TREKがCrockett 2020モデルで新型のT47ボトムブラケットを採用

TREKがシクロクロスバイクCrockettの2020年モデルを発表しました(Crockett 5 Disk / 4 Disk)。従来のモデルとの最大の違いはプレスフィットのPF86からスレッド式のT47ボトムブラケットへの変更がなされたことです。

© TREK

しかしCrockett 2020に採用されているBBは従来のT47ではなく、微妙に新しいタイプです。そしてフレーム側のシェル幅も過去のCrockettとは少し違っています。

T47ボトムブラケットとは

そもそもT47というボトムブラケット規格は2015年にChris King とArgonaut Cyclesが共同で開発したもの。PF30 BB対応フレームのシェルに溝を切り、そこにねじ込んで使うスレッド式BBとして開発されました。何のためにそんなものが生まれたかというと、異音対策です。

新しいBB規格というよりも、異音やメンテナンス性の低さという既存の問題に対応するためのソリューションのひとつと言って良いと思います。

T47ボトムブラケットの基本スペックは内径47mmxスレッドピッチ1mm(M47x1mm)。シェル幅は特に規定されていません。

Crockett 2020のT47ボトムブラケットはやや特殊

TREK Crockett 2020のBBシェル幅は85.5mmで、過去のPF86版Crockettより1mm短くなっているそうです。完成車に搭載されているBBはPraxis WorksとTREKが共同開発した新型のT47ボトムブラケット。

Crockett 5 Disc

T47のクローズアップ写真はTREKのサイトにはなかった… © TREK

何のためにシェル幅を短くして新型のT47 BBを開発したかというと、組み付け時のツールの「かかり」をよくするためBBカップのフランジを広げる必要があったからだそうです。

従来版のT47 BBの薄いフランジでは完成車の大量生産の現場で問題が起こるらしく、フランジ幅が0.5mm拡張されたPraxis WorksのT47 BBを採用すれば組み付けに使用するツールも安く購買できるという事情があったようです。

参考 Trek confirms use of T47 threaded bottom brackets — but with a twist

左右で0.5m拡張されるのでシェル幅は合計1mm減らす必要があり、その結果86.5mmから85.5mmになった、ということですね。

現行T47とTREKの新T47との互換性

TREK Crockett 2022のシェル幅は85.5mmですが、現在市場に流通しているT47 BBも問題なく使えるそうです。チェーンラインやQファクターが変わるかもしれませんが、とりあえず下位互換性があります。

しかしPraxis Worksと共同開発したT47 BBは85.5mm以上の長さのシェルでは使えないようです。恐らくクランクのスピンドル軸長が足りなくなるからでしょう。

なおシマノやカンパニョーロのクランクは当然、問題なく使えるそうです。一見すると「また面倒なBB新規格が登場したのか…」と思ってしまいますが、ややこしくなるのは事実としてもこの件で大きい迷惑を被る人はあまりいないかもしれません。

しかしそもそもなぜTREKはPF86をやめてT47を導入したのか。それについての言及は発見できませんでした。またCrockett 2020の製品ページでもこの変更についてはスペック表にひっそりと掲載されているのみです。

この記事を書いた人