過去に何度かレビューに登場させましたが、かつてトレックのマドンに乗っていた時期がありました。
性能面では特に不満も無く良いバイクだったのですが、何というか「これじゃない感」があったのです。主に見た目。
僕は元々ホリゾンタルフレームが好きで、古いクロモリフレームを現代コンポで組み直して乗っていたのですが、何を血迷ったのか超スローピングのマドンに買い替えるという行為に走ってしまい、挙句に抱いた感想が「なんか違う」なのですから目も当てられません。
当時のトレックはヘッドチューブがやたらと長く、ハンドルがしっかり下げられないのも痛いところ。
そこで、「ホリゾンタルフレームである(微スローピングも可)」「ヘッドチューブ短め」「パイプ細め」「チェーンステー長405mm」という、マドンに欠けている要素を埋められるフレームを探した結果、行き着いた答えがCAAD10とCAAD12でした。
CAAD10を購入したのは2017年。CAAD12がリリースされ、あちこちのショップでCAAD10の店頭在庫が無くなり始めていた頃でした。
CAADって何?
CAADというのは「Cannondale Advanced Aluminum Design」と「Computer Assisted Design」のダブルミーニングで、1996年型のF3000(ハードテールMTB)が初出でした。
翌年には、ロードフレームにも「CAAD」の名称が与えられます。
当時のラインナップではR4000がフラッグシップモデルでしたが、「CAAD○」がそのままモデル名となっている現在とは異なり、「CAAD○」というのはフレームのパイプや製法の違い、年代によって呼び分けられるものであったらしく、これはスペシャライズドで言うところのターマック「SL3」とか「SL4」と似たようなものです。
ロードフレームにおいて「CAAD○」がそのままモデル名を指すようになったのは割と最近の話で、2005年デビューのCAAD8までは「R5000」が正式なモデル名でした。
2007年に初代システムシックス(アルミとカーボンのハイブリッドフレーム)がデビューし、CAADシリーズはフルアルミフレームとして呼称を改める必要があったのか何なのか、同年リリースのCAAD9から初めて「CAAD9」が正式名称になりました。
キャノンデールのアルミフレームは昔から軽さに定評があり、1995年型のR900の時点でカタログ重量1,225gと驚異的な軽さを誇っていました。
これ以降、CAADの後に続く数字が大きくなるにつれて、キャノンデールのアルミフレームはどんどん軽くなっていきます。
CAAD10の登場は2011年。この頃には既にアルミフレームの製造にここまで注力するところは無かったように思います。
このフレームは、56サイズでのカタログ重量が1,150g。16年で100gしか軽くなっていないじゃないか!と思うかもしれませんが、元々があまりにも軽すぎたのです。
CAAD10のココがイイ!
まずは、このバイクの気に入っている点について。
何が良いって走りが良いです。比較対象が先日投稿したLOOK KG481(やや剛性低め)だから、というのも勿論あるでしょうが、ゼロ発進で踏み込んだときの捩じれにくさ、ペダリングパワーをそのまま後輪に伝えてくれる反応性がたいへん心地良く感じます。
立ち漕ぎしても力が横に逃げる感じもなく、スッと前にバイクが出てくれるのですが、フロントフォークが良い仕事をしてくれているお陰でもあるでしょう。
振動吸収性に関しては、そちらに特化したようなカーボンフレームを知っていると、やはり見劣りはします。大きめの継ぎ目や段差を踏むと、大きな振動がそのままサドルを直撃し、そういう時は「あーやっぱりアルミフレームだなぁ」と意識してしまいます。
チェーンステーとシートステーを横扁平にするなど、より良い乗り心地の追及に余念が無いのは窺えますが。
CAAD9では、シートステーが真ん中あたりからグワッと広がる「アワーグラスシートステー」という形状を採用していましたが、あの加工だけで向上させられる振動吸収性は知れているでしょうし、言い方は悪いですが所詮はアルミの丸パイプなので、扁平バックステーになっているCAAD10が「なんて乗り心地が良いんだ!」と持て囃されたのは当然といえば当然なのかもしれません。
実際、マドンからCAAD10への乗り換えに際して、明確に振動吸収性が落ちたとは思いませんでしたし、バイク全体の反応性の高さまでトータルで考えるなら、僕はCAAD10の方が好みではあります。
