ビアンキの「ロングアイランド」という攻めすぎのE-ママチャリについて

ビアンキのシティバイクに「ロングアイランド」(Long Island)というモデルがラインナップされています。ステップスルー(step through, =跨げる)フレームの、私達が一般に「ママチャリ」という言葉で思い浮かべるタイプの自転車です。そして、これはE-BIKEでもあります。

公式 Bianchi Long Island Altus 9sp | Bianchi Bicycles

日本では流通していないモデル

ステップスルー・フレームですが、見方によっては超短いトップチューブを備えたスタッガード・フレームと言えなくもありません。しかしビアンキ公式サイトの日本語版を見るとこのモデルはリストされていません。恐らくE-BIKEに付きものの法的規制と関係があるのでしょうか。それともコンセプトが日本市場と合わないのか。

Bianchi Long Island Altus 9sp

Bianchi Long Island © bianchi.com

ビアンキ・ジャパンのサイトには”Lecco-E”という電動アシストのミニベロがあります。そして、それは同社の欧米サイトには掲載されていません。電動自転車はローカライズの面でいろいろ考えなければならないことが多そうに見えます。

この「ロングアイランド」の欧州価格は概ね1690ユーロ前後。日本円で20.5万円くらいなので、わりと高級品です。

それはさておきこのロングアイランド。ぱっと見はママチャリのような雰囲気なのですが、じっと眺めていると「ママチャリにしては攻めすぎている」ことに気付きます。

ママチャリも油圧ディスクの時代に

マドガード付きなのはいいとして… ディスクブレーキ! し・か・も! SHIMANO BR-MT200… つまり油圧!

Bianchi Long Island Altus 9sp

Bianchi Long Island © bianchi.com

ALTUSグレードですが油圧ディスクブレーキ! ママチャリに油圧ディスク、という組み合わせが斬新です。

このブレーキに問題が発生したらおかあさんは自転車屋さんに入って

ごめんください、パッドのセンタリングが出てないみたいで、ローターが当たって調子が悪いんです…

とか、おばあさんが

レバーが奥まで引けちゃうのよぉ〜! エアでも噛んじゃってるのかねぇ…?

などと相談するんでしょうか。油圧ディスクブレーキを扱っていない町の自転車店のおじさんは目を丸くしそうです。

油圧ディスクブレーキを搭載しているのはE-BIKEであることと関係があるのでしょうか。ラクにある程度の速度が出せてしまうならブレーキは良いものを、となるのは当然かもしれません。

バッテリーの隠し場所が秀逸

さらにいいな、と思ったのはこれ。リアキャリアの下にある…バッテリー!!

Bianchi Long Island Altus 9sp

Bianchi Long Island © bianchi.com

これはいい場所見つけたなー、と思います。

恐らくバランス的には、ダウンチューブやシートチューブ下部に重いバッテリーを据えるというのは決して悪くないはずなのですが、見た目的にはこうやってキャリア下にさりげなく平べったいバッテリーユニットを入れてしまうのは自転車全体がスッキリするので、良いアイデアだなと思います。電動アシスト自転車にありがちな「威圧的な感じ」が軽減されているように思います。

バッテリーの取り外しも多分何らかのロックを解除してスッと引き抜くだけの簡単方式になっているんじゃないでしょうか。充電のためにこれを持ってオフィスに入って行っても特に違和感なさそうです。

しかもこのバッテリー、リアライトがビルトインされています。ちなみにフロントライトも勿論このバッテリーで給電します。大きさもあるので、結構大容量ではないかと推測します。

日本のママチャリは進化するか

標準装備のタイヤは余裕の700x40c。ステムは1.1/8オーバーサイズでアジャスタブル。こうしたスペックも日本のママチャリではなかなか見かけません。

Bianchi Long Island Altus 9sp

Bianchi Long Island © bianchi.com

勿論これは「ママ」や「母」をターゲットにした自転車ではないのでそこは比べても仕方ないところはあります。「ロングアイランド」という車名からすると、ニューヨークのような都市で働くホワイトカラーの女性をイメージしているのかもしれません。次の打ち合わせには電車やタクシーではなく、これに乗ります。

この自転車を眺めていて、日本のママチャリもいずれこんなふうに進化するのだろうか、と考えてしまいました。ブリヂストン、パナソニック、ヤマハといった電動アシスト自転車の代表的なメーカーのモデルでもディスクブレーキ搭載のママチャリ的なモデルはそう多くないように見えます。

ステムも細身のクイルステムが主流… でも、あれはカッコいいんですよね。クイルステムのママチャリには不思議な魅力があります。というか、クイルステムはもうママチャリでしか見られないパーツになってきました。

ママチャリをはじめとする日本のシティサイクルにディスクブレーキが、特に油圧ディスクブレーキが今後搭載されていくのかどうか、個人的に気になるところです。

「町の自転車屋さん」も世代交代して経営者が若返りしていくと、こういう「新時代のママチャリ」が増えていったりするのでしょうか。

10年くらい後、日本の道を走っているママチャリはリムブレーキとドラムブレーキのままなのか。それともディスクブレーキになっているのか。そのあたり、興味津々です。

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