2019年1月より使用を続けているSella ItaliaのSTORICA。まだ半年程度しか使っていませんが、簡単な紹介をします。
購入の動機
使い始めるきっかけとなったのは、2018年10月と2019年1月のブルベ参加だ。200kmと300kmを走行したのだが、これが購入にとっての強い動機を生むことになった。
300kmは単純にお尻が痛かった。足腰の疲労感とかよりも、お尻だけが辛かった。
ブルベ参加に当たり事前の練習を積んでいたので、ロング走の反復練習を行うことで慣れてきたのかお尻の痛みはあまり感じなくなっていた。200kmまでは。
お尻も鍛錬すれば鍛えられるものだなぁ、なんて考えていたけれどそれは甘かった。300kmを走ることになるとそれは苦痛でしかなかった。
解決策としては、
- 走行スピードを上げてサドルにかかる臀部の荷重を減らすこと
- 厚いパッドのレーパンを使用し、荷重分散を図ること
- サドルを使用し、荷重分散を図ること
などなどが思いつくけれど、
- できればゆっくり走りたい
- あまりトレーニングしたくない
- パッドもできれば履きたくない
なんて考えてしまう自分はサドルを変える選択をしたのだった。
そして、選んだ素材は、鉄と革。
Sella Italiaって?
以下日直商会のHPより抜粋です。
“Sella Italia”は“selleITALIA”が作る革サドルのブランドです。ちょっと分かりにくいですが、Sellaとselleの違いです(末尾がaかeの違い)。
実はSella Italiaとは、selleITALIAの創業当時の社名でありブランド名です。創業120年を前にselleITALIAは原点に戻り、革製のサドル製造を再開しました。
selleITALIAのメインビジネスであるスポーツサドルに比べれば、革製のサドルは最先端の素材を使うでもなく、製造に手間と時間のかかるものですが、イタリアの自転車文化と、近代の自転車レース文化をサドルで支え続けてきた誇りが、彼らを原点に戻しました。
私が何か解説できるわけでもなく、こういうことですw
Sella Italiaブランドのサドルはいくつか種類があり、
- MUTICA トレッキング、ロード向け
- STORICA ロード向け
- EPOCA ツーリング、トレッキング向け
各モデル3,4色の展開がされている。
いずれももちろん素材は革。
Sella Italia STORICAのハンモック構造
写真を見ていただくと分かるとおり、サドル先端と後部の鉄フレームで革のテンションを保っている。
お尻を載せる部分は鉄ではなく、革のみ。
革のテンションは、ボルトで調整可能。
好みの乗り心地を探してちょうど良い状態にすることができそうだ。
革自体の硬さは、乗り始めは非常に硬いが、私の場合は400kmも使えば柔らかくなってきたのを実感できた。
あまり革のテンションを緩めすぎると、サドル横幅が広くなってしまう。
肝心の乗り心地は、振動減衰や荷重分散という面では優れていると思う。が全く痛くないのかというと、そうでは無いw 私の場合は、坐骨内側から会陰部にかけての辺りに荷重がかかりやすいようで、どうしてもその辺りは痛くなりやすい。
人によってはレーパンのパッドとの組み合わせは革サドルとは合わないと感じるようだ。私は頻繁にレーパンを履かないが、超長距離ではレーパンと革サドルの組み合わせがちょうどよい荷重分散を生み出してくれると感じる。
メンテナンス
- 革のテンション調整をボルトで行う。
- 油脂を塗る。
の2点を行う必要があるのが特徴だ。
革のテンション調整については、あまり頻繁に行う必要は無いように思う。強くテンションをかけすぎると革が伸びてしまいそうだが、緩みすぎていると座り心地はあまりよくない。ちょうど良いと感じるテンションを探すのも、楽しみの一つ。乗っているうちに、少しずつ革のテンションに変化が生まれるので、適宜調整をしていく。
油脂は、付属のレザークリームを薄く塗る。私の場合は、自転車通勤で使っており、日中は屋外駐輪の日が多い。その使用環境で2週間以上給脂をしなければ、サドルの表裏ともにカサついてしまう。週1回の給脂をするぐらいがちょうど良いみたいだ。
雨天や雪、路面が濡れている、などのコンディションで使用したあとは、給脂は欠かせない。
カサついた状態を放置したまま乗車を続けていると、ひび割れてくる。
使い始めた頃は、レザークリームを塗る頻度が今ひとつ掴めなかった為か、ひび割れを作ってしまった。
長く使いたいので、こまめにお手入れをする必要がある。
サドルバッグとの適合
愛用しているオルトリーブのサドルバッグを使い続けたいので、それに合う形のサドルが必要だった。
サドルレールの形状が、現代のサドルと同じモノでなければ合わない。
Brooksはサドルレールの幅が広すぎて、オルトリーブのアタッチメントが合わないのだ。
Sella Italia STORICAはサドルレールの形状が、オルトリーブのアタッチメントとちょうど合う。
取り付けは問題なく可能。
だが、サドルの取り付け位置が以前使っていたサドルよりも後ろになってしまい、サドルバッグ後端が下がってしまう形となる。
この点が残念だ。今の所、ペダリングしやすいサドル位置はこの状態なので、これ以上前にサドルをずらすのは困難。
実質的に、大きな問題は起こっていない。
クラシカルなサドルバッグを取り付ける場合には、こういう問題は考えなくて良いと思う。サドルにサドルバッグ取り付け用の穴が空いている。
重量感
数値を見るとカタログ上で505g、実測で500gという重量級サドルだ。
個人的には、サドル交換時期にはサドルバッグ(内容物込1.2kg以上)を常用していたので、変化に気がつくことはできなかった。
そのためか、今現在も特に気になってはいない。重量が少々かさんでしまっても、お尻から生まれる苦痛を減らすことが大切なのだ。
長く付き合えるサドルになるか?
革製、鉄製、のサドルということになると長く付き合うことになる気がする。
それは、現状唯一のメインロードバイクCAAD12で使い続けるのか、今後もしかすると自転車を増やした時に載せ替えるのか、それとも買い増すのか、はわからない。
ただ長くおつきあいをしていきたいと思える良いサドルだ。
油脂を塗って、適度な革のテンション調整をする、それだけの作業が増えるだけで、モノに対して使用者の気持ちが変わる。
できれば使い捨てとならず、放置もせず、愛着を持って傍で使い続けたい。
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