トレーナー

坂がイヤすぎる俺のための、ZWIFTルートガイド。

登り坂、それは悪である!

登りに入ったが最後、僅かしかない脚力は瞬時に枯渇し、大量の疲労物質が発生。絶望と畏怖で、フィジカルとメンタルの両面に多大なダメージを食らってしまいます。登り坂は「苦しさ」をもたらすことしかしない、忌むべき存在です。

坂がイヤすぎる俺のための、ZWIFTルートガイド。

それだけではありません!

登り坂がある。それゆえに自分のようなヘタレ自転車乗りは、機材のグレードアップを余儀なくされてしまいます。登り坂がこの世にあるせいで、諭吉や樋口や英世が何人も何人も何人も財布から旅立って行くことを止めることができません。

フィジカル、メンタル、さらに家計まで。自転車乗りをあの手この手を使って、これでもかと苦しめる登り坂。それを、悪と言わずしてなんと言うのでしょう?

さらに!さらに!!

途方もなく長い永遠を感じるような時間をかけて坂を登っても、下り坂はホンの一瞬で終了してしまいます。登坂で血を吐くようなツラい思いをしたんだから、それと同じようにずっといい思いができて然るべきなのに!なぜだ!?

何かを得ようと欲すれば、必ず同等の対価を支払う。これ即ち錬金術の基本である、等価交換です。登り坂は、そんな等価交換の原則に反します。不条理以外の、なにものでもないではありませんか!

俺は登り坂を…許さない!すべての坂という坂を爆散させて、平坦に変えてしまいたい!

…というぐらい、坂が嫌なヘタレなので、リアル同様にバーチャルでも坂が嫌いです。

坂がイヤすぎる俺のための、ZWIFTルートガイド。

そこで!

坂が嫌いなヘタレ系自転車乗りの偏りまくった視点で、Zwiftの各ワールドで「どのルートを選択すれば、坂を登る量を減らせるか」そして「絶対に選んではいけない危険なルートはどれか」を調べた結果をとりまとめてみました。

WATOPIA篇

WATOPIA

神ルート

Tempus Fugit, Tick Tock

ZWIFTの世界で最も尊い神ルートは、WATOPIAにありました。「Tempus Fugit」と、「Tick Tock」です。この2つのルートは、全ワールドの中でも最強に平坦なルートのトップと次点でもあります。

Tempus Fugit

Tick Tock

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Tempus Fugit 19.5 32 609.4
Tick Tock 19 59 322

砂漠の平坦コース「Desert Flats」を、中心に走るこのルート。走行距離と獲得標高から1メートル上昇あたりの走行距離を計算してみると、実に600m以上です。500m以上走って、ようやく1m程度の上昇。これ、なんていう筑波りんりんロードですか?

▼果てしなく続く平坦…最高!

Desert Flats

ありがてぇ…ありがてぇ…。もう「Desert Flats」の無いZWIFTは、考えられないです。

ちなみに砂漠エリアのコースが実装される前までは、海底トンネルからVolcanoを経由してグルッと回る「Volcano Flat」や、Volcanoをひたすらグルグル周回する「Volcano Circuit」が最も平坦なルートでした(「Volcano Circuit」と「Volcano Circuit CCW」は同じルートなのに順方向と逆方向で、なぜか獲得標高が違う…謎)。

Volcano Flat

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Volcano Flat 12.3 50 246
Volcano Circuit 4.1 20 205
Volcano Circuit CCW 4.1 21 195.2

ただ、Volcanoのコース(順方向)には「Volcano KOM」と分岐する手前に斜度のキツイところがあって、地味にイヤな感じです。

▼ここの斜度、もう少し緩ければいいのに…。

Volcano

しかも周回距離が短いので、Volcano25周ミッションにチャレンジした時は、ハムスターになってる感が非常に高かったです。

Volcano

地獄ルート

Road to Sky, Tour of Fire and Ice

どこまでも平坦が続き、キラキラと輝く光に満ちた神ルート。しかし「ロード界」の影に「裏ロード界」があるように、強い光には漆黒の影が落ちるのです。

ZWIFTの裏ロード界とも言うべき、少し走るとガッツリ登らされてしまう地獄ルート。全ワールドの中でも最凶のスペックを誇る地獄ルートは、やっぱりWATOPIAにありました。

「Road to Sky」と、「Tour of Fire and Ice」です。出発地点こそ違いますが、どちらのルートにも共通している点がひとつ。それは出発したら脇目も振らずに、ZWIFT最凶の坂地獄「Alpe Du Zwift」に向かっていくこと。

Road to Sky

Tour of Fire and Ice

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Tour of Fire and Ice 25.1 1,166 21.5
Road to Sky 19.9 1,144 17.4

ZWIFTの全ワールドで最凶の「Road to Sky」のほうは、20mも走らないうちにもう1m上がってる計算。空どころか、天国に逝っちゃいませんか?

