カメラ関連

GoPro Hero 9 Blackはアクションカメラ戦国時代を生き延びられるか

先週頃からGoPro Hero 9 Blackのリーク画像が出回っています。winfuture.deというサイトが掲載しており、当初は真偽不明だったのですが恐らくこれは本物の画像だろうと言われはじめています。

出典 GoPro Hero 9 Black mit Front-Farbdisplay: Das ist die neue Actioncam

前面に自撮りに便利なディスプレイ(えっ!?)

Hero 8以前との外観上の最大の違いはカメラ正面にカラーディスプレイが搭載されているらしいこと。これまでのGoProでは自撮りや自分を入れた風景を撮影したい時、構図を確認することができませんでした。ここ1〜2年で爆発的に増えてきたVloggerを意識した仕様となっています。ここは間違いなく映像確認ができるようになっているでしょう。

GoPro Hero 9 Black

© winfuture.de

しかしそうなるとHero 8の「ディスプレイモジュラー」とは何だったのか… という話になりそうな気がしないでもありません。前作Hero 8はGoPro初のモジュラーシステムを採用し、メディアモジュラー、ディスプレイモジュラー、ライトモジュラーの3つが用意されました。にかかわらず、ディスプレイモジュラーは未だ販売されていない有様です(海外では8月から予約開始)。

GoPro Hero 9 Black

© winfuture.de

コロナ禍で生産に遅れが生じているのは間違いありませんが、Hero 8 Black用のディスプレイモジュラーが流通する前にこのHero 9 Blackが発売されりしたら微妙な気持ちになるユーザーも出てきそうです。なおHero 8 Blackは昨年の10月15日に発売開始。Hero 9 Blackは発売時期も価格も不明ですが大体同じ頃になるはずです。

Hero 8 Blackのメディアモジュラーは外部マイクなのに何故か音質があまり良くないという評価がもっぱらで(※本体自体の内蔵マイクはわりと良いらしい)、そもそもこのモジュラー仕様を歓迎しないユーザーも多かったので、Hero 9 Blackはもしかするとモジュラーを捨てている可能性もありそうです。

5K/30 FPSとRAWに対応か

噂されているスペックは次の通り。ハイパースムースとタイムワープが2.0から3.0へアップグレード(詳細不明)。5K/30 FPS撮影に対応し、あとRAW(写真)でも撮れるようになっています。

  • HyperSmooth 3.0
  • TimeWarp 3.0
  • 5K/30 FPS
  • 4K/60 FPS
  • 1080p/240 FPS
  • 10m (33 ft)防水
  • SuperPhoto + HDR
  • RAW(写真)
  • 1080p ライブストリーミング
  • Voice Control

サイクリングの車載動画やランチ休憩や途中で遊んでいるところを撮影したい、といった用途には勿論問題なく対応できますが、そうした用途では5K/30が必要になるわけではないでしょうから、あえてこの新製品にこだわる必要はないと思います。

筆者はGoPro Hero 7 Blackを愛用していますが、その次に出たGoPro Hero 8 Blackは買い替えを積極的に検討するほどのスペック差は感じませんでした。GoPro Maxについても360度対応ながら画質がやや劣るなどぱっとしないところが多いです。

GoPro Hero7 Black

筆者愛用中のGoPro Hero 7 Black

GoPro Hero7 Blackをサイクリングで使う 私の撮影設定と運用方法・アクセサリーの紹介
GoPro Hero7 Blackを使いはじめてからそろそろ1年になろうとしています。サイクリングや登山、旅行で試行錯誤しながら使い倒してきました。現在でも「こういう設定でこう撮れば絶対にうまく行く!」という唯一絶対の正解にたどり着いたわけ...

関連記事:GoPro Hero7 Blackをサイクリングで使う 私の撮影設定と運用方法・アクセサリーの紹介

もし「これからはじめてアクションカメラを買いたい。そして他社製品ではなくGoProを買いたいのだ」という方は、Hero 8 BlackやHero 7 Blackが値下がりしたタイミングを狙うのが個人的にはオススメ…ですが、Hero 9 Blackの完全スペックが明らかになるまで待ちたいところ。

あとHero 9 Blackはレンズカバーが外せるという話があります。Hero 8 Blackはなぜか外せなくなっていて評判が悪かったですね。H9Bはいろいろと改善されている可能性はあります。

レンズカバーが外せるかどうかは、ごく一般的な用途であれば気になりません。しかしシャッタースピードを落としてより自然なモーションを記録したい、といった、表現にちょっとこだわりたい人なら小さいNDフィルター(減光フィルター)を付けられたりといったメリットがあります(※H8Bでも使えないわけではないです)。

他、個人的には1080pでも良いので、HyperSmooth 3.0でジンバルに近い手ブレ補正が実現できていたら嬉しいですね。車載動画を撮る時にロール方向のロックができたらありがたいです。そうするとヒルクライムやオフロードでの動画でも乗り物酔いしにくい映像になるからです。あと前から弱かった高感度性能。夕方〜夜になるとHyperSmoothはかなり効きが弱くなります。

このGoPro Hero 9 Blackは今後のGoProの命運を左右する製品になるような気がしています。アクションカメラ市場でまだ覇権を握っているGoProですが、最近はDJIやInsta360の勢いが良く、多くの面でGoProより優れた製品が出てきているように思います。ジンバルで実績のあるFeiyuTechも本気を出してくるかもしれないですしね。

Hero 9 Blackは果たしてこのアクションカメラ戦国時代を生き延びられるモデルに仕上がっているのか、要注目です。360度撮影対応のGoPro Maxも魅力的な後継機が出るといいですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
CBN Blog
タイトルとURLをコピーしました