CXWXCのフラットペダル・型番CX-925の初期使用感です。同社からは現時点で4種類のフラットペダルが出ており(うち1つは片面SPD)、本製品の特徴はシリーズ中最軽量の330gという重量(CX-V15が公称値上はタイ)・樹脂ボディ・トリプルシールドベアリングといった点。
オールロードバイク・グラベルバイクでのファーストインプレッション記事になります。
基本スペック
実測重量は329gでした。公称値は330gなので正確ですね。ちなみにCX-V15というアルミボディの製品も公称値330g。ただしそちらは383gという記述もあり、342gという記述もあり、実測値320gというデータもあり、と実態はよくわかりません。たぶんCX-V15のほうが若干軽いのかも。
クロモリスピンドルで、SPDのCXWXC CX-151(レビュー記事)同様のトリプルシールドベアリング。CX-15同様、筆者の個体は購入直後に回りすぎて感動した、ということはなかったのですが、使い込んだあとは普通によく回っています(MKSほどではないもののよく回る)。必要十分な回転具合で、気持ち良く使えています。
プラットフォームサイズは縦103mm x 横100mm。ケージのいちばん厚い部分で19mm。取り付けは8mmヘックスレンチ。広すぎず・狭すぎず・高すぎず、でごく中庸なスペックだと思います。
ピンは片面7本で最初から取り付けられており、高さは2.5mmレンチで調整できます。一般にピンが高ければ高いほどグリップ力が高くなりますが、最適な高さは人によって違い、同じ人でも走る地形によって違い、ケージの形状によっても違い、シューズによっても違います。私は主にShimano SH-ET300で使っていますが、ピンは最長にしています。
低・中・高と高さを変えて試してみたのですが、私の場合はピン最長でないとあまりグリップしない印象がありました。逆にピンが最長なら十分なグリップ。これで全く滑らず、良い感じに使えています。
軽量な樹脂製ボディなのでいずれ削れてきます。極端に削れやすいくいほうだとは感じませんが、ペダルを岩やコンクリートの壁にあてがってバイクを停車させるような時は、雑に扱いすぎないほうが良いとは思います。あと岩にヒットしたら、と心配するようなガチトレイルライドには向いてはいないでしょう。
ツーリングやフラペ入門におすすめ
300kmほど使ってみた感想は、簡潔に言うと「柔らかすぎず硬すぎないペダル」。旅系グラベルバイクでの剛性感は必要十分で、スタンディングで下っているような時も荷物が多い時も、たわむような感じは全くありません。それでいてより高級な金属製フラットペダルのようなガチガチなダイレクト感はないので、疲れにくいと思います。個人的にこれは長所。
逆に言うとMTBでトレイルをガチ走りするようなライドが中心の方には物足りないものであろうことは想像できます(そういう製品ではない)。
自転車ツーリングやアドベンチャーライドには良い選択肢になると思います(私も実際そういう使い方をしています)。自転車用シューズを使うのなら通勤通学でもありだと思います(ピンを出していると柔らかいソールは当然削れます)。クロスバイクのペダルのアップグレードとしても面白いでしょう(エントリーの完成車付属のペダルよりずっと良いはず)。
価格は¥2,580(筆者購入時)で、CXWXCの他の製品同様、コスパは高いと思います。近いスペックのブランド品だと、例えばShimano PD-GR400が思い浮かびます。そちらも樹脂製で、プラットフォームサイズ101 x 96 mm、9本ピンで重量394g、実勢価格5800円前後。CX-925は半額以下で60g軽量です。PD-GR400はもっと固くてダイレクト感が強いペダルかもしれませんね。
CX-925はカジュアルなオフロードライドでは使いやすい良いものだと思います。ピンの食いつきも良く(シューズとの相性もありますが)、シューズが滑ることもなく、ペダル上の重心を変えるのもやりやすい。フラットペダル入門としても良いと思います。絶賛するような感動こそないものの、普通に良いものだと思いました。
剛性や耐久性はCX-V15のほうが高そうではあります。これはこれで安いので併せて検討してみてはどうでしょうか。