サドル

Selle Italia Model X Green Superflow 価格は50ドルでも性能は200ドルなみの価格破壊サドル?

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Selle Italiaが今年の春に発表したサドル新製品「Model X Green Superflow」。注目すべきは米国定価$49.99(約5500円・ただし国内定価は税込み7700円)という驚異的な安さ。フルオートメーションによる製造でこの価格を実現しているようですが、すごいのは値段だけではないようです。

Model X Green Superflow

© Selle Italia

Selle Italia公式サイトと、Cyclingtipsの名物ライター・James Huang氏によるファーストインプレッションの概要を簡単にまとめてみます。

公式 Model X Green Superflow | The saddles of Selle Italia
出典 Selle Italia Model X Green Superflow saddle review: Only $50, rides like $200 – CyclingTips

驚異の低価格ながら素晴らしい快適性

Model X Green Superflow

© Selle Italia

  • 米国定価は$49.99(約5500円)
  • 重量は315g
  • 長さ245mm・幅145mmのショートノーズサドル
  • 特殊な製造技術によって100%サステイナブル(リサイクル可能)な製品を実現している
  • 組み立てには接着剤やポリウレタンが使われていない
  • イタリアで製造され、原材料もEU調達。EUが定める厳しい環境要件を満たしている
  • 素材調達から製造までが地理的に近い場所で行われるため、輸送コストやCO2排出量を削減できる
  • 振動吸収性の良いスペシャル・ジェルパッディングを採用
  • レールはアロイ
  • 耐久性と柔軟性を兼ね備えるFlex Controlを採用
Model X Green Superflow

© Selle Italia

  • Specialized S-Works PowerサドルやPRO Stealthサドルにそっくりで、大きいカットアウトもあるが、少し広めのノーズと段階的なテーパーはStealthに近い
  • サイドからサイドへの形状は表面全体がフラットなSpecialized PowerやPro Stealthよりもわずかにカーブしている
  • 先端から後端への形状はPro Stealthに似ている
  • カバー素材には奇妙なラバー感がある
  • 製造工程は明らかにされていないが、カバーとジェルパッディングは1回の工程で成形されているように見える
  • シェルは恐らくファイバー強化プラスティックで、レールが挿入されるアンカー部分までが一体成型されている
  • これはSelle Italiaが初めて完全なオートメーションで製造するサドルだ
  • ジェルパッディングは比較的薄いが高密度なので、サポート具合は素晴らしく全く不快にはならない(シェルはやや硬めで、それも良い効果を出している)
  • プラスティックのシェルがどれだけ持つかは未知数だが、全体的な剛性は好感触だ
  • ノーズが平たく薄く見えるが問題にはならず、前乗りしても驚くほど快適だった
  • 個人的には、左から右へのわずかに湾曲した形状はPowerやStealthより「座りがいい」感じ(“locked in” feeling)があり、快適なスポットを探してその位置をキープしやすい
  • その「座りの良さ」はグリップの良いラバー感触のカバーから来ている。ライクラで座るなら問題はないが、短パンならグリップが強すぎるだろう
  • カバー素材は水を全く吸収しないので雨に降られても何時間もサドルが濡れたままということもない
  • 重量はS-Works Powerの倍あるが価格は6分の1だ
  • 軽量パディングの採用で70g軽く、かつ少しだけ高価なNovus Boost Evo Superflowと形状はほぼ同じに見えるが、パディングの支持性が同じでないのなら、むしろ節約してこのサドルを選びたい
  • このサドルは重いが本当に良い。買ったらあなたは私に感謝するだろう

価格は50ドル・乗車感は200ドル

レビュー出典元のCyclingtipsの記事は「50ドルの価格で乗車感は200ドル」というタイトルが付いています。スポンサード記事の可能もありますが、執筆者のJames Huang氏はあまり忖度しない方なので少なくとも本人はかなり気に入っているように見えます。グリップが良く、固めだけれど快適性もある、とかなりの高評価です。

サドルばかりはライドスタイルやお尻の形状によって相性が千差万別なので万人がこのサドルを気に入ることはないと思いますが、50ドルという衝撃的な安さからは想像できないほど良いサドルに仕上がっていそうですね。私も使ってみたいと思いました。

コロナウイルスの影響で製造業ではサプライチェーンのコンパクト化の動きが高まっていますが、このサドルのように製造工程を自動化できれば中華製品なみの価格でしかも品質の良い製品がこれからヨーロッパからどんどん出てくるのかもしれませんね。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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