600m走ってようやく1m上昇する「Tempus Fugit」と比較すると、走行のツラみは30倍!(雑)「Alpe Du Zwift」がどれだけの坂地獄なのか、わかりすぎです。ホントにもう…勘弁してください。

WATOPIAにはこの他にも地獄ルートがゴロゴロしていますが、「Quatch Quest」もかなりヤバイルート。わずか27m進んだだけで1m上昇する計算になるという、全ワールドの中でも3位のキツさを誇ります。

河野大臣でなくても、「ヤメレ」と言いたくなろうというものです。

Quatch Quest

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Quatch Quest 46.1 1,708 27

せっかく砂漠の平坦エリアを出発しているというのに、あえて平坦を通らずに「Titans Grove」に向かってから「EPIC KOM」を経て、最後は「Alpe Du Zwift」に至る。この「坂と坂を、よりによって坂でつなぐ」という、トンデモルーティングをした中の人は、1歩前に出てきてください!

あと、走行距離128km/獲得標高2,384mのデスルート「The Uber Prezel」は、大量すぎる登りを走らされて人間性を喪失するレベルの苦痛を味わいます(経験者談)。なのですが、平坦を走る距離も長いので計算上は突出してきません。数字の罠、というヤツです。

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
The Uber Prezel 128.2 2,384 54

▼「The Uber Prezel」の最終局面。その100mは、あまりにも長い。

The Uber Prezel

LONDON篇

LONDON

LONDONは川沿いや街中などが中心で、割と平坦なコースが多い印象です。

だがしかし!

地下鉄のトンネル(THE TUBE)を抜けた先にあるエリアに入ってしまうと、コースの様子は豹変します。トンネルの先のエリアは、「Hill」という名前の付いたコースがいくつもある坂地獄ゾーン。

なので、とにかく「地下鉄トンネルを抜けないこと」が、LONDONを安全に走る絶対条件と言えるでしょう。

▼トンネルを抜けさえしなければ、ロンドンは割と平和。

LONDON

神ルート

Greater London Flat, Classique

計算してみると、1m上昇辺りの走行距離が200mを超えるルートが2つあることがわかります。「Greater London Flat」「Classique」です。

Greater London Flat

Classique

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Greater London Flat 11.6 53 218.9
Classique 5.4 25 216

WATOPIAの砂漠コースには流石に及ぶべくもありませんが、砂漠コース実装前には最も平坦なルートだった「Volcano Circuit」と同等程度の平坦レベル。一部斜度がある部分で嫌な思いをさせられますが、基本的には最低出力でダラダラ走れてしまう素晴らしいルートです。

▼LONDONの平坦コースに陽が昇る。

LONDON

地獄ルート

Surrey Hills

その一方で、LONDONは地獄ルートも粒ぞろいです。

最も凶悪度が高い「Surrey Hills」は、1メートル上昇あたり走行距離45.8m。「Alpe Du Zwift」を擁するWATOPIAのルートには及びませんが、「EPIC KOM(電波塔つき)」を登らされる「Mountain 8」を超える高い凶悪度を誇ります。

Surrey Hills

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Surrey Hills 40.8 890 45.8

「Surrey Hills」は「Road to Sky」と同様に「脇目も振らずに坂に突っ込んで行く」という、「どんだけ坂が好きなの!?」と思いっきりツッコミを入れたくなるルーティングが特徴。

スタートしたらすぐ橋を渡って地下鉄トンネルをくぐり、アッというまに坂地獄エリアに突入です。そしてLONDON魔界エリアの坂という坂を、順方向からも逆方向からも登らされてしまう正気の沙汰とは思えな…もとい、たいへん難易度の高いルート設定がされています。

▼トンネルを抜けると、そこは激坂だった。

LONDON

そう、LONDONには「Alpe Du Zwift」みたいな、途方もないレベルの長い坂はありません。だから、なのでしょうか。LONDONのルートを引いた中の人は「同じ坂を何度も登らせる」という悪魔的なやり口で、バーチャルライダーを責め立ててきます。

