「心の絆でポチッをつなげっ!」を合言葉に、
大会に臨むnadokazuです。
え?沼津でアイドル活動じゃなくて、
日光でアイスホッケーなの?
というわけで、本日の駄文はこちら!
結論です!
電動ポンプの会社だと思っていたCYCPLUSさんですが、実はスマートトレーナーもラインナップされていました。
「どうせ安いだけの、それなりスマトレでしょ!」とか舐めたことを思っていたら、普通に高性能・高機能。愛用していたトラディショナルブランドのフラッグシップモデル(購入当時)とだって、がっぷり四つでわたり合えるスペックだと感じたし、なんなら一部の機能や装備では勝っています。
それでいて、価格はトラディショナルブランドのスペック的に競合するモデルとは大差があるうえ、ふつうは別売オプションになっているような周辺機材が標準付属!いや、これコスパ良すぎません?
これからスマートトレーナーを購入するなら、電動ポンプ同様にCYCPLUSが最適解なのでは…?
本稿も全力で忖度マシマシです!
執筆にあたっては、CYCPLUS様より「CYCPLUS T3」の無償提供を受けています。ですが前回同様、別に「提灯記事を書け!ひざまづいて靴を舐めろ!」といったことは、一切言われておりません。自分が勝手な動機で、勝手なことを、勝手に書きました。
でもまぁ、スマートトレーナーみたいな超高額機材のタダもらいなんて、札束で頬を張り倒されているようなものです。私は満面の笑みを浮かべながら(ニチャア…)忠実な飼い犬として全力で媚びを売り、尻尾を振り、忖度することをここに宣言いたします。キャウーン!
もしかするとCYCPLUSの中の方は「こんなのに声かけるんじゃなかった…失敗した…」と、頭を抱えているのでは? などと思わないこともないですが、もうT3ちゃんはうちの子です。返しません!
というわけで、本稿も極めて偏向した視点に基づき、忖度マシマシてんこ盛りで記述いたしますので、予めご了承ください(土下座2回目)。
スマートトレーナーを買って、引き籠もろう!
灼熱の日差しがようやく弱まったと思ったら、狙いすましたように週末は雨予報。ようやく晴れ間が見えたと思ったら、途端に寒さに震えている今日この頃。自転車が気持ちのいい季節、短すぎませんか?あと春と秋は、すべての晴れた日を国民の休日にすべきですよね。
それはさておき、もうすぐ外ライドがとてもツラい季節がやってきます。そう、冬です。冬の寒さには、どれほど高性能な防寒ウェアを着用したって太刀打ちできません。そして走り出して汗をかき始めると、今度は防寒性能が思いっきり裏目に出てしまう。どう足掻いても、寒さに苦しめられる地獄。それが、冬という季節です。
時には生命を危険に晒す、冬の寒さ。その苦しみから逃れるには「家から出ない」ことが、唯一の選択肢になります。つまりスマートトレーナーは、最高の防寒用品でもあるのですね。
▼ 参考記事
「ダイレクトドライブ式」で「仮想フライホイール」のモデルがいいんでない?
そんなわけで本稿をお読みのあなたがスマートトレーナーを購入することは、今この瞬間に確定いたしました。ブラウザでAmazonを開いて、さっそくポチりましょう!
スマートトレーナーにはいろんな方式がありますが、「ダイレクトドライブ式」で「仮想フライホイールのモデル」がオススメだと個人的には考えます。フローチャートにすると、こんな感じ。
「タイヤドライブ式」と「ダイレクトドライブ式」どっちを選ぶ?
