下の写真のような「ホイールを差し込んで自転車を立たせるタイプのラック」はホイールに悪影響を与えないでしょうか、という質問投稿を海外掲示板で見かけました。日本でもアパート・マンションや商業施設の駐輪場でよく見かけるタイプなので、少し気になる話題ですね。
以下、スレ主さんの投稿です。
最近はじめてのカーボンロードバイクを買いました。仕事場の駐輪所では、フロントホイールだけを金属のスロットに押し入れてバイクを立たせるラックを使っています。このようなフロントホイールで駐輪させるラックは、ロードバイクにとって安全でしょうか?ホイールが曲がったり変形するリスクはないでしょうか?
出典 Front Wheel Only Bike Racks
寄せられていたコメントからいくつか抄訳でピックアップします。
- ドイツでは自転車を大事にするサイクリストは、こうしたラックを”Felgenkiller”と呼んでいます。「リム殺し」という意味で、決して使うことはありません。こうしたラックをデザインして売ったり、買って設置する人たちは自転車が嫌いに違いありません(68いいね)
- (上の人に)もしくは、ひどく無知で人の役に立っていると思っているのでしょう(18いいね)
- このラック自体は何にもダメージを与えませんよ(50いいね)
- (上の人に)いや、重かったり、ディスク(ブレーキ)だったりすると、ホイールにダメージを与えますよ(6いいね)
- 私はこれをホイール曲げ(wheel-benders)と呼んでいます。ゴミです。使ってはいけません(4いいね)
コメントはリムへのダメージよりも、両隣に駐輪された自転車のハンドルなどで車体が傷付けられる・リアホイールを入れて使ったっていいじゃないか・そもそも盗難に弱いからダメ、といったものが多い印象を受けるのですが、上のようにリムへの影響を懸念する声もいくつかありました。
さて、このタイプのラックは筆者も使用経験があります(写真下)。私は、自転車の重量とラックのデザインによってはホイールにダメージが出る場合があるかもしれないという懸念を持ちました。これはスチールフレームのグラベルバイクなのですが、重くて安定しない場合があり、車体が左右に傾くとホイールのスポークがラックのフレームに当たってこれは良くないなと感じました。
このバイクの場合は極太のタイヤ(45mmのPanaracer GravelKing)だけで車体を支えられる格好だったのでリムへの影響はないように見えましたが、スポークへの負荷が心配でした。そこでホイールとこのラックのフレームの間に、ハブ軸からタイヤのサイドウォールまで届く長さの薄いベニアの板を挟み(両側に2枚)、ホイールを「面」で支えるように改造して使っていました。
その改造を施しても、ディスクブレーキのローターがその板に当たってしまって結構気を使いました。重い自転車には向いていないシステムだなぁ、と感じました。
超軽量なロードバイクであれば(8kg前後のヒルクラ用バイクなど)、知らない人に自転車をいじられない環境であれば、そっと置いておく分には問題ないような気もしますが、重量のある自転車では気を付けたほうが良いでしょう。このタイプのラックを使うとしても、屋内での使用に限ったほうが良いような印象はあります。自転車に詳しくない人に横から「グイッ」と乱暴に車体を倒されたら、ホイールへのダメージは出るでしょう。
▼ 重量のある自転車だとタイヤだけでは支えられない場合があります。室内では壁もあわせて利用するなどの工夫が必要かもしれませんね