そのやり口を鍋が焦げ付く寸前まで煮詰めたのが、「The PRL Full」。LONDON坂ルートの凶悪さを、象徴するルートと言えるでしょう。

なにしろ1メートル上昇あたりの走行距離が、66.4mと全ルートの中央値程度のレベルでしかないのに、

獲得票高「2,606m」
走行距離「173.1km」

という、「自分の目に入ってきている情報が、脳に届くまでに改変されているのではないか?」と疑いたくなるトンデモ加減です。全ワールド中でも最長距離&最高獲得標高のダブル最凶スペックを獲得している、まさに闇の帝王。

The PRL Full

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
The PRL Full 173.1 2,606 66.4

だいたいですね「同じ坂を、11回繰り返し登らされる」って、度し難いにも程がありすぎです!それ、なんて言うエンドレスエイトですか?

从廿_廿从 ナニソレ、イミワカンナイ!!

INNSBRUCK篇

INNSBRUCK

INNSBRUCKも、LONDON同様に「平坦エリア」「地獄エリア」の2つに分かれた、二重人格的なワールドです。山と平坦は分かりやすく分離されているので、WATOPIAのルートでありがちな「よく調べずに選んだら山に向かっていた」という悲惨な事故は起きません。

▼この分岐を左に向かうと山、右に向かえば平坦。もちろん、右にしか行かない。

INNSBRUCK

神ルート

Innsbruckring

INNSBRUCKに設定されているルートは、合計5本。そのうち「山を走らないルート」は「Innsbruckring」の1本しかありません。なので、それがINNSBRUCK唯一無二の神ルートになります。

Innsbruckring

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Innsbruckring 8.7 77 113

UCIコースのゴールゲート手前から出発して、街中を抜けていく「Innsbruckring」。1メートル上昇あたりの走行距離は113mで、WATOPIAやLONDONにある1メートル上昇あたりの走行距離が200mを超えるルートに比べると平坦スペック的には見劣りする感じが否めません。

なんですが、実際に走ってみての坂ストレスの少なさは、全ワールドの中でも特筆すべきものがあると感じています。

▼なぜだか妙に走りやすい「Innsbruckring」。

Innsbruckring

キツイ斜度の坂が1箇所しか出てこないですし、1周回あたりの距離は9km近く。ですから、平坦で十分に脚を休めて坂に挑める、という算段です。

なので、個人的に「Innsbruckring」は、全ワールドの中でもかなり高ポイントのルートです(あの坂さえなければ…。と思っていないとは言ってない)。

▼「Innsbruckring」この坂さえなければ最高なのに…。

Innsbruckring

地獄ルート

Lutscher, Lutscher CCW

INNSBRUCKは平坦と山岳が、それぞれ1コースしかないワールドです。なので「山岳だけ」「平坦だけ」「山岳+平坦」というバリエーションしか、ルートのつくりようがありません。そこから「平坦だけ」を引くと、残りの組み合わせパターンには全部山岳コースが入ってきてしまいます。

なので「Innsbruckring」を除いた残りの4ルートは、すべて山を通る地獄。そして限られた組み合わせパターンのうち「山岳だけ」のルートになる「Lutscher」「Lutscher CCW」がINNSBRUCK最凶になる、というわけです。

「山岳コースを順方向で回る」か「山岳コースを逆方向で回る」という選択。どちらを選んでも、待っているのは…地獄!

Lutscher

Lutscher CCW

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Lutscher 13.7 402 34.1
Lutscher CCW 13.7 402 34.1

10%を超えるドギツイ斜度が長く続く場所は、少なくとも順方向にはありません(逆は未経験)。だがしかし、この2つのルートは「間違いなく凶悪である」と断言できます。

坂嫌い的に、度し難いポイントは2つ。

ひとつは、平坦が全っ然ないところ。走って受ける印象が、「登る」か「下る」だけのルートである点です。下る時間は登る時間に比べてはるかに短いですから、実質的に走っている時間のほぼ全てが「登りに苦しむ時間」になります。…最悪だ!

ふたつめは、「山頂からスタートする」という点。本来、下りというのは「登って苦しんだ後に与えられるご褒美」であるべきなのです。おいしいおかずは最後まで残しておいて、ゆっくり味わって食べるものですよね?(子供かよ!というツッコミ不可)

▼INNSBRUCKの山頂にある謎モニュメント。

INNSBRUCKの山頂にある謎モニュメント

だがしかし!この2つのルートは、共に山頂付近がスタート地点に設定されています。スタートしたらガッと下って、あとは「登るだけ」。「この坂を登ったら下りでラクできる…だから今は我慢だ…」という、僅かな希望を抱くことすら許してくれないのです。

悪魔め…!!