スマートトレーナーは自転車をそのまま乗せて、タイヤを介して駆動する「タイヤドライブ式」と、ホイールを取り外して車体を直接装着する「ダイレクトドライブ式」、あとは一体型のスマートバイクに大別されます。スマートバイクはCYCPLUSさんから販売されていないので、忖度して言及しません。
駆動にタイヤを介する「タイヤドライブ式」のトレーナーの方が実走に環境が近いぶん「走行感のリアリティ」という点では、おそらく上でしょう。またトレーナー使用時と実走時に、いちいちホイールを外して載せ替える手間がないという運用上の利点もあります。
だがしかし!「ダイレクトドライブ式」のスマートトレーナーにはタイヤドライブ式のトレーナーにはない、メリットが満載です。
- タイヤが消耗しない
- ホイールが消耗しない
- タイヤとトレーナーの接触による駆動音が発生しない
- トレーナーの負荷を直接駆動系に伝えられる
- リアホイールを回転させるスペースが必要ない
ざっと並べてみましたが、逆に考えると「タイヤドライブ式」のトレーナーには、これだけのデメリットがあるということ。各社のラインナップを見てみても、これからスマートトレーナーを購入するなら「ダイレクトドライブ式」を選ばない理由はないように思えます。
負荷装置による違いはこんな感じ。
「ダイレクトドライブ式」のスマートトレーナーは、負荷装置の方式が「物理フライホイール」と「仮想フライホイール」に大別されます。
物理フライホイールによる負荷装置
主にベルトドライブを介してフライホイールを回転させて、ブラシレスモーターにより負荷を制御する方式です。CYCPLUSのモデルだと「CYCPLUS T1」が、この方式を採用しています。
「フライホイールという重量物を回転させることによって発生した慣性も利用するため、自然な走行フィールが得られる」というのが、物理フライホイールによる負荷装置の一般的に言われている特長。
ただしCYCPLUSさんによると、
「ベルトドライブの主な課題は、温度の変化や使用時間の経過に伴い、ベルトの性能が変化し、それが出力精度に影響を与える可能性がある点です。特に、1%の出力精度を求める場合、ベルトドライブではその基準を満たすことが難しいと言えます。」
とのこと。
なるほど。自分みたいにシビアな精度を求めないバーチャルゆるポタ勢なら、価格優先でCYCPLUS T1を選んじゃうという選択もアリですな。
仮想フライホイールによる負荷装置
負荷装置であるブラシレスモーターがスプロケ軸に直結されていて、ペダリングからの入力に直接負荷をかける方式です。回転軸に対してベルトドライブなど他の駆動装置を介さず負荷をかけられるため精度の高い負荷制御が可能になります。CYCPLUSのモデルだと、「T3」「T2」がこの方式。
機器構成がシンプルになるので、ボディ構造もよりシンプルに。また可動部が少なくなるので、騒音の発生源となる部位の数も減少します(ただし実際の駆動音は負荷方式以外の影響も多く受けるので、一概に「物理フライホイールより仮想フライホイールの方が静か」ということではないことに留意が必要)。
制御にフライホイールの慣性を使えない分だけ、より強力なブラシレスモーターを必要とすることが大きなコストアップ要因のひとつ。なので仮想フライホイールを使ったモデルは、物理フライホイールを使うモデルより高額であることが多いです。
そのせいか「物理フライホイール」「仮想フライホイール」の両方をラインナップするブランドでは、「仮想フライホイールによる負荷制御」を搭載したモデルの方がフラッグシップ機になっているケースが多いです。例外はあるかもですが。
※負荷方式についての記述は、素人がググったりAIに調べさせただけの情報をもとに記載すると意図せずニセ情報を提供しちゃう不安が極大なので、CYCPLUSさんに教えを請うています。
CYCPLUS T3を箱から出してみた。
前置きがダラダラと長くなりましたが、到着したCYCPLUS T3を箱から出してみましょう!
