いま外国人がアメリカ合衆国に自転車旅行しに行くのは危険でしょうか、という主旨の質問投稿を海外掲示板(の自転車ツーリングやバイクパッキングコミュニティ)でたまに見かけるようになりました。最近(2025年11月5日)も新たにスレッドを見かけたので、最新情報を観察してみたいと思います。
以下がスレ主さんの投稿です。
B2ビザ(観光ビザ)を取得してアメリカ合衆国を4ヶ月旅しようと計画しています。お聞きしたいのはシンプルなことですーー自転車で移動するとなると、より怪しい人間に見られてしまうでしょうか? 自転車だと不利になりうるでしょうか? フライトやリターンフライトや最初に泊まるホテルといった情報は重要だと思いますが、道中にテントで眠ることなどはどう思われるのでしょうか?
出典 US entry – what have you told?(米国での入国審査の時に何と言いましたか?)
寄せられたコメントから目立ったものをピックアップしてみました。
- 私の兄弟が今週はじめに、自転車を持ってB2ビザでUSに入国しましたが問題ありませんでした。ただ滞在中に生活できるお金を持っているか証明できるようにしましょう(16いいね)
- もし何らかのインフルエンサー的な活動や、ソーシャルメディア・写真・コンテンツ作成で収益を得ている場合、それは絶対に口にしてはいけません。今シーズン、パシフィック・クレスト・トレイル(※アメリカ合衆国の長距離自然歩道。 アパラチアン・トレイル 、 コンチネンタル・ディバイド・トレイル と並ぶ、アメリカにおける三大長距離自然歩道の一つ)を歩こうとした女性ハイカーが、自分のブログの話をしたところ拘置された事例があります。入管の人たちはいま、昔では拘置されなかったような人々を拘置するよう奨励されているのです。そのための口実を探されます(8いいね)
- 私はB2ビザで2回の長いツアーをやりました(英国民でUKパスポートです)。お金があるかどうかや宿泊計画について、ヘンな質問や尋問されるようなことはありませんでしたよ。ただ正直に「アンカレッジからメキシコに自転車で行きます」や「LAからマイアミにライドします」と答えました。国境警備の人はマイアミまでライドするのにどのくらいの期間のB2ビザが必要なのかと聞いたので、航空券は7ヶ月有効にしましたと答えたところ、ビザのスタンプを6ヶ月ではなく7ヶ月に変更してくれました!本当にいい人でした(13いいね)
- かわりにカナダのブリティッシュ・コロンビアに長いライドに行くといいよ、人生最高の時間を経験できますよ(45いいね)
- かわりにカナダに行こうと考えたことはない?(53いいね)
- (上の人に)これですね。アメリカ合衆国はいま独裁になりつつあって、国政に反する発言をする人や移民は訴追されて集められます。国境でスマホを調べられて、合衆国政府に対して批判的な内容が見つかったので入国を拒否されたという事例も報告されています。いま米国ではお金を使わないで下さい(11いいね)
- 米国に住んでいる人間として言わせてもらうと、いまここで自転車旅行をするリスクは取りません。書類が整っている完全な米国民でも、逮捕されてボコられているような状況です。ビザはむしろ不利になりますよ。私ならフランスとか別の国に行くでしょう(30いいね)
- そのリスクは冒しませんね。いまUSに住んでいますが、クレイジーなことになってます(23いいね)
- 私はカナダ人で、白人で年輩で、これまでなら何の心配もなく気軽にUSに旅行に行けたものでした。今では、もはや安心して行けません、小役人がたまたま機嫌が悪い日に当たってしまい、私の人生の行く末を永久に変えてやろうと決断する確率は少ないとしても、そのリスクを取れるわけがありません。ここカナダやメキシコには素晴らしい場所が山ほどありますよ(15いいね)
- 国境警備やその他の法執行機関に嫌がらせされたり拘置されたりする心配はたぶんないとは思いますが、それでも米国外にいる人々はいま私達を経済的・文化的にボイコットすべきだと私は考えますね(4いいね)
- あなたの肌色は茶色ですか?もし茶色なら、この国の不幸な人種差別的移民政策のせいで、あなたはここでは安全ではないでしょう(4いいね)
- 入管でもより怪しまれるでしょうけれど、行先によっては私なら国内でのイミグレーションチェックポイントのほうを心配します。あなたがかなり白人的な雰囲気の人間でなければ、USの交通量の少ない道をソロで走るリスクは冒しません。それでも構わない場合は常にパスポートを身に着けておいてください。物事は急速に変わりつつあり、しかも良い方に向かってはいません(24いいね)
- ICE(アメリカ合衆国移民・関税執行局)や強制送還など、滅茶苦茶なことになってはいますが、英語を話せて白人であるなら私はたぶんそんなに心配しません。でもメラニンが少しだけ多めなら、微妙なことになるかもしれません。その上で言うと、いまここで起きていることは歴史上のちょっとした汚点にすぎないかもしれないですし、あるいはもっと始末の悪い長期的な何かのはじまりかもしれません。ですから、私なら必ずしもその旅は延期しないかもしれません、だって事態がもっとずっと悪くならないとも限らないのですから(3いいね)
現在の合衆国では予期しないことが起こる可能性が高いからいま自転車旅行に来るのはやめておいたほうがいいという意見、いやいやそれは考えすぎだ・大丈夫だよという意見、両方が見られますが、数としては前者のほうが多い印象を受けました(特にラテンアメリカ系の容姿をしている方は不利になるようですが、アジア系の容姿がどう影響するかについての情報はありません)。
同じような質問をここ数ヶ月で何度か見かけたのですが、米国在住の米国民の方々は「いまは来ないほうが安全だし、この国でお金を使ってほしくないから今は来るべきではないです」と答える方が多い印象を受けますね。ロシア連邦に続いてまさかアメリカ合衆国まで気軽に自転車旅行ができないかもしれない時代が来るとは、誰が想像できたでしょう。