▼坂はツラい…。しかも、下りのご褒美は先に味わってしまっている絶望。

INNSBRUCK

NEWYORK篇

NEWYORK

NYCのセントラルパーク、つまり都市公園をモデルにしたワールド。それはつまり、どうあがいても「山岳コースを設定できない場所」です。これはもう中の人たちがいかに凶悪なルートを敷きたいと思っていても、超フラットにせざるを得ないでしょう。

やったねたえちゃん! 平坦コースがふえるよ!

…と、期待していたのですが、中の人たちは「未来都市化」という斜め上にもほどがある方向性で、ガッツリと山岳コース(しかも17%とか出てくる凶悪さ)をブチ込んできやがりました。

どうして…どうしてこうなった…!?

▼未来高速道路で地獄を味わいつくす。

NEWYORK

神ルート

The 6 Train

NYで最高の神ルートは、セントラルパークの地上部分だけを走る「The 6 Train」。ですが、その1メートル上昇あたりの走行距離は約95mしかなかったりします。それって、WATOPIAの坂ありルート「Big Foot Hills」辺りと同等レベルじゃないですか!

The 6 Train

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
The 6 Train 6.5 69 94.2

セントラルパーク自体は大好きなんですけど、なんかこう「平坦コースならではの安息感を感じない…」と、常々思っていました。それもそのはずで、NYには1メートル上昇あたりの走行距離が100mを超えているルートがありません。

そう。実は全然平坦じゃないんですよ、NY!セントラルパークをバーチャルライドしていると、いつもいつも妙にキツイ感じがしていたのですが、そういうことかよ!(今ようやく気づくなよ!というツッコミ不可)

New York、愛する気持ちを呼びさます都会じゃなかった…。

地獄ルート

Grand Central Circuit

短い周回距離で、悪の未来高速道路のキツイ部分をキッチリ走らされる「Grand Central Circuit」が計算上ではNYで最凶のルートになります。

Grand Central Circuit

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Grand Central Circuit 6.8 144 47.2

セントラルパークの南側エリアしか走らないコンパクトなルートですが、キツさのスペック的にはLODON最凶のルート「Surrey Hills」と肩を並べます。なんということでしょう…!

いずれにしてもセントラルパークを走るなら、悪魔的な未来高速道路があるバーチャルワールドではなくてリアルな世界の方で走るに限ります。…と、思わずにはいられません。

▼17%とか、本当に勘弁…。女神のようなその顔で、脚をちぎる。NO NEW YORK!!

NEW YORK

RICHMOND篇

RICHMOND

RICHMONDに設定されているルートは、「2018 UCI Worlds Short Lap」「2015 UCI Worls Course」「Prefer Flat Roads」の3つ。

そうなると坂を通らない「Prefer Flat Roads」が消去法で神ルートになるのですが、特筆すべきはその平坦っぷり。WATOPIAの砂漠コースには及ばないものの、LONDONの神ルート「Greater Lodon Flat」を上回る平坦スペックです。素晴らしい!

神ルート

Prefer Flat Roads

「Prefer Flat Roads」は、全ワールドでも屈指の平坦ルート。1m上昇あたりの走行距離は約260mで、全行程中にキツイ登りが全然ありません。5%が一瞬出てくる程度で、あとは2%以下のステルス坂が少し紛れ込んでいるぐらい。

Prefer Flat Roads

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Prefer Flat Roads 5 19 263.2

「Innsbruckring」みたいに、平坦だけどキツイ坂が1箇所あるよ!という裏切りを感じることなく、限りなく平坦感に満ち満ちた「Prefer Flat Roads」。リッチモンドの異国情緒溢れる街の風景を見ながら、バーチャルゆるポタを心の底から楽しめます。

▼嗚呼…平坦最高。

Prefer Flat Roads

地獄ルート

Prefer Hilly Roads

RICHMONDの地獄ルートは、「Prefer Hilly Roads」。平坦部分にかなりの長さがあるので、1m上昇あたりの走行距離は約68mと、スペック的にキツそうな印象は弱めです。

Prefer Hilly Roads

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Prefer Hilly Roads 9.1 133 68.4

なんですが、割と平坦な部分が多い街中で安心させておいて、後半にキツめの坂を集中してぶつけてくる凶悪な設計がされているのが危険ポイント。調子にのって平坦パートで必要以上に回してしまい、力尽きたところで後半の坂ゾーンに突入。おかげで瀕死状態に…という、悪魔的なルート設計に起因する被害が続出しています(n=1)。

