英BikeradarがADIDASのロードサイクリングシューズ「PARLEY ROAD CYCLING BOA」のレビュー記事を掲載しています。アディダスにとっては2作目のロードシューズで、初のBOA搭載が特徴。日本では定価22,000円。しかしレビュー評価は星2.5と、だいぶ酷評されています。
出典 Adidas The Parley Road Cycling BOA Shoe review – Road Bike Shoes – Shoes – BikeRadar
外見はプレミアリーグだが…
以下、抄訳による記事の概要です。
- これは2020年に発表された同社初のロードシューズへのアップデートだ
- 紐ではなくBOAダイアルを採用した同社初のロードシューズでもある
- ミッドソールはフルカーボンではなく、ナイロンと強化ファイバーグラスである。アーチインサートは提供されない
- BOAを搭載することで価格は £130 / €150 から £170 / €180に引き上げられた
- フレキシブルなアッパーのおかげで、見た目もフィット感もスニーカーのようだ
- ソックスのようなインナーのおかげで着脱はしやすく、しっかり感もある
- BOAは一方向のみに回転し、締めすぎた時は持ち上げてテンションを全開放する必要がある
- サイズEU46の重量は776g。Shimano RC7はEU45で580g、Fizik Tempo Decos CarbonはEU45で540gだ
- 似たような価格のShimano RC7と違い、Parley Road BOAのクリートホールは位置調整できない
- アッパーのしなやかな素材はバイクを降りると非常に快適だが、全体的な剛性不足の原因にもなっている
- 1時間までの短いライドで最も良いと感じた。例えば電車に乗ったり降りたりする通勤ライドなどだ(※イギリスの話です)
- しかしよりハードなライドでは、価格からすると性能はかなり低いと感じる
- ペダリング時はソールが相当曲がる
- 立ち漕ぎすると、ソールにわずかに沈みこんでしまうので不安定になる。また立ち漕ぎ時は足が横から横に滑るように感じた。これはアッパーの柔軟性が原因と思われる
- 通気性は2時間までは悪くなかったが、その後は足からの汗の逃げ場がなくなった。逆に雨が染み込むのには時間がかかるが、一度浸水してしまうと貯水してしまい、乾くのに時間がかかる
- サッカー・プレミアリーグのルックスだが、性能はセカンドディビジョンだ
- 批判はしたものの、悪いシューズではなく、クリーンでタイムレスな見た目は大いに気に入っている
- 調整システムのおかげでシューズの履き脱ぎはしやすく、テンションもある程度ファインチューンできる
- 短距離のライドで快適に使え、歩いたり座ったりもできるロードサイクリングシューズが欲しいのなら、このAdidas Parleyは仕事をしてくれるだろう
- それにスタイルもある。しかし£170 / €180としては、性能を真面目に考えるならあまり中身がない
- カーボンソールでもないし、ベンチレーションは貧弱で、座っていても立ち漕ぎしていても足のサポートが足りない。この価格帯の他のシューズはこれら全ての面ではるかに優秀だ
- また重量が気になる人にとっては、競合製品よりペアで200g重いこともある
- より高速なライド、より長距離のライドに不向きのシューズにこの金額を払うのは正当化できない。他のシューズが、同じまたはより安い価格ではるかに良い可能性が高い
ターゲットがよくわからないシューズ?
読む限り、ペダリングよりも歩きやすさを優先した仕上がりになってしまった感じでしょうか。歩きを優先する人はSPDシューズやフラットソールを選択するでしょうし、あえてロードシューズを選択する人は剛性感に期待するところが大きいと思うので、微妙な仕上がりのように思えますね。透湿性があまり良くなさそうなのも気になるところです。
書かれているように歩行もある短距離オンリーといった、結構限られたシチュエーション向きの製品なのかもしれません。
逆に同価格帯ではShimano RC7のほうがはるかに良い、とも読めます。PARLEY ROAD CYCLING BOAは価格帯こそRC7と同じでも、方向性は全く別のもののようですね。