フレーム・完成車

ブロンプトンのフェンダーを外してみた デメリットもあるので注意

ブロンプトンの前後フェンダー(マッドガード)の取り外し方を紹介します。そもそもなぜ取り外したかというと、酷使の結果、前後とも割れてしまったからです…

割れやすいブロンプトンのフェンダー

割れた断面はこんなにきれいではなかったのですが、そのままにしておくとタイヤに傷が付きそうだったため、応急処置としてハサミでこんなふうに整形しておきました。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

これでも泥除けとして機能していますが、さすがにみっともないので、新しいフェンダー(またはリアラックにしようかな? と悩み中)を取り寄せるまで、ひとまず外しておくことにしました。

フロントフェンダーもだいぶ前から少し割れています。リアだけ取り去ると見た目が格好良くないので、両方外してしまいます。ブロンプトンの「L」モデルを「E」モデルに改造する、ということになります。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

ブロンプトンのフェンダーはこんなふうに割れやすいのですが、これはもう消耗品と考えたほうが良いように思います。

用意するツール

今回の作業に必要なツールを紹介します。8mmのメガネレンチ(スパナでも可)は2本必要です。1本はラチェット式だと作業がかなりはかどるのでおすすめです。

  • 8mmメガネレンチx2
  • 10mmメガネレンチ(スパナでもOK)
  • 15mmメガネレンチ

ブロンプトンのフェンダー外しに必要な工具

ラチェットレンチはボルトからいちいち外さずにカリカリと巻き上げられて便利なだけでなく、音がまた気持ち良いので作業が楽しくなります。ブロンプトンのメンテナンスでこれがあると非常に便利なので、おすすめです。

用意しておくパーツ

さらにフロントフェンダーを外す場合、ハンドルを切った時にアウターケーブルがタイヤに擦れないようにするための「ケーブルフェンダーディスク」と、折りたたみ時に使う「Eタイプ用フロントアクスルフック」が必要になります(※後半で写真付きで紹介します)。

  • ケーブルフェンダーディスク
  • Eタイプ用フロントアクスルフック

ブロンプトンのフロントフェンダーにはこれら2つの機能が組み込まれているので、取り去ったらこういうパーツが必要になるわけですね。

リアフェンダーの取り外し

最初にリアフェンダーから外してしまいましょう。フェンダーのステイは両側から2本の8mm六角ボルトで固定されています。まずこれを外します。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

内側のボルトを8mmレンチで固定し、外側のボルトをもう1本の8mmレンチで回していきます。この外側のボルト、滑り止めがあって結構固めなのでラチェットレンチで回すと早いです(写真では普通のレンチを当てています)。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

外側のボルトが取れました。だがしかし! 残っているこのボルト、なんとこのままだとチェーンが邪魔になって引き抜けません。なんでこんなギリギリな設計なんだ…(このあたりに英国を感じるのは私だけでしょうか)。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

チェーンをずらしてみても、コグに当たるので無理です。ここは諦めてホイールを外す必要があります(※6速モデルの場合。他のモデルでこれを難なく外せた方、おめでとうございます!)。

次に変速ロッドを抜き、チェーンテンショナーを15mmレンチで外し、ワッシャーを外します(※1)。ブロンプトンを作業台に乗せていれば、するとホイールが下に下がってくるので、この状態でボルトが抜けるようになります(ホイールを全部外さなくてもできた)。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

※1 ブロンプトンのリアホイールの外し方は「ブロンプトン・ホイールの着脱方法:出先でパンクした時に見るためのページ」という記事で詳しく書いているので、そちらも是非お読みいただけると幸いです

リアフェンダーを外すには、反対側のステイ固定ボルトを外して(これは簡単)、あともう1つ、キャリパーブレーキやライトマウントと共締めされている部分(Lower Stop Disc, ロワー・ストップ・ディスクというパーツ)を外す必要があります。ここも作業が面倒なので、メンテナンス作業が苦手な方には抵抗があると思いますが、難しくはないので良かったらチャレンジしてみてください。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

いろんな外し方がありますが、私は10mmのレンチで写真に映っている銀色の六角ネジを回して取ります。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

これでようやくフェンダーが抜けるようになります…が、私が使っているシュワルベ・マラソンが太いタイヤなので空気を抜く必要がありました。コジャックならもしかすると空気を抜かなくても外せるかもしれません。ブレーキワイヤーを外してキャリパーを開放させる手もありますが、そちらのほうが面倒なので私はそこはいじりません。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

フェンダーを抜いたら、ブレーキやライトマウントを元に戻します。リアはこれで終了です。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

しかしこう見るとこのキャリパーブレーキ重そうだな…もっと軽量な…いやダメだそんなこと考えちゃダメだ、考えちゃダメだ考えちゃダメだ考えちゃダメだ(碇シンジ風)