CAAD10には、2013年までの前期型と、それ以降の後期型があり、細部の仕様が色々と異なっています。僕のCAAD10は後期型になるのですが、前期型と比べて良くなった点がフロントフォークです。
LOOK KG481の記事でも触れましたが、小さいサイズのロードフレームにオフセットの小さいフォークをアッセンブルするのは本当にダメな事で、キャノンデールも2009年までは全モデルのフォークオフセットを45mmで統一するという手抜きっぷりを発揮していました。
2010年モデルのCAAD8とシナプスのスモールサイズフレームで初めてオフセット50mmのフォークが採用されたものの、その流れがCAAD10にまで及んだのは4年後の話。
後期型CAAD10は、小さい方から4サイズぶんに対してフォークオフセットを50mmに変更したため、170mmのクランクを取り付けた際にシューズとフロントタイヤが干渉する問題が起きにくくなりました。
KG481とCAAD10で、同じ長さのクランク、同じシューズ、同じクリート位置で比較してみると一目瞭然です。
ヘッドチューブが短いのは好きですが、キャノンデール名物「やたら分厚いトールキャップ」は嫌いです。
FSAの7.8mm厚キャップに替えた上で6mmぶんスペーサーを積んでありますが、フレームセットに付属しているトールキャップは20mm以上あるので、純正のままで組むよりはハンドルが低くなっています。
マドンを手放した理由のひとつがこれです。ヘッドチューブが長い上にトールキャップまで分厚いので、ハンドル高さを下げるのが不可能だったのです。
あと、これをお気に入りポイントと呼ぶのはどうかと思いますが、信号待ちでサドルから腰を下ろしている時のトップチューブの座り心地が良いです(笑)。
CAAD10の問題児っぷり
ボトルケージ位置
LOOK KG481の時にも同じことを書きましたが、今回も書きます。
CAAD10のシートチューブ側のボトルケージ固定位置は妙に高い場所に設けてあり、BBとボトルケージの間に隙間ができてしまいます。
それだけならまだしも、CAAD10はKG481に比べてチューブの断面積が大きい事が災いして、普通のボトルケージを普通に取り付けただけではシートチューブ側のケージにボトルを差すのが困難になってしまいます。
とはいえ、
KG481ほどには酷くないので、パタオ74を限界まで下げて取り付ける事により、ボトルを何とかまともな位置に持ってくる事は可能です。
パタオ74は既に廃版となっていますので、同じ事で悩んでおられる方にはキャノンデールのプラスチック製(カーボン製ではないほう)のC-Cageというボトルケージをお勧めします。
やたら立っているシート角
このCAAD10は数えサイズで50なのですが、僕の身長であればギリギリ52サイズに乗る事も可能です。
ですが、50サイズのシート角は74.5°と妙に立っており、サドル後退幅を稼ぐのが難しいジオメトリになっています。
パッド無しパンツで自転車に乗る時のお気に入りサドルが、セラサンマルコのゾンコラン・アーバンなのですが、このサドルでのベスポジはサドル高700mm、サドル後退幅70mmです。
はい、無理です。フレームセットに付属しているシートポストは、セットバック量25mmの結構ちゃんとしたものなのですが、これでは到底足りません。
探しましたよ。FSAのK-Force LIGHTシートポストでセットバック32mmのものがありますが、それを以てしても足りない気がしたので、セットバック量40mmのエビ反りシートポストを用意しました。
ゾンコランはサドルレールの掴み幅が狭いので、その点でも厳しかったです。
余談ですが、現行キャノンデールのCAAD OPTIMOというロードバイクは、44サイズのシート角が76°というTTバイク並みの絶壁仕様になっており、どう足掻いてもサドルポジションが出せません。
背が低い人で「CAAD OPTIMOが欲しい!」と言っている人が居たら、僕は取り敢えず全力で止めに入るようにしています。
シートクランプ
シートポスト径はオーソドックスな27.2mmなのに、シートチューブ外径は30.9mmなので、このシートクランプは実質CAAD10の専用品です。
地味にウザい。シートポストに汎用品が使えないよりはマシですが。
これが為に、秘蔵のカンパニョーロ盾ロゴ入りシートクランプが付けられませんでした。
リヤブレーキアウターの配線
この記事の主題です。
こればっかりはどーーーーーしようもありません。
↑バーテープを巻いている最中の写真です。
ブレーキしか配線していない状態なので、このフレームの凶悪さが伝わるかと思います。
そう、リヤブレーキアウターをヘッドチューブの正面で受けているのです。これがキツい。
