最高におもしろい自転車マンガと出会いました。その名も「はやめブラストギア」。妙な偶然からこのマンガにたどりついたのですが、その経緯はこちらで。
いっやー、これが読んでみたら笑いのセンスがつぼりすぎで面白いのなんの、4巻一気読みしてしまいましたw
このマンガ、相当有名みたいでCBNレビュワーさんにも愛読者が多いようです。
そのため名前だけはなんとなく記憶にあったのですが、当時私は自転車マンガ一般への興味を失っていたんだと思います。
名指しはしませんが、その頃までに自転車ブームにのって、あまりおもしろくない自転車マンガもいくつかあったじゃないですか。それでちょっと食傷気味になっていたんですよ。
しかし「はやめブラストギア」。この作品、別格のおもしろさです。
この作品、読み方によってはかなり「王道」的なマンガでもあります。
ネタバレは書きませんが、主人公は「選ばれし者」であり、「ある秘密や宝物を発見するミッション」を課されています。「付き従って助けてくれる者」や、「謎の賢い老人」や「悪の軍団」が登場したりします。
これっていろんなマンガ名作でも使われているような、クラシックな物語の仕組みなんですよね。しっかりした土台です。
その意味で「王道」的な構造を持っているのですが、それをいいことにその仕組みの上でさんざんムチャをするんですよw
関東の自転車乗りなら多くの人が馴染みがあるであろう「ヤビツ峠」とか、奥多摩の「風張林道」とか、荒川沿いの「彩湖」といった馴染みのロケーションの上に、「北斗の拳」さながらの世紀末ファンタジー世界が重ねられます。そこで「ドラゴンボール」か「ワンピース」のような、宝探しや父親探しがくりひろげられます。
不思議なのが、普通だったらリアリティがなさすぎて読む気が失せてしまうはずの荒唐無稽なアクションが、なぜか説得力を持っていて、普通に読めてしまうところ。
おバカファンタジー化する部分は、もう完全にそっち方向にふりきっているので、なんの疑問もなく楽しく読めてしまう。「かめはめ波」がリアルであるように、「はやめブラストギア」の登場人物たちがくりだすいろんなワザ、超絶アクションもリアルに読めてしまいます。
あとですね、このマンガ、とにかくウケるw 2巻目あたりからはもう2ページに1回は確実に笑いを取りにきている感じで、ページめくるごとに大爆笑ですよwww
この笑いは相当に高度。一見マジメな場面でなぜか大爆笑してしまったりするんですよ。自転車マンガにもいろいろなタイプのものがあると思いますが、笑える・ウケるという点において、私にとってこれは過去最高点を獲得した作品です。
ツッコミどころ満載なんですが、それがいいんですよ。「デストライド」の勝者、勝つたびにそれ配ってたらお金なくなっちゃうだろ、とか。でもなんだろう、普通だったら白けそうなそういう細部が逆に全部ウケるw
好みはもちろんわかれるとは思いますが、お笑いが好きな方にはぜひおすすめしたいですね。お笑いといっても、ほろっと涙してしまうような場面もしっかり組み込まれているのがうまいなぁと思いました。完成度高い…
あと自転車の描写、ライドの描写のクオリティがすごい。これが作品全体の説得力にもつながっているんでしょうか。本当に自転車に乗っているひと、しかも相当自転車が好きでないと描けないものがたくさん出てきます。ぜひ、試し読みなどしてみてください。
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月末に最新巻も出るらしいですよ。
少年画報社 (2018-12-28)
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私が最初に読んだ自転車マンガは「シャカリキ!」だったのですが、そういえば主人公・野々村輝の愛車もビアンキでした。これは偶然なんでしょうか。なんかそういうパロディ的なものも感じてしまうんですよ。
あとCBNにはnadokazuさんがこんなレビューを投稿されていますねぇ。ンフッ…w
こんなおもしろいものを知らなかったなんて… あらためてこのマンガに誘導(?)してくださった皆様にお礼申し上げます。当分は爆笑してすごせそうですw