外装箱は普通の段ボールで、化粧っ気は皆無。とはいえこんな巨大な物体を保管しておくスペースはないので、どうせ開封したら捨てちゃいます。ここを豪華にする必要はゼロですから、妥当な仕様でしょう。
開封すると、まずは最上部に防振マットが折り畳まれた状態で収納されています。買うと地味に高いマットが標準で付属するのは嬉しいですねぇ。あと運搬中には、制振材/本体の保護材としても機能してくれそう。
マットと固定用の発泡スチロールをどかすと、CYCPLUS T3本体がビニールに包まれて登場します。この状態で持ち上げると腰が崩壊すると思うので、本体を押さえつつ縦に立たせて、横に引き出して行くようにして取り出すのが良いかと。
倒さないように気を遣いつつ、想像を超える重さのCYCPLUS T3を箱から取り出しました。ふう。
ここは完全に個人の感覚でしかないですが、トラディショナルブランドのフラッグシップモデル(購入当時)を使い続けてきた目で見ても、特に安っぽさを感じることはなかったです。むしろ「いいモノを所有している!」という満足感のほうが大きいんじゃないかなー。
CYCPLUS T3を実際に使ってみた。
腕と腰に大ダメージを受けながら、自転車を設置している部屋まで移動してセッティング。「CYCPLUS T3」を、実際に使ってみました。執筆時の走行距離は約400kmで、主にZWIFTを使ってダラダラと走り回っています。
制御アルゴリズムの完成度は高そう。
坂になったらペダルが重くなるし、斜度が緩くなったり平坦になれば軽くなる。アップダウンが連続するエリアでも、画面と負荷の追従は極めて自然です。踏み込みの重さとパワー表示にも、違和感を感じませんでした。ごくごく普通に、ごくごく快適なバーチャルライドを楽しめます。
何年か前に、とあるメーカーのフラッグシップモデル(当時)を店頭で試したときは「斜度に応じた負荷のかかり方の変化が急過ぎない?」と感じることもあったのですが、その辺のチューニングはきっちり詰められている様子。
またAmazonで割と安価なスマートトレーナーのレビューを見ていたら「負荷が急に重くなる」とか「負荷のかかり方が不安定」といったことが書かれていましたが、CYCPLUS T3をしばらく使っていた限りでは「スマートトレーナーで、そんな体験することあるの?」という完全な他人事でした。
CYCPLUS社には4年間の開発実績があるとのことで、制御アルゴリズムの完成度は「普通に高い」と言えるのではないかと思われます。
安定感は抜群、フットパッドは柔らかめ。
4本の脚がガバッと広がり、安定感は抜群です。前から見ると展開された脚の広さと、薄型の本体との差が際立ちます。
接地面のフットパッドは柔らかめの素材が採用されていて、車体を左右に振るとそれなりに傾きます。
とはいえフニャフニャ感は無く、意図して左右に振ろうとしない限りは普通に安定しています。ガチガチに固いわけでも、ヤワヤワでもない。荷重をしなやかに受け止めてくれる感じで、いい感じにチューニングされていると言えるのではないでしょうか。
というわけで、400km走ってみましたがトレーナーとしての性能に不満を感じることはありませんでした。性能に不足があるとしたら、乗っている自分の方ですね。ええ(泣)。
CYCPLUS T3の使い勝手は?
筐体デザインはスッキリシンプル。
展開する4本の脚が付いている以外は「円形の装飾が入った黒い板」といった感じ。ここまでシンプルなデザインを貫き通しているスマートトレーナーは、他に類を見ないのでは。いろいろモールドが入っていたり、複雑な造形をしていたりするメカメカしいデザインの機器は大好物ですが、こんなシンプル極まったデザインの機器もたいへんよいものです。
上部はハンドル形状になっていて、持ち運びしやすさへの配慮を感じました。またフロント側を斜めにカットする処理がされていて、そこに赤、青、緑の3つのインジケーターが配置されています。
着座位置で下を向いて脚の間から後ろを見ると、インジケーターの点灯/点滅が無理のない姿勢で確認できます。こういうちゃんと意味があるデザインって、シビれますねぇ。
動作音を測定してみた。
機材の前後と左側がコンクリの壁という、思いっきり音が反響しやすい環境。なおかつ、測定は無料のiPhoneアプリという動作音計測には不利にしか働かない条件(忖度どこ行った?)での雑な測定ですが、結果は「出力100w前後で、70db程度」という感じでした。
いくら静音性に優位な方式とはいえ、無音では決してありません。
ギアチェンジすると、一瞬だけ80〜90dbになるので「普通に漕いでるぶんには、ギアチェンジする音の方が大きい」。また廊下を隔てて数メートル先のリビングにいる嫁様からは、「廊下の扉を閉めればテレビを見ていても音は気にならない」と言われています。
フットプリントが広めだけど、実は省スペース!
4方向に展開する脚は、特に後ろ方向でガバッと大きく開きます。フットプリントは、それなりに広くなります。
なんですが前述のとおり本体は薄い縦型デザインなので、開いた脚の間はガラ空きです。「デッドスペースになっちゃう領域が、驚くほど少ない!」ということに、設置してみて初めて気付きました。たとえば本体後部も、後脚が広がる場所以外はオールフリーもいいところ。
CYCPLUS T3なら棚に収まりきらなくなった映像ディスクや書籍、玩具類を、トレーナーの真後ろに積み上げられます(電源アダプタのケーブルを無理に曲げたり、吸排気口を塞がないよう要注意)。
私が住むのは、猫の額どころか雀の額ほどに狭い日本的集合住宅。最小面積でバーチャルライド環境を作ることが求められる自分にとって、この省スペース性は実にありがたいです。
持ち運びは超ツラい!!