↑ぐっちゃぐちゃやがな。
このようなフレームはアウターケーブルの根元に掛かるストレスが尋常ではなく、新品のケーブルで組みつけたとしても、1ヶ月も乗ればアウターが裂けますし、そうでなくとも輪行1回で裂けます。
そして上の画像、既に裂けています。これが為に発狂しそうになった、または発狂したキャノンデールオーナーも多いのではないでしょうか。
裂けること「だけ」を防ぎたいのならば、ダイアコンペが出しているFlexieという金属製アウターを間に挟めばいいかもしれませんが、それをするとブレーキの引きが重たくなります。
日泉のブレーキケーブルセットを使えば多少マシにできるかもしれませんが、カンパニョーロの純正アウターケーブルは日泉並みにしなやかなので効果は薄いでしょう。
ステムが10cm以上あれば、もう少し解決しやすいのかもしれません。
問題はそれだけではありません。
ヘッドチューブ正面でアウターを受けるフレームは、アウターがハンドルを押す力が非常に強く、静止状態でハンドルが正面を向く事ができません。
「右後ろ」で配線したとして、前輪は常に右へ切れた状態になるので、(やるかどうかは別にして)手放し運転が困難になります。
あるいは、走行禁止の市街地でサドルを押して歩く場合、自転車が勝手に右へ進んで行ってしまうため、自転車全体を左に傾けないと真っ直ぐ進んでくれません。
ノコンやアリゲーターのアルミピース式アウターケーブル(ハンドルを押す力を弱める効果がある)を組みつける方法もあるかもしれませんが、引きの軽さを追求できる気がしないので却下です。
この問題は本当に深刻です。僕が普段、後ろブレーキを全く使わない(というより、後ろブレーキが必要になる速度域で走らない)ので困らないだけであって、大抵の人はそうはいかないと思います。
市販のロードバイクで、これと同じ問題に悩まされるモデルは意外に多いです。
リムブレーキ版のスーパーシックスやシナプスは勿論の事、ビアンキのインテンソ、LOOK 785、コルナゴC-RS、V2-r、コンセプト、フォーカスCAYO、などなど。
スコットのアディクトは、2本のシフトアウターを両方ともヘッドチューブ左正面で受けているので、もっと鬱陶しいです。
「引きの軽さ」と「アウターの裂けにくさ」を両立させるための苦肉の策として、ダイアコンペのFlexieを使用した上で限界までリヤブレーキアウターを短く切り詰めたキャノンデールのバイクを見た事がありますが、今度はハンドルが45°くらいしか切れないという別の問題を引き起こしていました。どないしたらええんや。
BB30
実は、僕はBB30異音問題に悩まされた事は一度たりともありません。異音が鳴る原因と対処法を概ね把握しているからです。
CAAD10のBBシェルは工作精度が低く、ベアリングの外輪とBBシェルの密着度の不均等さに起因する異音が発生しやすいです。「ベアリングの収まりが悪い」と言い換えてもいいでしょう。
PRAXISWORKSのコンバージョンBBが、きちんと密着せずにフレーム内でぐるりと回転した、という話も耳にした事があるので、相当に精度が悪い個体もあるようです。
具体的に言うと、カンパニョーロ純正のBB30用アウトボードBBカップが要求するシェルの寸法は、圧入部分の内径41.960mm~41.985mm。CAAD10のBBシェルが、その公差範囲内に収まっているとは到底考えられません。
(BB30全ての精度が低いというよりは、CAAD10が突出して低いのです)
結局のところ、BBシェルの良し悪しに関わらず、異音を確実かつ永久に断つにはアルミ製ネジ切りスリーブを挿入する他ありません。スラム、FSA、TNiなどが出しています。
ベアリング単体で圧入するよりも接触面積が遥かに広く、またロックタイトやエポキシ接着剤で固定してしまえばズレる事もありません。コンバージョンBBのように、ベアリングが傷むたびに交換しなければいけない事もなく、まさにストレスフリー。
スリーブのぶん重たくなるやろがい!と、たまに言われます。
FSAが出しているアルミ製スリーブのBB30用は51gほどで、カンパニョーロの68mmBSC規格用BBカップを足すと95gになります。
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これが、BB30用アウトボードBBカップ(純正品)だと29g。66g差ですね。
66g増で異音を断てるのであれば軽いものではないでしょうか。
現在は、上記のとおり「FSAのスリーブ+カンパニョーロBBカップ」の組み合わせで、ウルトラトルククランクを使用しています。