EEbrakeとか…

フロントフェンダーの取り外し

次にフロントフェンダーの取り外しです。これはリアよりはるかに簡単です。キャリパーブレーキ裏のボルト(写真下)を10mmのレンチで外し、あとはフェンダーステイの左側を15mmレンチ、右側を8mmのレンチで外すだけです(順番はどれでもOK)。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

このあたりもラチェットレンチでカリカリやると気持ち良く早く作業できます。

ケーブルフェンダーディスクの取り付け

ところでブロンプトンのフロントフェンダーには、ハンドルを切った時、こんなふうにアウターケーブルをストップしてくれる役割もあります。つまりフェンダーを外すと、そのままではアウターがタイヤと接触して磨耗してしまいます。マルチパーパスなパーツなのです。考え抜かれすぎだろ、と驚きを新たにします。

ブロンプトンのフェンダーの外し方

そこでこのオプションパーツを使用します。フェンダーレスの「Eタイプ」で標準採用されている「ケーブルフェンダーディスク」というパーツです。お近くのブロンプトン正規ディーラーやCYCLETECH-IKDのような通販ショップで1,000円くらいで買えます。

ブロンプトン・ケーブルフェンダーディスク

取付方向ですが、こんなふうにディスクの凹んでいる側を内側にして装着します。ディスクとフォークの間には黒いスペーサーが入ります。

ブロンプトン・ケーブルフェンダーディスク

このディスク、数年前まで半月形だったのですが、最近仕様が変わったようです。見た目は昔のほうがスッキリしていたような気がします。わずかに重量増になっていると思いますが、何か事情があったのでしょうか。

Eタイプ用フロントアクスルフック

さらに折りたたみ時にチェーンステイにひっかけるあのフック。あれはフロントフェンダーのステイの先端にくっついているので、フェンダーを外したら下のようなオプションパーツが必要になります。「Eタイプ用フロントアクスルフック」です。1,700円くらいです(元のフェンダーを使わないのであればちょっと破壊して再利用しても良いかも)。

Eタイプ用フロントアクスルフック

この取付は特に迷うことはないでしょう。15mmレンチで、ホイールのロックナットの内側に共締めします。

Eタイプ用フロントアクスルフック

これでフロントもできあがりです。ブロンプトンのホイール・ロックナットは柔らかめの鉄でできているので、着脱時はスパナよりもボックスレンチやメガネレンチを使ったほうがナメにくいので良いと思います。フィクストギアのバイクと一緒です。

折りたたみ時は安定しない。CATEYEのライトがギリギリ

さて、これでブロンプトンのフェンダーを取り去り、重量も走行感も軽量になりました。

だがしかし。良いことばかりではありません。

フェンダーを外すと「お座り」させた時にあまり安定しません。あと下の記事で紹介したCATEYEの「リフレックスオート TL-LD570-R」は地面にわずかながら接触してしまうので、折りたたんで駐車する時はガリガリと削ってしまわないよう、要注意です(というか、ちょっと削ってしまいました)。

CATEYE「リフレックスオート」をブロンプトンに導入してみた
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ローラーをイージーホイールに交換するとベター

解決法としてはライトの上面にゴムシートを貼るか、あるいはリアフレームのローラー(いわゆる「コロコロ」)をより大径の「イージーホイール」に交換しても解決できそうです。

というわけでパーツ箱に入っていたイージーホイールを装着してみたところ…

BROMPTON Eazy Wheel Rollers

バッチリ、TL-LD570-Rとのクリアランスを稼げました。安定感も少し増します(※このイージーホイール、フェンダーがある時に使うと逆に不安定になったので使わなくなっていた気がします)。

だがしかし。

「Eタイプ用フロントアクスルフック」を使って折りたたむと、どうもフロントホイールがきれいに内側にぴったり入ってくれません(何年か前にもこのパーツ使ったことあるのですが、前からそうでしたっけ?)。チェーンガードの保持アングルが少し違うみたいで、若干違和感があります(バランスが悪い気がする)。

というわけで久しぶりにフェンダーを外して思ったのは、やはりフェンダー付きの標準モデル(M6L, S6Lといったモデル)は「何も足してはならない、何も引いてはならない」究極のバランスが実現している車体なのだな、ということです。

ところでケーブルフェンダーディスクやフロントアクスルフックにはサードパーティから軽量だったりカーボンだったりチタンだったりする様々なオプションパーツが用意されています。

 
見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ…

 
なんだこれ、ebayにあるこのTitanium Cable Fender Disc Brompton (H&H)ってなんだこれ…

めっちゃカッコいいじゃないか… 19ドルか…やっすいな… これチタンなのか… いっそシートポストとかもチタンにして… ハァ、ハァ…

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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