GoPro Hero 9 Blackはサイクリストに向いているか

GoPro Hero 9 Blackが発表・発売されました。主要スペックや映像の比較などは既に山程ネットに出回っているので、本記事ではサイクリストによる車載動画撮影に向いているか、という点だけを考えてみます。

結論から言うと、スペックだけを見ればHero 9 Blackは「サイクリスト向き!」に仕上がってきたと思います。

その最大の理由は本体のみで完結する水平維持機能(ホライゾンレベリング)の搭載です。Hero 8 BlackではGoPro専用アプリを使うことで編集時に水平維持をかけられましたが、Hero 9 Blackではアプリ要らず!

これがサイクリングの車載動画でどう役立つかというと、車体や身体が左右に揺れる時の動き(具体的にはロール方向の揺れ)を消すことができます。Hero 8 Black以前のGoProを使ったことがある方は、ヒルクライムでの立ち漕ぎ時やオフロードでの撮影結果を見ている時に左右の揺れが激しすぎてちょっと気分が悪くなった経験をされたことがあると思いますが、あれがなくなるんですね。

勿論GoProにはこれまでも強力な手ぶれ補正、HyperSmoothが搭載されてきました。しかしロール方向のブレ補正はやはり十分ではなく、さらに光量が不足する曇天や夕方以降では効きが弱いという弱点がありました。Hero 9 BlackではこのHyperSmoothも3.0にアップデートされ、より強力な手ぶれ補正が実現されています。

ではどうやってその強力な手ぶれ補正を実現しているかというと、画素数が増えたおかげです。解像度を増やしたおかげで、手ぶれ補正時に必要になるクロップ領域をより多く周辺部から持ってこられるわけです。

Hero 9 Blackは新たに5K30の動画撮影に対応していますが、実際に5Kで動画を撮りたいという需要はサイクリストにはまだあまりないと思います。しかし5Kを可能にするための解像度の向上は、前述のボディ内水平維持機能やHyperSmooth 3.0の役に立っているのは間違いないので、その意味では歓迎ですね。

参考 英語ですがDC RAINMAKERのレビュー動画がやはり充実しています⬇

さらにレンズが簡単に交換可能になっていて、別売りの超広角レンズ(Maxレンズモジュラー)を使うことで360度ロックやMax HyperSmoothという超強力な手ぶれ補正の実現が期待できます。これも原理的にはより広範囲を映しておいて、それをクロップしながら揺れの補正をかけられる仕組みなので、特にスーパーワイドアングルに興味がない人でもいずれ使ってみたくなる機能ではないでしょうか。

Hero 9 BlackはHero 8 Blackよりもボディサイズは若干大きくなりましたが(重量は34g増)、バッテリーライフは全モードの平均で30%ほど向上しています。GoPro公称値は1080p/60fpsの撮影時に28%向上、前モデルの81分に対して104分の撮影が可能になっています。4K30では51%も向上しています。これらは公称値ベースですが、とりあえず歓迎できる内容です。

短所としては外部マイクの使用時にやはり専用のメディアモジュラーが必要になったり(モジュラーシステムは結局やめなかったらしい!)、フロントディスプレイは4K以上での撮影時に遅延が目立ったり、そして何よりHero 8 Blackよりも定価が$100も値上がりしてしまったこと(GoProサブスクリプションに加入すると割引されるとは言え…)。

それでも(私のように)Hero 7 Black以前のユーザーでHero 8 BlackやGoPro Maxを見送った人にとっては積極的に導入を検討しても良さそうな内容になっていると思いました。

個人的にもウェアラブル・ジンバルなしで見ていて苦にならない車載動画を撮れるようになったのは大歓迎。Hero 7 Blackを使い倒したらきっと買うことになると思います。

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