▼平坦で脚を使い切ったところに、この斜度が襲いかかる。

Prefer Hilly Roads

YORKSHIRE篇

YORKSHIRE

坂がないルートがないワールド、YORKSHIRE。なので神ルートも凶悪だし、地獄ルートも凶悪です。スペック的には、他のワールドの地獄ルートほどではありません。なんですが、その凶悪さは数字では見えないところにあります。

YORKSHIREは大小2つの周回ルートが組み合わされた感じのワールドですが、INNSBRUCKのような「キツイ山岳」と「平坦」に二極分化した形ではありません。大小どっちの周回ルートを走っても「そこそこの斜度で、長めの坂ばっかり」という印象を受けます。

そしてルート内はどこもかしこも「まっすぐ→曲がる→まっすぐ」という感じで、直線区間が多めです。

つまりYORKSHIREのルートは、かなりの部分が「直線の坂道」。

それが、どういうことなのか?というと、「先が見えない登り坂がずっと続く」ということにほかなりません。遥か地平線の彼方にまで、延々と続く登り坂。坂嫌いのメンタルは、チェーンソーでズタズタに切り裂かれます。

▼走っても走っても、終わりの見えない登りが続く。

YORKSHIRE

そして、どれだけ登っても下りは一瞬です。だらだらーっと登らされて、ガッと下ってまた登る。辛い時間が長く、楽しい時間は極めて短いルート設計。つまり、どのルートを選んだところで、待っているのは「坂…ツライ…脚がモゲル…」という思いをするだけの地獄タイム。

中の人、ちょっと前に出てきてくれませんか?

神ルート

Queen’s Highway

神ルートは小さい方の周回を回る、「Queen’s Highway」になります。なんですが、神ルートと言えるのは、YORKSHIREの中でだけ。ZWIFTのワールド全体でみてみると、平坦スペックは中央値程度の数値です。

Queen's Highway

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Queen’s Highway 5.7 82 69.5

なので、走っていて安堵感にひたれるシーンは「無」。むしろ「坂…ツライ 登り…嫌だ…」と苦しみながら過ごすことを、バッチリ強いられます。坂嫌い的には十分以上の「登り主体ルート」として、受け止めざるを得ません。全っ然、神ってない!

地獄ルート

Tour Of Tewit Well

大きい方の周回を逆方向に回るルート「Tour Of Tewit Well」が、スペック的には最も凶悪です。

先に述べた通り、YORKSHIREにはWATOPIAにあるような、長い長い山岳コースはありません。なんですが、どのルートも心を折ってくるタイプのキツさを感じさせる凶悪さを誇ります。

Tour Of Tewit Well

ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
Tour Of Tewit Well 10.7 204 52.5

しかも「Tour Of Tewit Well」のルート上には、一瞬ではありますが斜度30%というZWIFT全ワールドでも他に見ないレベルの斜度が出てきます。もうやめて!脚のライフはゼロよ!!

▼斜度30%とか!KIKCR CLIMBで再現できる斜度も、思いっきり超えています。

Tour Of Tewit Well

それだけではありません!LONDONやINNSBRUCKなど、街中を走るコースではガッツリ長い登りが出現することはほぼ皆無です。そりゃそうですよね。街中ですから。

「Tour Of Tewit Well」も、スタート直後は街中。いくらなんでも、そこまでキッツイことにはならないだろう…とか油断していたら、ガッツリ登らされて泣くことになります。

▼住宅街だって激坂。これ、なんていうヤビツ峠ですか?

Tour Of Tewit Well

坂嫌いは近づかない方が無難なワールド、それがYORKSHIRE。こう断言しても、どこにも異論の余地はないはずです。

まとめ

ZWIFTで徹底的に平坦を走りたいなら、WATOPIAの「Tempus Fugit」一択。このルートを実装いただいた中の方々には、心の底から賞賛を送りたいです。

しかも、いまはWATOPIAが常設ワールドになっているので、以前のように固定されたワールドしか走れなかった頃の「平坦を走りたいけど、週末は両方ともNEWYORK…だと!?」という悲劇も起こりません。ありがてぇ…ありがてぇ…。

平坦主体が希望だけど、少しぐらいなら坂を許容できるという場合は、「Innsbruckring」「Greater Lodon Flat」辺りを選んでおけば間違いはないはずです。

あ、もし灰になって燃え尽きてみたいのであれば、ぜひ「The PRL Full」を走って見てください。この記事を最後まで読んでしまった、あなたの挑戦をLONDONの坂が待っていますよ!

