ドイツ・フライブルグのパーツブティックIntendが、Rocksteady Magicという面白いクランクセットを発表しています。ラチェット・フリーホイールをクランクに内蔵することで、コースティング中(脚を止めている時)でもリアの変速が可能になる、という製品です。
出典 Review: Intend’s Rocksteady Magic Cranks Let You Shift While Coasting
変速は速いが下りでの抵抗が大きい
Rocksteady MagicについてのPinkbikeの紹介記事を要約します。
- 必要なものは30mmスピンドル対応のBB
- アッパーチェーンガイドの使用が推奨される
- ラチェットのエンゲージメント数は47
- カセットとスポークをジップタイで締結することで万一の場合のディレイラー破損を防ぐ
- 脚を止めていても変速できるギアボックスのメリットがある
- 深い溝を下って渡る時など、身体のバランスを崩さしたくないがペダリングの必要が発生してしまう時などに活躍する
- 変速スピードは速く、ソリッドな感触だ
- ピボット位置が高いバイクでは沈みが大きい時にチェーンルーティングの上部がゆるむので問題が発生する
- エンゲージメント時の音は大きい
- 第2世代のSRAMディレイラーの使用が推奨されている
- コースティング中のドラッグ(抵抗)ははっきりとわかるほど大きい
- コースティング中の転がり速度も明らかに落ちる
- 一方でクライミング中のペダリングに悪影響(余分な負荷)は感じられない
- 素材は7075アルミ・システム重量は700g(170mmクランク)
すごいけど不要?
Pinkbikeの紹介記事とInstagramには次のようなコメントが寄せられています。
- そのエリアに他のベアリングセットが欲しいかどうか俺はわからない
- 存在しない問題に対する解決策を見つけたわけだね
- 消耗パーツが増えることになる
- すごいと思う… たぶん必要ないけどそれでもすごい
- いや、コースティング中に変速するなんて考えたことも望んだこともないよ
- Shimano FFSの再来だ
- 古いものが新しいものとして登場しているね、1960/70年代のシュウィンのテクノロジーだ
- シュウィンはこれを70年代にやっていなかったか?
- (上の人に)うん、あとSyncrosが90年代に復活させていた
- ONYXのスプラグ・クラッチを備えたこういうものがあったらゲームチェンジャーになるな。抵抗とノイズを減らしてエンゲージメントが即時になる
上のコメントにもあるように、Intend Rocksteady Magicのメカニズムは新しいものではなく、かつてはShimano Front Freewheel System(Shimano FFS)等が存在していたものの、普及はしませんでした。際どい時に変速したいオフロードライドやトライアル等での需要はあるとは思いますが、かなりニッチでマニアックな製品と言えそうですね。