昔はFC-6600アルテグラ+シマノ純正BBを使っていたものの、BB30同様にアルミシャフトの摩耗が原因で異音を生じ、使用を中断しました。
ウルトラトルククランクはスチールシャフトなので、異音が鳴った事は一度たりともありません。
仕様の変遷
あれこれ文句を垂れてはみたものの、CAAD10も僕の愛車である事に変わりはありません。
購入してからの2年とちょっとで、様々な寄り道を経て現在の状態に落ち着きました。
まずは購入直後。冒頭のマドンのパーツを載せ替えただけ、という仮の姿です。
コンポはスラムAPEX、ホイールはカンパニョーロ・ユーラス。
コラムは切っておらず、サドルはやたら前寄り、なぜかLOOKのステッカーが貼ってある、など突っ込みどころが多いですが気にしないでください。
コンポをAPEXからREDに交換し、カーボンホイールを履かせました。この頃から、チューブラータイヤを多用するようになります。
ちょっと諸事情あって、ペダルをLOOK KEOからSPD-SLに変更しました。
フォーリアーズのチェーンリングを使って簡易的にフロントシングル化してみました。
チェーンを短く切ったりフロントシフトアウターを除去したりはしたものの、左シフターはそのまま、リヤスプロケットも12-25Tのまま変更しない、など今から見ればかなりの手抜き工事でしたね。
フロントシングル化はこれが初めてではなく、高校生のころに乗っていたクロスバイクでトリプル→ダブル→シングル、と段階を踏んでチェーンリング枚数を減らした事があり、またいつかやろうと思っていたのです。
結局はすぐにフロントダブルへ戻してしまったのですが。
アルミチューブラーリムの前輪を手組みした際の写真です。
チューブラータイヤの有用性を再確認したものの、やはりカーボンホイールを常用するのは気が引ける、という動機で手を出しました。
スポークの多さからくる鈍重さが気になるので今は使用しておらず、新品のチューブラータイヤを伸ばすための道具として活用しています。
はい来ました、この写真。うちのCAAD10が過去最高レベルにカッコよかったのがこの当時です。
スラムコンポを丸々KG481に移し、カンパニョーロ10速コンポで組み替えました。
この頃、ユーラスの後輪のスポークを4本ねじ切って使えなくなったので、代わりにゾンダを履かせています。
スポークが千切れたのは、事故や落車でも整備不良でもなく、スポークをねじ切る覚悟で固着ニップルを回したためです。
ハンドルバーには日東のB105、ではなくMod.55の400mm幅を使っていますが、下ハンドルの握り心地だけで評価するなら、僕はこれ以上のドロップハンドルを知りません。
結局はハンドルそのものの剛性不足が原因で使用をやめたのですが。
ハンドルバーをシマノPROに、タイヤをミシュランとスペシャライズドに、ボトルケージを先述のキャノンデールC-CAGEに変更し、ブレーキシューをカンパニョーロ純正品に、ステム長を80mmに改めました。
ポジショニングやパーツの選定が、この頃から洗練されてきたように思います。
SPD-SLをやめてKEOに戻したのもこの時です。
かなり現在の仕様に近づいてきました。
純正シートポストに限界を感じてセットバックの大きいものに変更、ハンドル位置が定まったのでコラムカット、エルゴパワーレバーを組み替えてお手軽11速化。スプロケットはカンパニョーロではなく、R8000アルテグラを取り付けています。
加えて、タイヤサイド・バーエンドキャップ・コラムスペーサー・インナーエンドキャップを「青・赤・黒・黄・緑」のアルカンシェルカラーで統一してみました。
インナーエンドキャップは4つしかないので、黒を抜いた4色にしています。
カンパニョーロ10速コンポ(エルゴパワーが3世代目のものに限られます)を、なるべく低予算で11速化するノウハウをCBN本館にまとめてありますので併せてご覧ください。
cbn カンパニョーロの低コスト11速化
リンク先の記事では、左レバーをパワーシフトのままで放置していますが、1カ月後くらいに左ブラケットを買い足して両方ともウルトラシフトで統一させました。
写真で残していないのが大変惜しいのですが、この間に「スラムAPEXフロントシングル仕様」で乗っていた時期があったのです。2度目のフロントシングルですね。
CAAD10の後期型は電動コンポに対応しているのですが、使わないアウター受けは「ただのフタ」と交換できるようになっていて、フロントシングルで組んでもアウター受けが余って不細工に見える事がありません。というのが上の写真です。