CYCPLUS T3、むっちゃ重いです!公開されているスペックシートによると、本体重量は約20kg。普段はスマートトレーナーをしまっておいて、毎週末ごとにその都度セッティングするという運用だと設置作業がハイパーストレスになりそう。
とはいえ本体重量は、設置時の安定性とトレードオフ。「重い=悪」ではない、というのは間違いないので、この際ですから常設環境にしちゃうのが吉かと。
マニュアルは英語!
付属してきたマニュアルは、ぜんぶ英語で書かれています。終わった…ちゃんとセッティングできないかも…と、絶望しましたが、図版を見ていたら大体理解できてひと安心。
中学1年生に劣る英語力しか持ち合わせていませんが、問題無くセッティング可能でした。
使ってわかった!CYCPLUS T3のストロングポイント(スペック表見ればわかるだろ!というツッコミ不可)
AC電源なしでもZWIFTできる!
そりゃブラシレスモーター直結タイプなら、自己発電で負荷はかけられるでしょう。でも供給電圧が上下しまくって、PCやスマホやタブレットとの通信は安定しないんじゃ…。とか思っていたのですが、普通に電源なしでZWIFTできちゃいました。
スマホやタブレットやノートPCを使えば、屋外無電源環境でも負荷連動ありでZWIFTが可能。つまり公園や河川敷などでも、バーチャルライド環境の構築が実現するということ。
誰もいない深夜の鶴見川CR…ひたすらペダルを回すシルエットと荒い呼吸音。スマホ画面の明かりに照らされたのは、汗だくになっているキモい男の顔…。
うん、これ即座に不審者として通報されますね!
ちなみに電源供給がない状態だと、ダウンヒル時にペダルを止めるとブラシレスモーターの回転が止まって、トレーナーの挙動としてはブレーキがかかったような印象を受けます。あと、基板を冷却するファンも駆動しないはずなので電子機器へのダメージが心配。「電源供給なしでも駆動する」というのは公式スペックとして記載されている機能なので、問題は無いと思いますが。
ミニベロでも使える!
本体が薄型で前方向へのハミ出しも少ないので、Tyell FX(ホイールサイズ:20インチ406)を取り付けても干渉箇所なしでした。フレーム形状やブレーキ位置での制限はあると思いますが、CYCPLUS T3はミニベロでも使えちゃう可能性大です。
ただしCYCPLUS T3にスプロケ軸の高さを調整する機構は無いので、フロントタイヤの下に何か敷くなど前後の傾き調整だけは必要になるでしょう。
左右のペダリングバランスが計測できる!
CYCPLUS T3には、左右のペダリングバランスを計測する機能があります。専用アプリで左右の割合がほぼリアルタイムで表示され、自分のペダリングにどれぐらいの偏りがあるかを知ることが可能です。
たとえば左脚の力を抜いて右脚だけで踏み込んでみると、思いっきり右側の割合が高くなります。逆もまた然りで、左右の判別精度は普通に高い印象。
いったいどんなアルゴリズムを使えばこんなことができるの?と思ってCYCPLUSさんに質問してみたところ、本体に内蔵された光学センサーがクランクの動きを検知し、トルクカーブのデータと組み合わせることで左右バランスを計算しているとのこと。
なるほど、クランクの動きを検知するセンサーがあるのか…いったいどこに? よく見てみたら、ありました!この逆三角形のカバーの中だな!!たぶん。
自分みたいな雑な自転車乗りには猫に小判にもほどがある機能ですが、シビアなトレーニングをしたい方には大いに役立つでしょう。
余計な出費が最小限!
バーチャルライドで遊ぼうと思うと、スマートトレーナーのほかにも必要なものがいろいろあって割と出費がかさみます。
たとえば
- カセットスプロケット
- Bluetooth(またはANT+)アダプタ
- 防振マット
あたりは「確実に必要になる」けれど「ふつうは別売」というのが、自分の知る限りでは一般的です。
なんですが「CYCPLUS T3」には、上記3点がすべて標準で付属しています。しかも工具やスペーサー、ディスクブレーキ用のパッドスペーサーまで付いてくる。
マジかよ!やりやがったッ!! ダンッ! ダンッ!!(机を叩く音) CYCPLUSさん、良心的すぎない!?