おまけ:ルートと1m上昇あたりの走行距離一覧

ワールド ルート名 走行距離(km) 獲得票高(m) 1メートル上昇あたり走行距離(m)
WATOPIA Tempus Fugit 19.5 32635.1
WATOPIA Tick Tock 19 59 322
RICHMOND Prefer Flat Roads 5 19 263.2
WATOPIA Volcano Flat 12.3 50 246
LONDON Greater Lodon Flat 11.6 53 218.9
LONDON Classique 5.4 25 216
WATOPIA Volcano Circuit 4.1 20 205
WATOPIA Volcano Circuit CCW 4.1 21 195.2
WATOPIA Flat Route 10.2 61 167.2
LONDON Greatest London Flat 25 171 146.2
WATOPIA Jungle Circuit 13.8 99 139.4
WATOPIA Out And Back Again 42 334 125.7
WATOPIA Figure 8 29.5 253 116.6
WATOPIA Figure 8 Reverse 29.6 254 116.5
WATOPIA Sund And Sequoias 20.1 173 116.2
INNSBRUCK Innsbruckring 8.7 77 113
WATOPIA Volcano Clinb 22.8 203 112.3
WATOPIA Road to Ruins 29.8 275 108.4
RICHMOND 2015 UCI Worls Course 16.1 157 102.5
LONDON The London Pretzel 55.7 574 97
WATOPIA Big Foot Hills 67.5 706 95.6
NEWYORK The 6 Train 6.5 69 94.2
WATOPIA Dust In The Wind 54.6 585 93.3
LONDON Greater Lodon8 24 278 86.3
WATOPIA Hilly Route 9.1 108 84.3
LONDON Greater Lodon Loop 21.2 257 82.5
NEWYORK Astoria Line 8 11.5 141 81.6
LONDON London8 20.3 255 79.6
NEWYORK Park Perimeter Loop 9.7 125 77.6
WATOPIA Bigger Loop 53 692 76.6
WATOPIA Whole Lotta Lava 12.2 160 76.3
LONDON Greatest London Loop 25.9 357 72.5
LONDON Triple Loops 40.8 563 72.5
YORKSHIRE Queen’s Highway 5.7 82 69.5
LONDON The PRL Half 69.3 1,005 69
RICHMOND Prefer Hilly Roads 9.1 133 68.4
YORKSHIRE Duchy Estate 4.7 70 67.1
LONDON The PRL Full173.12.606 66.4
LONDON London Loop 15.1 230 65.7
WATOPIA The Mega Prezel 107 1,639 65.3
WATOPIA Big Loop 42.4 660 64.2
NEWYORK Everything Bagel 34.4 545 63.1
NEWYORK Mighty Metropolitan 20 317 63.1
NEWYORK Knickerbocker 22.5 365 61.6
NEWYORK Knickerbocker Reverse 22.5 365 61.6
NEWYORK Lady Liberty 12.3 206 59.7
NEWYORK The Highline 10.5 179 58.7
YORKSHIRE 2019 UCI Worlds Harrogate Circuit 13.8 245 56.3
YORKSHIRE Royal Pump Room 8 27.5 490 56.1
NEWYORK Rising Empire 20.7 376 55.1
WATOPIA The Uber Prezel 128.2 2,384 53.8
WATOPIA Three Sisters 47.7 895 53.3
WATOPIA The Prezel 72.4 1,360 53.2
YORKSHIRE Tour Of Tewit Well 10.7 204 52.5
INNSBRUCK Achterbahn 47.3 989 47.8
INNSBRUCK 2018 UCI Worlds Short Lap 23.6 494 47.8
NEWYORK Grand Central Circuit 6.8 144 47.2
WATOPIA Mountain 8 32.1 691 46.5
LONDON Surrey Hills 40.8 890 45.8
WATOPIA Muir And The Mountain 34.5 792 43.6
WATOPIA Mountain Route 29.4 682 43.1
WATOPIA Four Horsemen 89.3 2,112 42.3
INNSBRUCK Lutscher 13.7 402 34.1
INNSBRUCK Lutscher CCW 13.7 402 34.1
WATOPIA Quatch Quest 46.1 1,708 27
WATOPIA Tour of Fire and Ice 25.1 1,166 21.5
WATOPIA Road to Sky 19.9 1,14417.4
著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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