一度目のシングル化で既に分かりきっていた事ではあるのですが、オールラウンドに乗りまわすには1×10速ごときではギヤが到底足りない事(この時は11-28Tに変更したのですが、今度はケイデンスの変化が大きく扱いづらい)、2本あるワイヤーが双方ともヘッドチューブ右側を通るのでハンドリングが最悪になる事がネックになり、結局カンパニョーロ11速に戻したのでした。
フロントシングル自体は好きなので、現在計画中の「街乗り系ゆったりシクロクロスバイク」はフロントシングルで組む事が確定しています(GRXではないよ)。
そして現在。
スポーク交換によって復活したユーラスG3改を装着してはいるものの、チューブラーホイールで乗る機会のほうが遥かに多いです。
チューブラーホイールの方が乗り心地が良いとか、外周部が軽いから加速が良いとか、まあ理由は色々あります。
ゾンダやユーラスが悪いホイールって事ではないですよ。
ところで、1枚目の画像から現在に至るまで、一度も変更していないパーツがひとつだけあったのにお気づきでしょうか。
正解は2007年型コーラスのブレーキです。2010年まで販売された貴重な銀色キャリパー、相方のリヤブレーキはシングルピボットである、T25トルクスレンチでガタ取りができる、など現行コーラスとはかなり仕様が異なります。
(アジャスターが飛び出ているのは、撮影前にナローリムホイールに交換したためです。普段はこんな状態では走りません)
このブレーキ、かつて通っていた高校の生活指導部の先生から戴いた思い出の品なのです。
マドンに乗っていた時もCAAD10に乗り替えてからも、これ以外のブレーキを使った事は一度たりともなく、シマノコンポを頑として使わなかったのもコーラスのブレーキを使いたいが為の事です。
スラムのブレーキレバーであればカンパニョーロのブレーキが問題なく引ける事を知っていたので、スラムのコンポは普通に使っていました。
リヤブレーキはアテナです。Cレコードのデルタブレーキや、クローチェダウネのペンタドライブと同時期のブレーキですね。
1994年からは、モノプラナーブレーキという新型にモデルチェンジしています。
現在のスペック
あとは、現在のパーツチョイスに関してサラッと触れて終わろうと思います。
- フレーム:CAAD10 MY2015 SIZE50
- コンポーネント:カンパニョーロ11速
- ハンドル:シマノPRO PLTコンパクト C-C380mm
- ステム:3T ARX-TEAM 実測C-C75mm
- サドル:Selle San Marco Zoncolan Urban
- シートポスト:TRIGON カーボンシートポスト
- ホイール:KINLIN TB-25×tradizione 手組 / のむラボホイール2号
- タイヤ:Continental GP4000SⅡチューブラー / Continental Sprinter
- ペダル:LOOK KEO SPRINT
- 実測重量:ペダル・ボトルケージ×2・レックマウント込み7.8kg
クランクとハンドルまわりの重量が結構かさんでいます。
ウルトラトルクのカーボンクランクに交換すれば軽くできますが、ケンタウルは気に入っているので当分の間このままで。
僕のロードバイクには「白いバーテープを巻くと不幸が訪れる」というジンクスがあり、ある時からバーテープを黒で統一するようになりました。
ブラケットカバーを白くする程度では問題ないようなのですが。
11速レコードの初期型はブレーキレバーのロゴデザインが異なっています。ブラケットを白にしたのはCレコードのオマージュです。
最初の画像では白いバーテープになっていますが、この写真を撮った前日に大雪で新幹線が止まる、峠の頂上で3年ぶりくらいに立ちゴケする、翌々日くらいにはタクシーにぶつけられそうになる、など散々な目に遭いました。
最後に
LOOK KG481に比べると、かなり扱いづらいというか難点の多いロードバイクです。CAAD10並みに走って尚且つ扱いやすい、組みやすい自転車は幾らでもあるでしょう。
ですが、いちど愛着がわいた自転車を早々に手放すなど僕には考えられませんし、ここ数年の市場の移り変わりを見るにポストCAAD10的なロードバイクは二度と現れない可能性だって大いにあり得ます。
ポジション出しには苦労しましたが、これよりジオメトリが優れているロードフレームは実のところ数えるほどしかありません(ビルダーさんにオーダーすれば、あるいは・・・)。何より見た目の好みで言えばやっぱりCAAD10、というのが正直なところです。
当初気にしていた「ヘタリ」も結局は体感できませんでしたし、何より僕はレーサーじゃないので、当分の間はCAAD10で楽しめそうです。