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コンポーネント

電動コンポのトラブル発生率に関するアンケート結果【Di2 / eTap / EPS】

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Shimano Di2やSRAM eTap、Campagnolo EPSといった電動コンポは年々利用者が増加していて、将来的には油圧ディスクブレーキと同じようにロードバイクでは主流の選択肢となりそうですが、大きなメリットがある一方で「故障したら基本的に自分でなおせない」という弱点があります。

SRAM RED eTap

SRAM RED eTap (写真:などかずさん)

CBN Blogライターのなどかずさんが先日SRAM RED eTapのトラブル事例を紹介してくださいましたが(下の記事)、実際こうしたトラブルはどの程度の割合で発生するのでしょうか?

SRAM RED eTapが、ライド中に故障!どうする?
こーんにっちはー! みんなのアイドル、かすみn…すみません!すみません!! CBN Blog 駄文担当、などかずです。 技術の粋を集結して開発されたジオン驚異のメカニズム、最新の電動コンポーネントは最高オブ最高です。スッキリした見た目...

ということで、CBN Twitterで実態調査を実施してみました。ご回答いただいた皆様のご協力に感謝いたします。

電動コンポのトラブル発生率

Shimano Di2でのトラブル発生率

今回はShimano Di2とSRAM eTapのトラブル発生経験についてお聞きしました。まず次のようにお聞きしたところ…

Shimano Di2を愛用中の方にお聞きします。これまで走行中に変速操作ができなくなるなどのトラブルはありましたか?

71%の方々がトラブルは1度も経験していないと回答。1回から複数回のトラブルを経験した方は29%という結果になりました(総回答者数350人)。

ここでひとつ、このデータの見方についての注意点です。

これはTwitterでの簡易アンケートですから、回答された方が実際にDi2を使いはじめてからどのくらい経っているかわかりませんし、いつも同じ環境で使用されているかどうかもわかりません。

そのため「Di2の3割は不良品である」という結論は導けません。「3割の人が何らかのトラブルを経験している」という表現は、そのためかなりざっくりとした、ふわっとしたものであることをあらかじめご了承ください。

SRAM eTapでのトラブル発生率

ただし、だからといってこのデータが何の役にも経たないかというと、そういうわけではありません。

例えばそれはSRAM eTapでのトラブル発生率を見るとわかります。以下のようにお聞きしたところ…

SRAMの電動コンポを愛用中の方にお聞きします。これまで走行中に変速操作ができなくなるなどのトラブルはありましたか?

次のような結果になりました。トラブルを経験したことがないという方は72%。何らかの不具合を経験した方の合計は28%です(総回答者数172人)。

総回答者の母数がDi2とeTapとで倍くらい違うので断言はもちろんできないのですが、「トラブルフリー約70%、何らかのトラブル経験30%」とほぼ同じ傾向が出ていて、このあたりの数字の一致はなかなか興味深いものがあります。

参考までに、今回のアンケートでDi2使用者は350人、eTap使用者は172人でした。母数に偏りはあるものの、Di2ユーザーはeTapユーザーの倍くらい存在するのかな? という発見もありました

電動コンポのトラブル事例

では実際にどんな感じのトラブルが発生するのでしょうか。Twitterで寄せられたご意見からいくつか紹介します。

Shimano Di2のトラブル例

シマノの場合はどちらかというとソフトウェアの異常よりもハードウェアの接触不良やバッテリーの意図しない放電などが多いのかな、という気がしました。

と、このようにバッテリーの自然放電、どうも多いのではないかと思いました。完全に充電済みであっても、ライド前の動作チェックは習慣にしたほうが良い感じでしょうか。

SRAM eTapのトラブル例

SRAMではバッテリーがなくなっていた、という報告は目にしなかったと思うのですが、次のようなちょっとお役立ちの情報もありました。

ところでSRAMのトラブルは「ファッ◯ン・スラム事件」で去年話題になりましたよね。

ファッ◯ン・スラム事件とは?

トレック・セガフレード所属のバウケ・モレマ選手(ベルギー)が2019年のジロ・デ・イタリアでSRAMのリアディレイラーが変速できなくなり全世界に向けて(意図せず)禁断の4文字単語を発した事件である

ちなみにSRAMが問題を起こしたらSLAM(=叩く)すれば治るかもしれないという伝説もあるようです。下はカチューシャ・アルペシン所属のニルス・ポリット選手が動かなくなったリアディレイラーにケリを入れる様子です。

次のような事例も見かけました。衝撃を与えるとうまく行ったりして? (精密機器なので要注意ですが、果たして… あと蹴るのはディレイラーハンガーが曲がってしまうかもしれないのでやっぱりやめましょうw)

Campagnolo EPSのトラブル例

今回、母数が少なすぎると思ったのでCampagnolo EPSでのアンケートは取らなかったののですが、次のようなコメントをいただきました。ユーザー数が少ないので断言は禁物ですが、本体は大丈夫そうでしょうか。「エラーメッセージがイタリア語」は強烈なパワーワードです。

電波干渉も原因のひとつ?

電動コンポにトラブルが発生しても、結局ユーザー側でできることは基本的になく、故障と思われるユニットは交換対応が基本ですから、最終的に何が原因だったのかわからない、ということが多いと思います。

製品本体の不具合(電子基板や電気系統の接点不良など)もあるとは思いますが、eTapのような無線式の場合、もしかすると電波干渉が原因のこともあるのではないか、という興味深いコメントもいただきました。

ちなみにeTapの通信方式はWiFiやBluetooth、ANT+といった一般的な規格ではなく、128 bitの暗号化でペアリングする独自のプロトコル(Airea)を使用しています。

問題がない人も多い

ところで今回のアンケート中、「こんな不具合があったよ」という報告が多く寄せられたわけですが、だからと言って「電動・無線式=ダメ」ということにはならないでしょう。というのも「問題なかったよ」という方は、ほとんどの場合は発信しないからです。というわけで、次の方のコメントは私も同意です。

と同時に「ここ一番の絶対に負けられないレース」といったミッションクリティカルな状況で使うには、誤動作の確率はまだちょっと多いのかなという印象は受けます。

一度は持ってみたい

そんなわけで「やっぱりメカニカル(「紐」というスラングで呼ばれたりします)がいいな」という方も多いと思いますが、とはいえ一度は所有してじっくり使ってみたい気もします。

あと数年すれば電動コンポもかなり価格がこなれてくるでしょうから、多くの方が遅かれ早かれ簡単に試せる状況になってくると思います。せっかくの最新技術、そういうタイミングで是非試してみたいものですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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