CYCPLUSのスマトレだと本体のほかに購入する必要があるのは、スウェットカバーとホイールブロック(前輪置き)、あとはブルカット3のような防振パッドぐらい。ケイデンスはトレーナー側で計測できるのでケイデンスセンサーも不要だし、電源ケーブルもちゃんと日本国内のコンセント形状に対応したものが付属します。スマートトレーナーが到着したのに、電源プラグの形状のせいで変換アダプターを買うまでZWIFTできない!!という悲劇も起こりません(経験者談)。
付属していたスプロケットは11-28の11速(他にも選べる)でしたが、変速性能は普通に普通でした。過去「スマートトレーナーにスプロケが付属していたけれど、結局アルテのスプロケを買い足した」という経験をしていたりもするので、こんなところもツボでしたねぇ。
バーチャルライドをはじめるときは、スマートトレーナー以外にもモニターや扇風機、PCやタブレットを置く台、防振パッドの購入などで何かと物いりです。そして細かな出費をダラダラ積み重ねていくと、魔法カードの引き落とし日には想定を遥かに上回る大打撃を受けることになります。私は、そんな手痛い実体験を何度も何度も何度も何度も繰り返してきました。
しかしCYCPLUS製のスマートトレーナーを選べば、余計な出費は最小限にできる。これ、マジでありがたいです。CYCPLUS製のスマートトレーナー最大のストロングポイントって、実はここなのでは?
「T3」と「T2」は何が違うの?
CYCPLUSのスマートトレーナー(ダイレクトドライブ式・仮想フライホイール)にはフラッグシップモデルの「T3」と、ベーシックモデルの「T2」がラインナップされています。価格差は執筆当時だとだいたい2万円程度でしたが、両機の差は
- ブラシレスモーターの仕様が違う
- パワーの左右計測ができる
というところ。
両機のブラシレスモーターは、ともにネオジム磁石50個/電磁コイル45セットと同数を搭載。しかしブラシレスモーター径がT2の175mmに対して、T3が240mm。より大型で強力になっています。
最大出力/最大負荷トルクに1.3〜1.4倍ぐらいの差があるので、再現できる勾配もT3の最大斜度27%に対してT2は最大斜度15%に留まります。つまりCYCPLUS T2だと「RADIO TOWER手前の、斜度17%は再現できない」ということ。
でもまぁ斜度15%と17%なんて、どっちも「超キツい」でしかありません。こんなキツい斜度は再現してくれない方が、むしろありがたいですわ!!
というわけで、どっちを選ぶか?なんですが「トレーニング機材」として考えるなら、よりシビアなコンディションでの使用に対応できるし、左右バランスも計測できてより精緻に活用できる「CYCPLUS T3」でしょう。
逆に自分みたいなバーチャルゆるポタ野郎には、CYCPLUS T2でも十二分に高性能。差額でCYCPLUS AS2 Proを買ったほうが、幸せになれる可能性が極大です。
ただし!
スマートトレーナーって、長く使い続ける機材です。せっかくならフラッグシップ機を選んで、自己満足に浸る!という選択だって全然アリ。所詮「趣味の道具」なんだから、「自分がイイと思ったもの」「気に入ったもの」を選ぶのが絶対の正解ですよね。
CYCPLUS T3のアラを探せ!
そんなわけで「CYCPLUS T3」を褒めちぎってきましたが、こちとらレベル80のズイフター。バーチャルライドの場数なら、それなりに踏んでいます(中身が伴っているとは言ってない)。どこかにあるアラだって、必ず発見できるはずです。
そして…ついに見つけました!
低ケイデンスでトルクをかけたとき、ゴリっとした踏み心地を感じる瞬間があります。ただし再現性は無いし、同様な感覚を別ブランドのモデルでも感じる(しかもより強く)ことは普通にありました。あとペダリングに透水性舗装のアスファルト路面ぐらいの粗さを感じますが、こっちも別ブランドのモデルと大差ないレベル。むしろCYCPLUS T3の方が、滑らかな印象かも。
あとはブラシレスモーターのカバー部分が銀色で思いっきり反射するから、写真を撮るのが難しいです!へっぽこ写真ですが、撮影するのに苦労させられました!!
