コンポーネント

Shimano Dura-Ace R9200の予想スペック。果たしてビッグ・サプライズはあるか

来年2020年の発表が予想されているシマノ・デュラエースの最新モデル。型番はまずR9200になるだろうと言われていますが、果たしてどのような進化を遂げているのか。どんな新機能が搭載されるのか。Bikeradarが下の記事で予想と願望を語っています。

出典 Shimano Dura-Ace R9200: what we’re hoping for and what we expect from the next generation flagship road groupset

Dura-Ace R9200はこうなる!

Shimano Dura-Ace 9100

Shimano Dura-Ace 9100 © Shimano

記事中では次の7つが予想されています。皆さんはどう思われますか。

  1. Dura-Ace R9200は12-speedになるだろう
  2. メカニカル・Di2・油圧ディスクブレーキ・リムブレーキ版全てが用意されるだろう
  3. 完全なワイヤレスにはならないだろう
  4. まずはロードレーサーのためのプレミアム製品として発表されるだろう
  5. クランクはアロイ製で2xのみになるだろう
  6. ブレーキング性能はさらに良くなるが、その差に気付くのは難しいだろう
  7. シマノは何か特別なことをやるはずだ

12スピード化される?

12スピード化は間違いないでしょう。SRAM, Campagnoloいずれも12スピード化されているのでシマノもやらないわけがありません。その場合、トップで10Tを使うためのマイクロスプライン・ハブがXTR, XT, SLXに続いてデュラエースでも採用される可能性が高いでしょう。

メカニカル・シフターとリムブレーキは残される?

2番目ですが、たとえばSRAMのフラッグシップはもはや電動・油圧ディスクブレーキのみ。シマノもこの動きに追従するのでしょうか。

Bikeradarの推測では、機械式シフターはシマノの真骨頂であり、より多くのユーザー層をカバーしたいはずでもあるのでそれは多分ないだろう、とのこと。

Di2はワイヤレスになる?

そして気になるDi2の進化。フルワイヤレスのSRAM eTap AXSの人気が高まっていますが、果たしてデュラエースはどうなるか。

同サイトによると「少なくとも完全なワイヤレスはないだろう」との結論。その理由は既存のDi2とE-Tubeエコシステム(E-BIKE用のSTEPSとの統合も進んでいる)との互換性が難しくなるから。仮にワイヤレスがあるとしたら、シフター部のみ、とかそういうことになるのではないか、という予想。

Di2の互換性には複雑なものがありますが、かななわさんが詳細な記事を書かれているので是非あわせてお読みください。

SHIMANO Di2 電動コンポ導入完全ガイド
一度Di2変速を知ってしまうとワイヤー変速には戻れない・・・ 気が付けばロードバイクは2台ともDi2へとコンポーネントが変わってしまった。 今回はDi2導入にあたって、工夫したこと、気を付けたいことなどをまとめてみました...

ワイドレンジカセットは登場しない?

4番目の「ロードレーサーのためのプレミアム製品」は、一見「何のこっちゃ」と思いました。デュラエースはこれまでもプレミアム・レーシングコンポーネントでしたし、これからもそうではないのか。

しかし読んでみるとこれは、最初は34Tのコグに対応したカセットは登場しないだろう、1xもないだろう、といった意味のようです。つまり「プロロードレースで主流ではないスペックのものは最初は出ない」ということ(確かに油圧ディスクブレーキも最初はアルテグラグレードのノーグレード製品として投入されていましたね)。

↓ アルテグラグレードにあるような、11-34のようなこういうカセットは最初は出ないだろう、というわけです。後から出るにしても(その時は1xと一緒かな)。

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1xは用意される?

次にクランク。カーボン製になることはないだろう、そして1xが採用されることはない(1xはロードレースの現場でまだ支持を得られていないため)。

ただしチェーンリングはリア11速化に合わせてSRAMの50/37t, 48/35t, 46/33tのようなものが出る。ただしXTRのようにダイレクトマウント式にはならないだろう、とのこと。クランク軸は24mmから変える理由はないだろう、とも。

サーボウェーブは搭載される?

ブレーキ性能は向上するだろうが、改善されても気が付かないレベルかもしれない。またグラベルコンポーネントのGRXで採用されたサーボウェーブ・アクション(パッドがローターに当たるまでは素早く動き、制動開始後はレバー比が変化する)は、ロードでも有益かどうかは議論の余地があり、デュラエースにこれが来るかどうかはわからない。

SERVOWAVE ACTION

SERVOWAVE ACTION © SHIMANO

Dura-Ace R9200にサプライズはあるか

と、大体こんな感じの予想をしているのですが、いちばん気になるのは最後の「シマノは何か特別なことをやるはずだ」というところ。

12速化しました! マイクロスプラインです! 最小コグ10Tです! だけでは、いくらそれが堅牢で信頼性の高いシステムに仕上がっていたとしても、若干話題性に欠けるのは確か。何しろ今年のSRAM eTap AXSの衝撃が大きかったので、シマノとしてもビッグ・サプライズを何としても用意したいところではないでしょうか。

SRAM RED eTap AXS

SRAM RED eTap AXS © SRAM

ではどんな隠し玉があるのか。Bikeradarの予想では、ユーザーにメンテナンス周期を通知するデジタルインタフェース(フライトデッキ的なもの)や、Di2のカスタマイズ機能やGarmin等のサードパーティ製デバイスとの統合の深化を挙げていますが、個人的にはそれだけだと若干インパクトが足りない(笑)かなと感じています。

フルワイヤレスの、下位互換性を潔く捨て去った新型のDi2。というのが出たら結構衝撃度が大きい気がします。ピュア・レーシングコンポーネントとしてアルテグラ以下との互換性を切ってしまう。すると自由度が上がるのではないか…とも思うのですが、実際には難しいのかな。

機械式シフターについては、これはSRAMとの差別化のためにもあえて残すような気はします。なくなったら寂しいですよね。とはいえ「ピュアレーシングコンポ」と考えたら切り捨てる方向になるのがむしろ自然でしょうし、判断が難しそうです。

デジタル一眼レフカメラからミラーボックスが撤去されつつあるように、メカニカルパーツは自転車からもコストメリットがなければ消えていく運命なのかもしれません。このあたりは事情が非常に良く似ている気がします。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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