン性が高かったりします)。
そういうバッグを載せる時は、スーパーツーリストDXのようにフレームが広いほうが便利です(下の写真の丸で囲った部分のような形状。バッグ背面をより「面」で支えられます)。
またオルトリーブのQL2.1のようなフックを持たない、ベルクロストラップでラックに取り付けるタイプのバッグも、スーパーツーリストDXにはどれも楽に取り付けられました。多分どんなバッグでも使えるんじゃないかなぁ、と想像します。Tubus Flyなどは、軽量で愛用している製品なのですが、使えないバッグ・使いにくいバッグが出てきます。
軽量コンパクトなラックは、ある意味、少し「経験者向き」というところはあると思います(オルトリーブのパニアを使うのであればどれでも大きい問題が出ることはないとは思いますけれども)。
軽量なバッグも同様に、本当はパッキングのスキルが必要だったり、引き裂き事故に気をつけて運用する必要があるとは思いますが、2〜3泊のライトな舗装路ツーリングであれば必ずしもオルトリーブほど頑丈なバッグではなくても良い、ということもあるでしょう。カッコいい・可愛いパニアバッグもいろいろありますしね。こういうものを使うのも楽しいですよね。
TOPEAKスーパーツーリストDXはこれからはじめてパニアバッグを使う、という人でも安心して使えると思います。必ずしもスーパーツーリストDXでなくとも、こういう幅広形状のものは守備範囲が広いと思います。