必死にアラ探しをしましたが(忖度どこ行った?)、ようやく見つけたツッコミどころはこんなもん。「CYCPLUS T3はコスパの非常に高い、実によくできたスマートトレーナーである」と、断言するほかありません。
スマートトレーナーを選ぶのに、個人的にいちばん大事にしたいこと。
実走でもバーチャルでも、ゆるポタしかしない。レースに出るなんて、もってのほか。そんな自分みたいなへっぽこ野郎にとって、スマートトレーナーがいくら高強度に耐えうるスペックを持っていてもあまり意味がありません。
スマートトレーナー選びで個人的にいちばん大事にしたいのは、「スマートトレーナーをコアとする周辺オプション製品の充実度」です。
スマートトレーナーは、所詮スマートトレーナーでしかありません。「バーチャルサイクリングをもっと楽しく、もっと面白くしたい!!」という夢を広げてくれるのは、「斜度に合わせてフロントが上下動する装置」や「ハンドル操作にアバターの挙動を追従させる装置」といった「楽しさマシマシ装置」のほう。
これはCYCPLUSさんに限ったことではないですが、長くつきあう製品のブランドとして「トレーナー以外の周辺機器ラインナップが無い」というのは、いずれ大きな弱点になるのではないでしょうか。
とか、勝手なことを思っていたら!!
インドアサイクリングはク-ルに決める
👉 リモコン操作
👉 複数のデータモード:速度、心拍数、パワーに対応
👉 最大風速50km/h
👉 45dB以下の静音設計
👉 多用途ベース:2種類のベースから選べるカスタマイズ可能な気流https://t.co/wdVtATyDZz pic.twitter.com/efcRq2dZJ9— CYCPLUS (@CYCPLUSofficial) September 23, 2024
こ、これは!! 一部界隈で話題を呼んだ謎扇風機の、ガチなコンペティター製品じゃないですか!!!
スマートトレーナーを販売している会社はいくつもありますが、こうした「スマートトレーナーに連携して制御されるシステム製品」の拡張に取り組んでいるブランドは極わずかしかありません。忖度して記述している記事なので他ブランドの名前は出しませんが、WahooとELITEぐらいですよね。
もしかしてCYCPLUSさん、そこと同じ土俵に登って戦おうとしてるの!?
このCYCPLUS FT1を皮切りに、続々と拡張オプション製品群の開発が進む…かどうかは全く存じあげません。ですが「CYCPLUSはスマートトレーナー周辺製品群の拡張にも期待ができるブランドである」というのは、購入モデルの選定における大きな大きな大きな(以下、100那由他文字削除)ポイントだと考えます。
CYCPLUSさんには「既存モデルだと動作しません!ザンネーン!!」という悲しいことにならない新製品の開発を、ぜひお願いしたいですね(忖度して記述している記事なので他ブランドの名前は出しませんが、いままで使ってたWahoo KIKERがZwiftクリック+ Zwiftコグ アップグレードキットの動作対象外だったことを私は思いきり根に持っています)。
ちなみにCYCPLUS F1は、トレーナーのメーカーを問わずに各種の連動機能が使えるとのこと(当然ですが、トレーナーが対応する通信プロトコルに準拠していることが必須条件)。ありがてぇ…ありがてぇ…。
まとめ
CYCPLUS T3は、非常にコスパの高いスマートトレーナーです。特に付属品が大充実しているのは、スマートトレーナーを初めて導入するというサイクリストにとって、ひときわ嬉しいポイントになるでしょう。
もちろん、スマートトレーナーとしても、必要充分どころか普通にいい感じ。自分程度の乗り手には、ちっとも不足を感じないだけの性能を有しています。トラディショナルブランドのモデルとだって、ガチでやり合えるスペックです。
しかも!これからのスマートトレーナーに連携するシステム製品の展開にも期待ができる。
ブランドに対する特別な思い入れがなければ「トレーナーはCYCPLUSにして、想定以上に大きくなった差額で他の自転車機材を買う」という選択のほうが、幸せになれる可能性が大きいとしか思えません。
CYCPLUSさんには、ぜひ高コスパのフロント上下動装置やハンドル操作対応装置も開発販売していただき、バーチャルライド機材の世界に今後も大旋風を巻き起こしていただきたいです。